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学資保険の代わりにNISAは利用できる?メリット・デメリットについても解説

2024.11.11
学資保険の代わりにNISAは利用できる?メリット・デメリットについても解説

※この記事は商品プロモーションを含むことがあります。

子どもの教育資金に関する悩みや不安は、多くの親が抱えている問題です。子どもの人数が増えればその分準備すべき資金も大きくなりますが、実際どのくらいの教育資金が必要なのか分からないという方も多いのではないでしょうか。

そこで、本記事では今よく聞くNISAが学資保険の代わりに利用できるのかについて紹介します。そもそもNISAとは何なのか、学資保険との違いやそれぞれのメリット・デメリット、さらに、学資保険の代わりにできる様々な保険や投資についてもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

親として、金銭的な理由から子どもの学びたい分野を諦めさせたり、視野を狭くしてしまったりということはできれば避けたいところでしょう。本記事でお伝えする情報で、子どもの将来のためにも重要となる教育資金の準備を効率よく進めていきましょう。


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目次

子どもの教育費はいくら必要なの?

教育費とは、学校にかかる費用だけではありません。塾や習い事などの学校外活動費も含まれます。そのため、「学校に通うための資金」と考えていると、後々教育資金が足りないといったトラブルが発生してしまうでしょう。

文部科学省の調査によると、幼稚園から高校まで、保護者が支出した実際の子どもの学習費平均総額は下記の通りです。

区分学校教育費学校給食費学校外活動費学習費の総額
幼稚園公立:61,156円私立:134,835円公立:13,415円私立:29,917円公立:90,555円私立:144,157円公立:165,126円私立:308,909円
小学校公立:65,974円私立:961,013円公立:39,010円私立:45,139円公立:247,582円私立:660,797円公立:352,566円私立:1,666,949円
中学校公立:132,349円私立:1,061,350円公立:37,670円私立:7,227円公立:368,780円私立:367,776円公立:538,799円私立:1,436,353円
高等学校(全日制)公立:309,261円私立:750,362円公立:-私立:-公立:203,710私立:304,082円公立:512,971私立:1,054,444円
参考:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査の結果について(学校種別の学習費総額)

また、教育資金は上記のように公立と私立によっても大きく異なります。下記表で、公立に通った場合や私立に通った場合、さらに学校ごとに公立と私立それぞれに通った場合の教育費についてみていきましょう。

通学タイプ別教育費総額
すべて公立約574万円
幼稚園:私立小学校・中学校・高等学校:公立約620万円
幼稚園・高等学校:私立小学校・中学校:公立約781万円
すべて私立約1,831万円
参考:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査の結果について(令和3年度における幼稚園3歳から高等学校第3学年までの15年間の学習費総額)

当然ながら、公立と私立では教育資金に大きな差が生じます。最も低いのがすべて公立の場合です。平均額として約574万円となりますが、逆にすべて私立の場合、その3倍以上の約1,831万円が必要という結果になりました。

家庭の収入状況によっては、入学準備金や就学援助制度などを利用することも可能ですが、費用の一部を援助してくれる程度なので、子どもの教育資金は余裕をもって準備することが理想です。

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西郷 勢矢

教育資金には様々なものが含まれますが、基本的に学校教育費、学校給食費、学校外活動費のことを指しています。
中学校から始まる部活動でかかる資金によっては金額が大きく前後する恐れがありますので、注意が必要です。

学資保険を利用する代わりにNISAは活用できる?

子ども教育資金の積み立てとして、一昔前までは学資保険が主流となっていました。しかし、NISAを利用して得た収益を子どもの教育資金に充てることで、学資保険の代わりにすることは十分可能です。

NISAは2014年にスタートした税制優遇制度で、令和5年度の税制改正により様々な内容が見直され、2024年から「新NISA」が開始されました。テレビでもNISAに関するニュースなどを見た方もいるのではないでしょうか。

NISAは早期スタートさせることで長期的な積立ができ、結果として教育資金のほとんどを賄えるほどの資産が得られる可能性があります。

しかし、あくまでもNISAは投資になるため、損失のリスクもあるということを頭に入れておかなければいけません。本記事でNISAと学資保険の違いやそれぞれのメリットについて詳しく紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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学資保険とNISAの違い

