日本で年収1000万円以上の人の割合は?収入の高い職業もご紹介

お金持ちの男性

監修者

TFPグループ 代表取締役 田中壮
田中壮

2009年、株式会社STEPに入社し、システム開発を担当。市川市消防局でのレスキュー隊の経験を経て、2013年にプルデンシャル生命保険株式会社に入社し保険業界へ。2014年には個人保険販売ランキングで全社営業マン約4,000人中4位となり、2015年に営業所長に就任。その後、保険代理店(株式会社イコールワン)を共同創業。2018年に株式会社TFPグループを設立し、代表取締役に就任。自身はMDRT(生命保険・金融サービスの専門家が所属するグローバル組織)2024年度TOT(トップ・オブ・テーブル/最上級の資格)基準を達成。

年収1000万円と聞くと、どれくらい珍しい水準なのか、実際の生活レベルはどうなのか、気になる方が多いと思います。周りと比べる機会も少なく、感覚だけでは判断しにくい収入です。

この記事では、日本で年収1000万円以上の人の割合を、国税庁や厚生労働省などの公的データをもとに整理します。年代や性別、世帯年収との違いも確認しながら、生活への影響や、目指すための方法や注意点まで、順番に分かりやすく解説していきます。

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目次

日本で年収1000万以上の人の割合は?最新データで見る全体像

まずは、日本全体で見たときに、年収1000万円以上の人がどれくらいの割合なのかを整理します。ここでは、国税庁や厚生労働省などの統計をもとに、平均との違いも含めて全体像をつかみます。

年代別や性別、世帯単位で見たときの差も確認しながら、自分の立ち位置をイメージできるようにしていきましょう。データは時点によって変わるため、あくまで目安としてとらえることが大切です。

国税庁・厚生労働省データで見る割合と平均

日本で年収1000万円以上の人の割合を知るには、国税庁の「民間給与実態統計調査」がよく使われます。直近の公表データでは、給与所得者のうち年収1000万円以上の人は、おおよそ全体の数パーセント程度にとどまっています。

具体的には、給与所得者の平均年収は400万円台で推移しており、1000万円は平均の2倍以上の水準です。中央値は平均より低くなる傾向があるため、一般的な感覚からすると、1000万円はかなり高収入の部類と考えられます。

一方で、統計にはパートやアルバイトも含まれます。そのため、フルタイム勤務の会社員だけを切り出すと、年収の分布や割合は少し違った見え方になる点に注意が必要です。厚生労働省の賃金構造基本統計調査など、別のデータもあわせて見ると、業種ごとの傾向もつかみやすくなります。

いずれにしても、年収1000万円は「多数派」ではなく、ごく一部の層に限られた金額だと理解しておくとよいでしょう。数字で見ることで、目標としての重みもイメージしやすくなります。

年代別の割合

年収1000万円以上の割合は、年代によって大きく変わります。若い世代ではかなり少なく、年齢が上がるにつれて、徐々に比率が高くなる傾向が見られます。これは、昇給や役職手当、賞与の増加が影響していると考えられます。

国税庁や総務省などのデータをもとにした民間の分析では、20代で年収1000万円に届く人は、全体のごく一部です。30代でも、達成しているのは限られた職種や企業に偏ることが多く、割合としてはまだ低い水準にとどまります。

一方で、40代以降になると、管理職や専門職としての報酬が増え、年収1000万円以上の割合が目に見えて上がっていきます。特に大企業や外資系企業、専門性の高い業種では、40代で到達するケースが比較的多いと言えるでしょう。

ただし、同じ年代でも、企業規模や職種、地域によって状況は大きく異なります。統計はあくまで全体の傾向であり、個人のキャリアや働き方によって、到達時期や可能性は変動する点を意識しておくことが大切です。

性別・世帯別の違い

年収1000万円以上の割合は、性別や世帯構成によっても違いが出ます。国税庁の民間給与実態統計調査などをもとにした分析では、男性のほうが高収入層の比率が高く、女性で年収1000万円に到達している人は、まだ少数派とされています。

これは、管理職への登用比率や、出産・育児によるキャリアの中断、勤務時間の制約など、複数の要因が重なっていると考えられます。一方で、最近は共働き世帯が増え、世帯年収として1000万円を超える家庭は、個人年収よりも多くなっている傾向があります。