学資保険の代わりにNISAの利益を教育資金に充てられます。しかし、「学資保険とNISAはどう違う?」「そもそもNISAって何?」など、それぞれについての知識がないという方は少なくありません。ここで、まずは学資保険とNISAの違いについて詳しく紹介します。

  • 学資保険とは
  • NISAとは

子どもの教育資金を効率よく準備するためにも、それぞれの違いについて正しく理解し、どちらが適しているかをしっかりと見極めてください。

学資保険とは

子どもの教育費を準備するのに適した保険商品が学資保険です。多くの学資保険は、出産前や出産直後での加入ができるので、長期的な積立が可能となっています。また、普通預金や積立預金と比べ返戻率が高く、一般的な貯蓄よりも効果的に教育資金を貯められるのが特徴です。

さらに、もしも保険契約期間中に契約者が死亡してしまった場合に備え、ほとんどの学資保険には保険料払込免除特約が付加されています。もしもの際には保険料の支払いが不要になることで経済的な負担が軽減されるのはもちろんのこと、将来学資年金を受け取ることも可能です。

仮に学資保険を途中解約した場合、経過年数によって解約返戻金の受け取りができますが、既に払っている保険料の総額よりは低くなることがほとんどとなります。

NISAとは

NISAとは、「少額投資非課税制度」といい、その名の通り投資による利益を獲得できる制度です。株や投資信託などで得た利益が非課税になるため、節税対策として利用する方も少なくありません。本来であれば、投資による利益には20.315%の課税が原則となっていましたが、NISAは課税されることなく利益をそのまま獲得できるのが特徴です。

2014年にスタートしたNISAですが、様々な内容が見直され、2024年から「新NISA」として生まれ変わりました。旧NISAと新NISAの違いは下記の表の通りです。

旧NISA新NISA
仕組みつみたてNISA一般NISAつみたて投資枠成長投資枠
年間投資可能額つみたてNISA:40万円一般NISA:120万円つみたて投資枠:120万円成長投資枠:240万円
生涯投資上限額つみたてNISA:最大800万円(20年間)一般NISA:最大600万円(5年間)1800万円(うち成長投資枠1,200万円)
非課税保有期間つみたてNISA:20年間一般NISA:5年間無期限化
投資可能期間2023年まで恒久化
投資対象商品つみたてNISA:長期積立分散投資に適した一定の投資信託一般NISA:ETF・上場株式・公募株式投資・REITなどつみたて投資枠:旧NISA同様、長期積立分散投資に適した一定の投資信託成長投資枠:上場株式や投資信託など

上記表のように、新NISAでは非課税保有期間が無期限化されたことにより、より長期的な積立が可能になりました。また、旧NISAにおいて2023年まで投資した商品に関しては、新NISAとは別の口座で保有できます。

さらに、新NISAのつみたて投資枠と成長投資枠は併用可となっているのも大きな特徴といえるでしょう。しかし、旧NISAから新NISAへのロールオーバーはできません。また、ジュニアNISAも2023年に廃止されています。

学資保険を利用するメリット

「NISAより学資保険に興味があるけれどどんなメリットがあるか分からない」「加入することでプラスになる部分について詳しく知りたい」という疑問を抱える方は少なくありません。

これから学資保険の加入を検討している方は必見の内容ですので、ぜひ学資保険を検討している方は、ここで紹介する下記4つのメリットについてしっかりと把握しておきましょう。

  • 期間が決まっているので、管理しやすく計画を立てやすい
  • 万が一のことがあれば保険料の支払いが免除されることがある
  • 契約者限定で子どもの怪我や病気について相談できることもある
  • 支払った保険料は生命保険料控除の対象になる

これまでは、教育資金の準備といえば学資保険への加入が一般的でした。NISAよりも前から活用されている学資保険を利用することで、具体的にどんなメリットがあるのか、ここで詳しく紹介します。

期間が決まっているので、管理しやすく計画を立てやすい

学資保険は、払い込みの期間や受け取るタイミングなどがあらかじめ決まっています。そのため、教育資金の準備を計画的に行っていけるのが特徴です。また、払い込む金額は毎月一定なので家計管理もしやすくなります。

受け取り時期は子どもの誕生日や契約満期などにより決定するため、受け取りを希望する時期に満期を合わせれば、必要な時に必要な資金が受け取れるでしょう。

万が一のことがあれば保険料の支払いが免除されることがある

契約者にもしものことがあれば、その後の保険料の支払いが免除されることがあります。学資保険の契約者は、両親のどちらかとなっていることがほとんどです。契約期間中に契約者が死亡してしまったり、高度障害状態になってしまったりした場合、保険の払い込みが困難となるでしょう。

多くの学資保険にはこうした事態に備えて「保険料払込免除特約」が付加されているため、万が一のことがあれば保険料の支払いが免除となります。

また、支払いが免除になってからといって教育資金を受け取れなくなるわけではありません。契約時に決めた学資年金はしっかりと獲得できます。

契約者限定で子どもの怪我や病気について相談できることもある

学資保険は、ただ単に子どもの教育資金のための保険ではありません。契約者限定サービスとして、子供の怪我や病気などについて医師や看護師に相談することが可能です。

特に初めての子育ての場合、分からないことが多くどうすればいいか判断できないという状況になってしまうケースは少なくありません。学資保険は、そんな時に頼れる子育てのパートナーといえます。

支払った保険料は生命保険料控除の対象になる

学資保険は、子どもの教育資金のための「保険」です。そのため、これまでに支払った保険料は生命保険料控除の対象となり、所得税や住民税の負担軽減ができます。

学資保険は「一般生命保険料控除」です。同じく「一般生命保険料控除」に該当する定期保険、終身保険などに加入している場合、その全ての支払った保険料を合算して控除額を算出します。

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学資保険を利用するデメリット

様々なメリットがある学資保険ですが、その反対にデメリットもあります。しかし、デメリットは事前に把握しておくことで大きなトラブルや問題を防ぐことに繋がるため、ここで紹介する内容についてしっかりと頭に入れておきましょう。

  • 加入期間と受け取り時期が決まっている
  • お金を受け取る際には税金が課せられる

特に知っておくべきは上記の2つです。それぞれの具体的な内容について、ひとつずつ詳しく紹介します。

加入期間と受け取り時期が決まっている

メリットとして挙げた「期間が決まっている」という点は、逆にデメリットにもなり得てしまいます。加入期間や受け取り期間が決まっているということは、計画の立てやすさはあるものの、途中解約するとこれまで支払った金額よりも解約返戻金が大きく下回ってしまうでしょう。

学資保険に加入する際には、無理なく保険料の払い込みを継続できるかをよく考えてください。家庭の収支状況と月々の保険料を基に、一度シミュレーションしてみることをおすすめします。

お金を受け取る際には税金が課せられる

学資保険で受け取れる子どもの教育資金は課税対象になります。場合によっては払込金や控除を差し引けば非課税になるケースもありますが、思わぬ負担がかかってしまうこともあるため注意しなければいけません。

学資保険に課せられる税金は「住民税」「所得税」「贈与税」「相続税」の4種類のどれかとなり、下記のように契約者、払い込む人、受取人が同一か異なるかにより変わります。

  • 住民税:契約者と受取人が同一の場合
  • 所得税:払い込む人と教育資金を受け取る人が同一の場合
  • 贈与税:契約者と受取人が異なる場合
  • 相続税:契約者にもしもの事態が起こり払い込みが免除される場合

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契約の途中でお金が必要になる可能性があるという方に学資保険はおすすめできません。
もし途中で解約してしまうと解約時の返戻金が支払額を下回ることが多いです。
そのため、満期になるまで積み立てているお金が必要になることはないという方におすすめです。