たとえば、夫婦がそれぞれ年収500万円前後で働くと、合計の世帯年収は1000万円に届きます。個人としては平均より少し高い程度でも、二人で支え合うことで、全体の水準が上がるイメージです。単身世帯と比べると、生活費や教育費の負担の仕方も変わってきます。

また、世帯年収が高くても、子どもの人数や住んでいる地域、住宅ローンの有無によって、家計の余裕は大きく違ってきます。数字だけで生活レベルを判断するのではなく、自分の家庭の状況と照らし合わせて考えることが重要と言えるでしょう。

年収1000万の“凄さ”を数値で実感する

ここからは、年収1000万円という金額が、実際にどれくらい特別なのかを、もう少し具体的に見ていきます。何人に一人の割合なのか、平均や中央値と比べてどれくらい差があるのかを確認すると、イメージがつかみやすくなります。

さらに、税金や社会保険料を差し引いた手取り額もあわせてチェックしておくと、生活レベルの感覚が現実に近づきます。数字を通して、「思ったより余裕がない部分」や「工夫しやすいポイント」も見えてくるはずです。

何人に一人かを具体例で示す

年収1000万円以上の人の割合は、統計によって少し違いますが、おおまかには給与所得者全体の数パーセント程度とされています。仮に3パーセント前後とすると、約30人に1人のイメージです。職場や友人関係を思い浮かべると、そこまで多くないことが分かるでしょう。

ただし、この数字にはパートやアルバイトも含まれています。フルタイムの会社員だけを切り出すと、年収1000万円以上の割合はもう少し高くなると考えられます。それでも、10人に1人という水準には届かないため、やはり少数派には変わりません。

また、都市部と地方でも状況は違います。大企業や外資系企業が多い首都圏では、年収1000万円以上の人が周りに複数いるというケースもあります。一方で、地方の中小企業が中心の地域では、同じ割合でも、身近に感じにくいかもしれません。

このように、「何人に一人か」という視点で見ると、年収1000万円の希少さがよりはっきりします。目指す価値がある水準ではありますが、誰にとっても簡単ではないことも、あらかじめ理解しておくとよいでしょう。

平均・中央値・手取り額で見る実感の差

年収1000万円の「凄さ」を実感するには、平均や中央値との比較にくわえ、手取り額を知ることが大切です。日本全体の平均年収は400万円台が中心で、中央値はそれより低い傾向にあります。つまり、多くの人は300万円台から400万円台前後に分布しているイメージです。

この中で年収1000万円は、金額だけ見れば平均の2倍以上です。ただし、税金や社会保険料は、収入が上がるほど負担も増えていきます。同じ2倍の年収でも、手取り額が2倍になるわけではない点に注意が必要です。

たとえば、独身で年収1000万円の場合、所得税や住民税、健康保険料、厚生年金保険料などを差し引くと、手取りは700万円前後になることが多いと考えられます。条件によって変わりますが、毎月の手取り額にすると、60万円台程度が一つの目安になるでしょう。

一方で、年収500万円の人の手取りは、おおよそ350万円前後になるケースが多いとされます。こうして比べると、年収は2倍でも、手取りは約1.5倍程度にとどまることが分かります。数字の見え方と、実際の生活レベルにはギャップがあるため、冷静に把握しておきたいところです。

世帯年収との比較:個人年収と生活レベルのギャップ

個人の年収1000万円と、世帯年収1000万円では、感じる生活レベルが違う場合があります。たとえば、専業主婦(夫)と子どもがいる家庭で、1人だけが年収1000万円を稼ぐケースを考えてみましょう。手取りは700万円前後になり、そこから住宅ローンや教育費、生活費をまかなうことになります。

一方、夫婦共働きで、それぞれ年収500万円ずつの場合、世帯年収は同じ1000万円です。この場合、社会保険料や税金は二人に分かれて計算されるため、合計の手取りがやや多くなることがあります。家事や育児をどう分担するかという別の課題はありますが、家計だけ見ると、余裕を感じやすいケースもあるでしょう。

また、子どもの人数や年齢によっても、家計のバランスは変わります。大学進学を複数人抱えている家庭では、年収1000万円でも教育費の負担が重くなり、貯蓄に回せるお金が限られることもあります。逆に、子どもがいない共働き世帯では、旅行や趣味、資産運用に回せるお金が増えやすいでしょう。

このように、同じ1000万円という金額でも、個人年収か世帯年収か、家族構成はどうかによって、実感する生活レベルは大きく変わります。数字だけを追うのではなく、自分たちの暮らし方や価値観に合った収入の目安を考えることが大切です。

30代・40代で年収1000万に到達しやすい職業・業種

ここからは、年収1000万円に到達しやすい職業や業種について見ていきます。特に30代や40代でこの水準に届く人は、どのような仕事をしているのかが気になる方も多いでしょう。

医師や弁護士などの専門職だけでなく、外資系企業の管理職やコンサルタント、ITエンジニアなど、近年伸びている分野もあります。フリーランスや起業で達成するケースも含めて、特徴やリスクを整理していきます。

30代で狙える職種

30代で年収1000万円に到達している人は、多くは高い専門性や成果報酬型の仕事に就いています。代表的な例としては、外資系コンサルティングファーム、投資銀行、総合商社の一部ポジション、外資系IT企業の営業職やエンジニアなどが挙げられます。

これらの職種では、若いうちから高い成果を求められる一方で、給与水準も高めに設定されていることが多いです。英語力や高度な専門知識、長時間労働への対応力が求められるケースも少なくありません。そのため、誰にとっても現実的とは限らず、向き不向きも分かれやすい分野と言えるでしょう。

また、医師や弁護士、公認会計士などの士業も、30代で年収1000万円に届く可能性がある職業です。これらは資格取得までに時間と費用がかかりますが、一度専門性を身につけると、長期的に高収入を得られるチャンスが広がります。勤務先や働き方によって、収入の幅が大きい点も特徴です。

30代で年収1000万円を目指す場合は、20代のうちからキャリアの方向性を意識し、必要なスキルや資格を計画的に身につけていくことが重要です。短期的な年収だけでなく、自分の健康や家庭との両立も含めて、バランスを考えながら選択していく姿勢が欠かせません。

40代以上に多い職種

40代で年収1000万円に到達している人は、管理職やマネジメント層に多い傾向があります。大手企業や外資系企業では、部長クラスや課長クラスになると、役職手当や賞与が増え、年収が一気に上がるケースがよく見られます。

たとえば、メーカーや金融機関、通信会社などの大企業で、長年勤務を続けてきた社員が、40代で管理職に昇進し、年収1000万円台に乗るといったパターンです。この場合、若い頃からの昇給の積み重ねと、人事評価の結果が反映されていると言えるでしょう。

また、営業職で大きな売上を任されている人や、専門性の高い技術職、プロジェクトマネージャーなども、40代で年収1000万円に届くことがあります。会社員として安定した給与を受け取りながら、成果に応じたインセンティブが上乗せされる形です。

一方で、同じ40代でも、企業規模が小さい場合や、昇進のポストが限られている職場では、年収の上がり方に差が出やすくなります。40代以降で年収アップを目指すなら、転職や部署異動なども含めて、自分の経験を活かしやすい環境を検討することがポイントになるでしょう。

女性の割合とキャリアパス

女性で年収1000万円に到達している人は、全体から見るとまだ割合が低いとされています。それでも、共働き世帯の増加や、管理職への登用が進んできたことで、高収入の女性は少しずつ増えているのが現状です。特に、外資系企業や専門職の分野では、その傾向が見えやすくなっています。

たとえば、外資系IT企業の営業職やコンサルタント、金融機関の投資部門などでは、成果に応じて報酬が上がる仕組みが整っています。ここに語学力や専門知識を組み合わせることで、30代後半から40代で年収1000万円に届くケースも見られます。

また、医師や弁護士、税理士などの士業でも、女性の活躍が広がっています。勤務医から開業医へ、勤務弁護士からパートナー弁護士へといったキャリアの変化により、報酬が大きく伸びることがあります。一方で、出産や育児との両立は大きなテーマとなり、働き方の柔軟性が重要になりやすいです。