NISAを利用するメリット

学資保険とは異なり、NISAは投資で教育資金を積み立てる方法です。NISAを利用することで得られるメリットは、主に下記の3つがあります。

  • 自分の好きなタイミングでお金を受け取ることが可能
  • 途中で積み立てる金額の変更ができる
  • 配当金や運用益は非課税で受け取れる

学資保険とは異なるメリットを理解し、それぞれを比較しどちらが適しているか見極めてください。

自分の好きなタイミングでお金を受け取ることが可能

学資保険の場合、教育資金を受け取れるタイミングは決まっています。しかし、NISAは好きなタイミングで現金化できるため、子どもの進学や進級など、本当に必要になったタイミングに合わせて売却すれば資金の用意が可能です。

また、学校外活動費に充てることもできるので、習い事が増えて出費が多くなったり、発表会や大会で支出が増えたという場合にも役立てられます。

途中で積み立てる金額の変更ができる

NISAと学資保険の大きな違いのひとつに、積立金額の変更があります。学資保険は、定められた払込金額を変更できません。しかし、NISAは途中で積立金額を変えることが可能です。

例えば余裕があるときは多めに積み立てを行い、収入が下がり生活に余裕がなくなった場合は積立金額を減らすなど、家計の状況に合わせて柔軟に対応できます。

しかし、いくら余裕があるからといっても無制限に積立できません。年間の積立金額には上限が定められているため、注意しておきましょう。

配当金や運用益は非課税で受け取れる

学資保険のデメリットでもお伝えしたように、受け取る教育資金は課税対象になります。しかし、NISAで得られる利益は非課税です。例えば、NISAの利益100万円を獲得した場合、学資保険ではこの100万円が課税対象となるため、受け取るときには金額が減ってしまいます。

しかし、NISAは課税されないので100万円をそのまま受け取ることが可能です。このように、課税の対象外で利益をそのまま受け取れる点は、NISAを利用する大きなメリットといえるでしょう。

NISAを利用するデメリット

NISAにもデメリットが存在します。メリットばかりに注目すると、後々大きな問題が発生してしまうでしょう。特にNISAは保険ではなくあくまでも「投資」です。正しい知識を身につけていなければ、大きな損失に繋がってしまいます。

  • 積み立てるお金は控除対象にはならない
  • 自分の運用次第ではお金が減ってしまう恐れがある

NISAの利用で特に注意すべきデメリットは上記の2つです。それぞれの具体的な内容について、ひとつずつみていきましょう。

積み立てるお金は控除対象にはならない

NISAの積立金は控除の対象外です。学資保険の場合、支払った保険料は控除対象になります。そのため税負担を軽減することが可能です。しかしNISAの場合、運用益など受け取る資産は非課税ですが、投資する掛け金自体は控除が受けられません。

非課税で利益を受け取れるのは当然大きなメリットになりますが、積立金が控除対象外というのは事前に把握しておかなければ、結果として予想以上の支出が出てしまうでしょう。

自分の運用次第ではお金が減ってしまう恐れがある

運用に失敗してしまうと、教育資金を貯めるどころか資産を減らしてしまうことになります。最悪の場合、生活資金もなくなり投資どころではなくなってしまうでしょう。

NISAでは投資信託や株など、様々な商品を扱っています。それぞれをしっかりと吟味し、運用をうまく進めていけるようにしてください。もしも損失が出てしまっても、許容できる範囲での投資にしておきましょう。

学資保険が必要かどうかを検討するためのポイント

教育資金を準備するために必要とされている学資保険ですが、中には「本当に必要?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。ここでは、学資保険が必要かどうか、検討すべき大切な6つのポイントを紹介します。

  • 子どもの年齢は適齢か
  • 保険期間は適切か
  • 自分でもお金が計画的に貯められるか
  • すでに教育費を十分に賄えるほどの金額を確保できているか
  • 現在の預金状況よりもお金を増やしたいか
  • 生命保険料控除の範囲を超えていないか

それぞれのポイントについて正しく理解し、学資保険の必要性を改めて考えてみてください。

子どもの年齢は適齢か

学資保険はどのタイミングでも加入できるものではなく、子どもの年齢に制限が設けられている場合がほとんどです。通常、学資保険の加入は商品により異なりますが、6歳~7歳を上限としていることが多くあります。

そのため、学資保険の加入に悩み過ぎてしまうと、入れる学資保険がなくなってしまうでしょう。学資保険は、子どもの年齢が低ければ低いほど長期的な積立が可能です。また、保険契約者や子どもの年齢によって保険料は左右されます。