女性が年収1000万円を目指す場合、収入だけでなく、ライフイベントとのバランスをどう取るかが大切になります。パートナーとの役割分担や、在宅勤務制度の活用、実家や外部サービスのサポートなど、複数の選択肢を組み合わせることで、無理のないキャリアパスを描きやすくなるでしょう。

フリーランス・起業で年収1000万を実現するケースとリスク

フリーランスや起業で年収1000万円に到達する人もいます。デザイナーやエンジニア、ライター、コンサルタントなどが代表的です。自ら事業を立ち上げ、売上を伸ばしていくことで、高収入を実現するケースも少なくありません。

会社員と違い、収入の上限が決まっていない点は、大きな魅力と言えるでしょう。取引先を増やしたり、単価を上げたりすることで、売上を伸ばす余地があります。一方で、仕事の波が激しく、毎年安定して年収1000万円を維持できるとは限らない点には注意が必要です。

また、フリーランスや経営者は、社会保険料や税金の扱いも変わってきます。会社員のように厚生年金や健康保険が自動的に整っているわけではなく、自分で国民年金や国民健康保険、場合によっては小規模企業共済などを検討する必要があります。将来の年金額にも影響するため、長期的な視点が重要です。

フリーランスや起業で年収1000万円を目指す場合は、収入だけでなく、支出やリスク管理も含めて家計全体を設計することが欠かせません。税理士やFPなど専門家への相談も活用しながら、自分に合ったペースで事業を育てていく姿勢が求められます。

年収1000万の生活レベル・家計モデル

ここからは、年収1000万円の人が、どのような生活レベルになるのかをイメージしていきます。税金や社会保険料を差し引いた手取り額をもとに、住居費や教育費、貯蓄とのバランスを考えると、現実に近い家計モデルが見えてきます。

単身か共働きか、子どもの有無などによっても、家計の組み立て方は大きく変わります。資産運用や住宅ローンの考え方も含めて、年収1000万円ならではのポイントを整理していきましょう。

手取り・税金・社会保険料の目安

年収1000万円の人の手取り額は、家族構成や住んでいる自治体によって変わりますが、おおまかな目安を知っておくと家計のイメージがしやすくなります。ここでは、会社員として給与所得を得ているケースを前提に、ざっくりとした水準を見ていきます。

年収1000万円の場合、給与所得控除や基礎控除を差し引いたうえで、所得税や住民税が計算されます。加えて、健康保険や厚生年金保険、雇用保険などの社会保険料も差し引かれます。結果として、独身で扶養家族がいない場合、手取り額は700万円前後になることが多いと考えられます。

配偶者や子どもがいる場合は、配偶者控除や扶養控除などが適用されることがあります。その一方で、家族の人数が増えると、生活費や教育費も増えるため、家計全体の余裕は人によって大きく異なります。税金が軽くなった分が、そのまま貯蓄に回るとは限らない点も意識したいところです。

なお、税率や社会保険料の仕組みは、法改正によって変わる可能性があります。実際の手取り額を知りたい場合は、勤務先の源泉徴収票や給与明細を確認したり、最新の税制に対応したシミュレーションツールを利用したりすることをおすすめします。

単身・共働き世帯の可処分所得と家賃・教育費

年収1000万円の人の可処分所得は、単身か共働きかで印象が変わります。単身の場合、手取りが毎月60万円台だとすると、家賃に20万円前後を充てても、食費や光熱費、趣味や旅行に回す余裕が残りやすいでしょう。都心のワンルームや1LDKで、ある程度快適な暮らしがイメージできます。

一方で、共働き世帯で世帯年収1000万円の場合は、夫婦それぞれの年収や働き方によって、家計のバランスが変わります。たとえば、夫婦ともにフルタイムで働き、子どもがいない場合は、貯蓄や投資に多く回せる可能性があります。逆に、小さな子どもが二人いる家庭では、保育料や教育費が家計を圧迫しやすくなります。

教育費は、子どもが公立か私立か、大学まで進学するかどうかで、大きく変わる費用です。文部科学省などのデータによれば、私立中高一貫校や私立大学に進学する場合、年間の支出はかなり高額になります。年収1000万円でも、複数人を私立に通わせると、家計に負担がかかることは珍しくありません。

家賃については、一般的に手取りの3割以内が目安とされますが、教育費や将来の貯蓄を優先したい場合は、あえて2割程度に抑える選択もあります。自分たちの価値観や将来の計画に合わせて、住居費と教育費、貯蓄のバランスを考えることが重要です。

貯金・投資・資産運用の戦略

年収1000万円の人は、毎月のキャッシュフローにある程度の余裕が生まれやすいため、貯金や投資を計画的に進めることがしやすくなります。その一方で、生活レベルを上げすぎると、思ったほど貯蓄が増えないというケースも少なくありません。意識して家計を整えることが大切です。

まずは、生活費の半年分から1年分程度を、普通預金などで確保することが一つの目安になります。急な病気や転職、災害などに備えるための「生活防衛資金」として、お金を分けておくイメージです。そのうえで、余裕資金を投資や資産運用に回すと、将来の選択肢が広がりやすくなります。

投資先としては、つみたてNISAやiDeCoなどの税制優遇制度を活用しながら、投資信託や株式、債券などを組み合わせる方法があります。長期でコツコツ積み立てるスタイルであれば、価格の変動リスクをある程度ならしながら、資産形成を進めやすくなります。

ただし、どの金融商品が適しているかは、年齢や家族構成、将来の目標によって変わります。過度に高い利回りを期待するのではなく、自分が理解できる範囲の金融商品を選ぶことが重要です。分からない点があれば、FPや金融機関の窓口などで、一般的な情報を確認しながら進めるとよいでしょう。

住宅ローンと持ち家購入の可否

年収1000万円になると、住宅ローンの借入可能額も増えやすくなります。そのため、都心部でマンションを購入したり、郊外に一戸建てを建てたりすることを検討する人も多いでしょう。ただし、借りられる金額と、無理なく返せる金額は別物だと考えることが大切です。

金融機関の住宅ローン審査では、年収に対する返済比率や、勤続年数、他のローンの有無などがチェックされます。年収1000万円であれば、比較的高額なローンも承認されやすいかもしれません。しかし、教育費や老後資金、将来の転職や独立の可能性などを考えると、返済額を抑えたほうが安心なケースもあります。

たとえば、毎月の返済額を手取りの2割程度に抑えると、生活費や貯蓄に回せるお金が増えます。ボーナス払いに頼りすぎず、賞与が減っても返済が続けられるかを基準に考えると、家計への負担を小さくしやすいでしょう。固定金利か変動金利かの選択も、金利上昇リスクを踏まえて検討する必要があります。

持ち家を購入するかどうかは、資産としての側面だけでなく、転勤の可能性やライフスタイルの変化も含めて判断することが重要です。不動産価格や金利水準は変動しますので、最新の市場状況や制度を確認しながら、自分たちに合ったタイミングと物件を選ぶようにしましょう。

年収1000万を目指す具体的な方法とコツ

ここからは、年収1000万円を目指したい人に向けて、具体的なアプローチを整理します。外資系企業や大手企業への転職、専門スキルの習得、副業や投資の活用など、複数の道があります。

どの方法が合うかは、年齢や現時点のスキル、家庭の状況によっても変わります。自分の強みを活かしながら、現実的なステップを踏んでいくことが大切です。順番に見ていきましょう。

外資系企業・大手・専門性で差をつける

年収1000万円を目指すうえで、外資系企業や大手企業は、一つの有力な選択肢になります。これらの企業は、給与水準が全体的に高めで、成果に応じた報酬制度が整っていることが多いからです。特に、金融、コンサルティング、IT、メーカーの一部などは、高収入のポジションが存在しやすい分野とされています。

ただし、外資系企業や大手企業に入るためには、一定の専門性や経験が求められることが少なくありません。英語力やプログラミングスキル、会計や金融に関する知識など、職種ごとに必要な能力が異なります。自分の現状と照らし合わせて、どのスキルを伸ばすべきかを整理することが第一歩になります。

たとえば、営業職であれば、法人営業の経験や、業界知識、プレゼンテーション能力が評価されやすいでしょう。エンジニアであれば、クラウドやデータ分析、セキュリティなど、需要の高い分野の知識が強みになります。資格だけでなく、実務経験や成果も重視されるため、今の職場でできることも意識したいところです。