どちらも年齢が低いほど保険料は安くなるので、学資保険加入を希望する場合はなるべく早い段階で契約するようにしましょう。子どもが生まれると中々時間が取れず、保険について考えることが難しくなります。学資保険は妊娠中から加入できるものも多くあるので、出産前にじっくりと検討しておきましょう。

保険期間は適切か

学資保険の払込期間を選ぶことが可能です。「子どもが10歳になるまで」「子どもが15歳になるまで」など、10年間や15年間の期間や、「子どもが18歳になるまで」といった保険金を受け取るまで長期的に張り込み続けるなど、その期間は様々あります。

一度契約した期間はその後変更することはできません。学資保険に加入する場合、こうした保険の払込期間についても考えておきましょう。払込期間が短い場合、返戻金が高くなるメリットがありますが、毎月の保険料は割高になってしまいます。

一方で、払込期間が長期になると毎月の保険料が安くなりますが、長く支払い続けなければいけません。こうした特徴をよく比較し、学資保険に加入することで生活資金に悪影響はないか、払い続けられるかといった点をしっかり考慮してください。

自分でもお金が計画的に貯められるか

学資保険は、子どもの教育資金を効率よく貯められる保険です。しかし、自分でお金を貯められるのであれば、学資保険は必ずしも必要とはいえません。学資保険は満期や額を前もって決められるので、自ら計画を立てて貯金できればわざわざ学資保険を利用しなくても心配ないでしょう。

貯金が苦手な方や、計画通りにお金を貯められないという方にとっては学資保険で教育資金を確保するのはとても大切です。しかし、人によっては学資保険ではなく自分で貯める方が効率的というケースもあります。

すでに教育費を十分に賄えるほどの金額を確保できているか

学資保険に加入せずとも、すでに教育費に十分な資産を保有している場合も、そこまでの必要性はないでしょう。もちろん、今ある教育資金とは別に学資保険でしっかりと積み立てたいという方もいます。

こういった場合は、学資保険を利用しさらに資産を増やすことも可能ですが、今の段階で教育資金に対する不安や心配がない場合、無理に加入する必要はないでしょう。

現在の預金状況よりもお金を増やしたいか

前述したように、今現在保有している資産よりもさらに増やしたい場合、学資保険を利用するのもひとつの方法といえます。通常の預金では、何年間も預けていても金利が低く、貯蓄した金額以上の資産を期待できません。

しかし、学資保険は返礼率が100%を超えるのが一般的です。契約し、毎月決まった保険金額を払い込むだけで支払った金額以上の返戻金を受け取れるので、効率よく資産を増やせるので、「今以上にお金を増やしたい」という方は、学資保険の加入を検討してみてください。

生命保険料控除の範囲を超えていないか

前述しているように、学資保険の払込金額は生命保険料の控除対象になります。しかし、生命保険料控除には上限があり、超えてしまった場合その分の払込金額は反映されません。所得税や住民税における控除は、下記表の通りです。

年間払込額所得税・控除金額住民税・控除金額
2万円以下払込保険料全額払込保険料全額
2万円超4万円以下(払込保険料×1/2)+10,000円(払込保険料×1/2)+6,000円
4万円超8万円以下(払込保険料×1/4)+20,000円(払込保険料×1/4)+14,000円
8万円超一律40,000円一律28,000円
参考:公益社団法人生命保険センター「Q.生命保険料控除制度とは?

このように、生命保険料における所得税、住民税の控除は払込金額によって異なります。学資保険に加入した際の払込金額はどの程度なのか、年間いくらになるかを必ず確認し、控除の上限と比較しておきましょう。

2級ファイナンシャル・プランニング技能士/証券外務員一種

西郷 勢矢

様々な観点から学資保険が必要なのかを検討しているかと思いますが、本当に大切なのは教育費が十分に確保できているのかです。
十分に確保できているという方は無理に加入する必要がある保険ではありません。
ただし、現在の資産を増やしたいという場合は受け取る際、基本的に返戻率が100%を超える学資保険を利用すると資産を堅実に増やすことができるでしょう。

学資保険とNISAはどちらがおすすめ?