転職を検討する際は、複数の転職エージェントや求人サイトを活用し、市場でどのようなスキルが求められているかを把握することが役立ちます。いきなり年収1000万円を狙うのではなく、まずは年収アップにつながるステップを一段ずつ積み重ねていくイメージで進めると、現実的な計画になりやすいでしょう。

副業・投資で収入を補う

本業だけで年収1000万円に届くのが難しい場合、副業や投資で収入を補うという方法もあります。近年は、会社員でもできる副業の選択肢が増えており、スキルを活かしたフリーランス的な働き方や、ネットを活用したビジネスなどが広がっています。

たとえば、プログラミングやデザイン、ライティング、動画編集などのスキルがあれば、個人向けの仕事を受けることで、月に数万円から数十万円の収入を得ている人もいます。時間の使い方や単価の設定がポイントになりますが、本業の知識を活かせる副業であれば、比較的取り組みやすいでしょう。

投資については、株式や投資信託、不動産など、さまざまな金融商品があります。長期でコツコツ積み立てるスタイルであれば、毎月の家計に大きな負担をかけずに、将来の資産形成につなげやすくなります。つみたてNISAやiDeCoなどの非課税制度を活用すると、税金面でのメリットも期待できます。

ただし、副業も投資も、時間や労力、リスクを伴います。無理に生活を削って取り組むと、健康や本業のパフォーマンスに影響が出ることもあります。自分の許容範囲を意識しながら、少しずつ試していく姿勢が大切です。分からない点が多い場合は、書籍や公的機関の情報、初心者向けセミナーなどで基礎知識を身につけるところから始めると安心でしょう。

資格・スキル・経験を活かすキャリア形成

年収1000万円を目指すには、資格やスキル、経験を組み合わせて、自分ならではの強みを作ることが重要です。資格そのものが収入を保証するわけではありませんが、転職や昇進の場面で、一定の評価材料になることがあります。

たとえば、会計や財務の分野では、公認会計士や税理士、日商簿記1級などの資格が、専門性の裏付けとして評価されやすいでしょう。金融業界では、証券アナリストやFP資格などが、顧客との信頼関係づくりに役立つこともあります。IT分野では、クラウドやネットワーク、セキュリティ関連のベンダー資格が、採用や昇進の際にプラスに働く場合があります。

ただし、資格だけを増やしても、実務経験が伴わなければ、年収アップにはつながりにくいことがあります。現場での成果や、プロジェクトをやり遂げた経験、チームをまとめた実績なども含めて、自分の「商品価値」を高めていく意識が大切です。

キャリア形成を考えるときは、5年後や10年後にどのような仕事をしていたいかをイメージし、そのために必要なスキルや経験を逆算していくと、具体的な行動に落とし込みやすくなります。上司や同僚、転職エージェント、キャリアコンサルタントなど、第三者の意見を聞きながら、自分では気づきにくい強みを整理してみるのも有効でしょう。

起業・独立で到達する道

起業や独立も、年収1000万円に到達する一つの道です。自分で事業を立ち上げ、売上や利益を伸ばすことができれば、会社員では得にくい報酬水準に届く可能性があります。コンサルティングや専門職の独立、ネットショップの運営、飲食店やサロンの経営など、形はさまざまです。

一方で、起業や独立は、収入が安定しないリスクも伴います。開業当初は赤字が続くこともあり、年収1000万円どころか、会社員時代より収入が減るケースも少なくありません。事業が軌道に乗るまでの資金や、生活費をどう確保するかが、大きな課題になります。

起業を検討する場合は、いきなり退職するのではなく、副業として小さく始めてみる方法もあります。市場の反応を見ながら、ビジネスモデルを調整できるため、リスクを抑えやすくなります。事業計画書を作成し、収支の見通しや必要な資金を数字で把握することも大切です。

また、税金や社会保険の扱いも変わるため、開業前に税理士やFPに相談しておくと安心です。起業や独立で年収1000万円を目指す場合は、短期的な収入だけでなく、長期的な事業の継続性や、自分と家族の生活の安定も含めて、総合的に判断することが求められます。