「結局学資保険とNISAはどっちがいいの?」「併用することはできる?」など、子どもの教育資金を準備するためにはどちらを選ぶべきか、迷ってしまう方も少なくありません。

学資保険とNISAは、どのような過程で資産を増やすかが大切です。ここでは、学資保険とNISAそれぞれにおすすめの方のタイプを紹介します。

  • 計画を立てて安全に資金を用意したい人は学資保険がおすすめ
  • お金が減るリスクを許容し、大きめのリターンを狙う人はNISAがおすすめ
  • 資産状況によっては併用も検討可能

「保険」で安全に積み立てるか、「投資」で大きなリターンを狙うのか、それぞれどんな人に向いているかを下記で詳しくお伝えしますので、学資保険とNISAを比較する際の参考にしてください。

計画を立てて安全に資金を用意したい人は学資保険がおすすめ

計画的かつ確実に子どもの教育資金を用意したい方には学資保険がおすすめです。NISAは投資商品なので、価格変動によっては大きな損失が出ることもあります。価格の動き方を予想するのは難しく、プロの投資家であっても失敗する可能性はゼロではありません。

こうしたリスクを軽減し、確実な方法で教育資金を準備するためにも学資保険は非常に有効です。契約時には受け取れる金額が決定しており、損失のリスクは最小限となるでしょう。保険料の払い込みを当初の予定通りに進めることで、大きなトラブルなどもなく予定金額を受け取れます。

しかし、途中解約した場合は払い込んだ保険料よりも解約返戻金の方が低くなることも少なくありません。学資保険で満額受け取るためには、契約満期まで継続的に保険料の払い込みをするのが前提です。月々に支払いで生活にどう影響するのか、契約終了まで払い続けることが可能なのか、必ず事前にしっかりと考えておきましょう。

お金が減るリスクを許容し、大きめのリターンを狙う人はNISAがおすすめ

前述したように、NISAは大きな損失が出てしまう可能性があります。しかし、うまく運用すれば学資保険以上の資産を得られ、さらに非課税で現金化できるのでかなりお得です。リスクを許容できるのであれば、学資保険よりもNISAの方が適しているといえるでしょう。

また、NISAは払込期間が決まっていません。受け取り時期も自由に決められるため、教育資金のみに限らず、様々なライフイベントの費用や家族旅行の資金など、好きな用途で活用できます。

長期的に運用し続ければ、教育資金だけでなく老後資金を準備することも可能です。しかし、リスクが許容できるといっても生活資金が厳しくなるほどのリスクは避ける必要があります。どの程度の損失であれば影響が少ないかをまずは明確にし、投資商品をよく見極めて運用してください。

資産状況によっては併用も検討可能

どちらか一方だけではなく、学資保険とNISAを併用することも検討してみてください。学資保険を利用することで確実に教育資金を準備できます。それと同時進行でNISAによる資産形成をすれば、幅広い用途で使える資金を用意できるでしょう。

家計に余裕があれば、ぜひ2つの併用を始めてみてください。つみたてNISAの場合、金融機関によっても異なりますが、100円や500円などかなりの少額から投資ができます。投資に抵抗がある方でも、毎月数百円程度であれば気軽に始められるので、将来の安定した生活のためにもぜひ挑戦してみましょう。

学資保険の代わりにできる保険や投資

学資保険の代わりになるサービスはNISAだけではありません。

  • 定期預金
  • 国債
  • 終身保険

それぞれどのような特徴があるのか、どんな方法で教育資金を準備できるのかについて、詳しく紹介します。

定期預金

「1ヶ月」「5年」「10年」など、決まった期間でお金を預ける金融商品で、一般的な預金よりも金利が高いのが特徴です。大口になるほどさらに金利は高くなり、子どもの教育資金や老後資金など、預金を何に使うのかといった用途が決まっている際に活用するケースがほとんどになります。

また、定期預金は元本割れを起こすリスクがなく、「預金保険制度」があるので万が一金融機関が破綻してしまった場合、定期預金と普通預金を合わせて1,000万円まで保証されるのが特徴です。定期預金は最短1ヶ月、最長10年の期間を自由に決められるので、資金の用途や目的に合わせて積み立てられるのもポイントといえるでしょう。

しかし、NISAなどの投資性がある商品と比べて資金が増えづらいというデメリットもあります。さらに、定期預金は契約した期間中に簡単に預金を引き出せません。預けている預金を引き出すためには途中解約する必要があり、さらに解約の手続きなどもしなければいけないため、満期で受け取る以上に手間がかかってしまうでしょう。

国債

国が発行している債権が「国債」です。家計に余裕があり、まとまった資金を準備できる場合は検討してみてください。債券によって満期が異なり、2年〜10年と定められています。個人が活用しやすいのは「個人向け国債」「利付国債」の2種類です。

満期時は額面通りの金額を受け取れ、契約期間中は年2回利息の獲得が可能となります。国債の発行は国が行っているため、他の種類よりも安心感があるでしょう。

満期の種類が選択できるので、活用方法は多種多様にあります。しかし、「利付国債」の場合、途中解約してしまうと元本割れのリスクがあるため注意しなければいけません。

終身保険

貯蓄機能と一生涯の死亡保障を兼ね備えた保険商品です。契約者にもしもがあった場合、受取人に死亡保険金が支払われるため、残された家族の生活を助けることになるでしょう。また、終身保険は死亡時だけでなく、生存している機関でも活用が可能です。

毎月支払う保険料の一部を「責任準備金」として積み立てられます。さらに、保険解約した場合は「責任準備金」の一部の資金を解約返戻金として受け取ることが可能です。解約返戻金は子どもの教育資金に充てることはもちろん、幅広く柔軟な活用が可能なので、効果的に資産形成が実現できます。

保険料は一定で、支払い方法は一生涯支払い続ける「生涯払い」と、支払いが一定の年齢や期間で終了となる「短期払い」の2種類です。もちろんどちらの支払い方法であっても保証は生涯保証されています。

学資保険の代わりにNISAを利用することに関するよくある質問

下記で紹介する8つをチェックし、それぞれの内容について深く理解していきましょう。

  • 学資保険とNISAの違いは何ですか?
  • NISAを利用しても教育資金は計画的に準備できますか?
  • NISAでの投資にリスクはありますか?
  • NISAと学資保険を併用することはできますか?
  • 学資保険にはないNISAのメリットは何ですか?
  • 教育資金のためにNISAを利用するときの注意点はありますか?
  • 新NISA制度は学資保険よりも優れている点はありますか?
  • NISAで運用する場合、元本保証はありますか?

本記事でお伝えした内容と被る部分もありますが、正しい知識を身につけるためにも、それぞれの質問について確認し、学資保険の代わりにNISAを利用することについての理解を深めていきましょう。

学資保険とNISAの違いは何ですか?

簡単にいえば、学資保険は子どもの教育資金準備に特化した「保険商品」、NISAは投資信託や株による利益を獲得する「投資」になります。学資保険は子どもの教育資金を確保することが目的で、保険期間や受け取り時期などが決まっているのが特徴です。

その一方、NISAは結婚資金、出産費用、マイカーや住宅の購入費、老後資金など、様々な用途に自由に充てられます。期間に決まりもないため、長く続ければ続けるほど長期的な投資が可能です。投資なのでリスクはあるものの、保険とは違って期待以上の利益が獲得できることもあります。

NISAを利用しても教育資金は計画的に準備できますか?

教育資金の準備はできますが、計画通りの積立なら保険の方が適しているでしょう。NISAはあくまでも「投資」です。元本保証はないため損失が出てしまうリスクもあります。

しかし、長期の投資で子どもの教育資金を確保するのであれば、NISAはとても有効といえるでしょう。学資保険は受け取りのタイミングが決まっていますが、NISAは好きな時に現金化できるので、長期の投資をしながら必要に応じて現金を引き出すなどの柔軟な対応が可能です。

年間の上限内であれば投資金額を変えることもできるので、余裕があるときは多めに投資したりするなど、状況に合わせて将来のための資産運用ができるのも大きな魅力といえます。

NISAでの投資にリスクはありますか?

リスクはあります。NISAはあくまでも「投資」になるので、元本割れや損失など、資産がマイナスになってしまう可能性もゼロではありません。また、NISAは損益通算ができません。一般口座などで投資した場合、利益と損失を相殺して税金を安くできますが、NISAは利益が非課税のため損益通算ができないのが特徴です。

しかし、うまく運用すれば効率よく資産を確保できます。NISAは金融機関によっては数百円からの投資もできるため、まずは少額から様子をみてみましょう。

NISAと学資保険を併用することはできますか?

本記事でもお伝えしているように、併用はもちろんできます。同時に利用して教育資金を準備することで、将来的に安定した生活ができるでしょう。NISAのみの場合、教育資金が確保できてもその他の費用やその後の生活費が厳しくなってしまうこともあります。

2つを併用すれば、教育資金や他に充てられる資産も同時に準備できるので、非常に効率的といえるでしょう。

学資保険にはないNISAのメリットは何ですか?

月々の投資金額の変更可能という点は、大きなメリットになります。学資保険の場合、最初に定めた保険料は途中で変えられません。そのため「今月は厳しいからもう少し保険料を抑えたい」「少し余裕があるから多めに払い込みたい」とうことは不可能です。

NISAの場合、家計の状況に合わせて投資額を変えられるので、無理なく継続的に続けていけるでしょう。

教育資金のためにNISAを利用するときの注意点はありますか?

NISAで教育資金を準備する場合、NISA利用のリスクをしっかりと頭に入れておかなければいけません。上手く運用して利益を獲得できていたとしても、市況の価格変動などで突然資産がなくなってしまうこともあります。

もちろん常日頃から値動きはありますが、世界情勢や金融ショックなどによっては一時的に大きく変動が起き、元本割れしてしまうこともあります。また、積立期間に決まりがないため、本当に必要なタイミングで希望する金額が準備できないということもあるでしょう。

可能な限り長く継続的な投資を続けること、学資保険や貯蓄などの併用できるものは取り入れて確実に準備できるようにするなど、様々な対策が必要になります。

新NISA制度は学資保険よりも優れている点はありますか?

教育資金を確保できた後も投資を続ければ様々な用途で利用できるので、継続して子どものためのお金を確保できるでしょう。例えば、部活で使う道具の準備、大会に出るための遠征費など、子どもの教育資金は細々したものも多くあります。

学資保険は、最初に定めた金額以上のお金を得ることはできませんが、投資を続ければ得られる利益も増えるので、タイミングごとに資金を準備できるでしょう。

NISAで運用する場合、元本保証はありますか?

NISAに元本保証はありません。そのため、運用に失敗してしまうと教育資金を準備するどころか資産が減ってしまうリスクがあります。こうした事態にならないよう、購入商品をしっかりと見極めなければいけません。

自分では何を購入すればいいか分からないという場合、金融機関やファイナンシャルプランナーなどに相談してみてください。

家計状況などを考慮して様々なアドバイスをくれます。プロの話を聞くことで、NISAをうまく利用して教育資金を準備することができるでしょう。

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オンラインでの相談が可能なので、小さい子供がいても問題ありません。また、近年話題になっているiDeCoや新NISAなどの資産運用についても丁寧に説明してくれるので、興味のある方は一度話を聞いてみましょう。

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まとめ

子どもの教育資金について、どの親でも不安や心配を抱えてしまいます。「お金を理由に好きなことを諦めてほしくない」「子供が行きたい学校に通わせてあげたい」など、希望はあっても現実的には厳しくなってしまうというケースは少なくありません。

子どものためにも、教育資金はしっかりと準備するようにしましょう。学資保険だけでなく、投資で利益を得るNISAでは、子どものお金をしっかりと準備しつつ、生活のための資産を増やすこともできます。

本記事では、学資保険とNISAの違いやそれぞれのメリット・デメリット、どっちが教育資金の準備に適しているかなど詳しく紹介しました。お伝えした情報を参考に、子どもの将来を広げるための資金をしっかりと確保していきましょう。


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