年収1000万のリスクと税・社会保険の注意点

年収1000万円は高収入ではありますが、その分、税金や社会保険料の負担も大きくなります。手取り額の感覚がつかめていないと、「思ったよりお金が残らない」と感じることもあるでしょう。

ここでは、税負担の増加や、児童手当など各種手当への影響、資産運用でのリスクなど、年収1000万円ならではの注意点を整理します。事前に知っておくことで、家計の計画を立てやすくなります。

税負担の増加と節税対策

年収が上がると、所得税や住民税の負担も増えていきます。日本の所得税は累進課税といって、収入が高いほど税率が上がる仕組みです。年収1000万円前後になると、課税所得に対する税率が一段階上がるラインに近づくケースもあり、手取りの伸びが鈍く感じられることがあります。

このような状況に備えるには、合法的な節税対策を理解しておくことが役立ちます。たとえば、iDeCoを利用して老後資金を積み立てると、掛金が全額所得控除の対象となり、所得税や住民税の負担を抑えられる可能性があります。つみたてNISAは、運用益が非課税になる制度で、長期投資との相性が良いとされています。

医療費控除やふるさと納税、生命保険料控除なども、一定の条件を満たせば税負担の軽減につながります。ただし、節税だけを目的に商品を選ぶと、本来の目的から外れてしまうことがあります。自分や家族の将来のために必要な保障や資産形成を考え、その結果として税金が軽くなる、という順番で考えることが大切です。

税制は毎年のように見直しが行われるため、最新の情報を確認することも欠かせません。具体的な金額や適用条件について迷う場合は、税務署や税理士に相談し、自分の状況に合った一般的なアドバイスを受けると安心でしょう。

社会保険料・児童手当・手当の影響

年収1000万円になると、社会保険料の負担も大きくなります。健康保険や厚生年金保険は、標準報酬月額という区分に応じて保険料が決まりますが、収入が高くなるほど、会社と本人が負担する金額も増えていきます。会社員の場合は、給与明細で毎月の保険料を確認しておくとよいでしょう。

子どもがいる家庭では、児童手当への影響も無視できません。所得制限のラインを超えると、児童手当の支給額が減ったり、特例給付に切り替わったりすることがあります。世帯主の年収だけでなく、扶養家族の人数や住んでいる自治体の基準も関係してくるため、自分の家庭がどの位置にいるかを把握しておくことが大切です。

また、会社から支給される家族手当や住宅手当なども、年収や役職によって見直される場合があります。昇給で年収が増えたと思ったら、逆に手当が減るというケースもあるため、トータルでの可処分所得をチェックする必要があります。給与明細を定期的に見直し、変化があれば総務部門に確認すると安心です。

社会保険や各種手当の制度は、法改正や会社の規定変更によって変わることがあります。最新の情報を会社の就業規則や公的なサイトで確認し、自分の家計にどのような影響があるかを、定期的に見直していくとよいでしょう。

投資リスク・資産運用で失敗しないための注意点

年収1000万円になると、銀行口座の残高が増えやすくなり、「お金を増やしたい」という気持ちから、投資に興味を持つ人も多くなります。資産運用は将来のために有効な手段になり得ますが、リスクを理解せずに始めると、大きな損失につながることもあります。

まず意識したいのは、「リターンが高いほど、リスクも高くなる」という基本的な考え方です。短期間で高い利益をうたう商品ほど、価格の変動が激しかったり、元本割れの可能性が大きかったりします。仕組みがよく分からないまま、勧められるままに購入するのは避けたほうが無難です。

資産運用を始める際は、自分の目的と期間をはっきりさせることが大切です。たとえば、「10年以上先の老後資金を準備したい」のか、「数年後の教育費を増やしたい」のかで、適した金融商品は変わります。一般的には、長期の資金ほど、株式や投資信託などのリスク資産を取り入れやすくなりますが、最終的な判断は自分のリスク許容度次第です。

分散投資や積立投資など、リスクを抑えるための基本的な考え方もあります。NISAやiDeCoなどの制度も、税金面でのメリットがありますが、制度内容は変更される可能性があります。最新の情報を確認しつつ、必要に応じてFPや金融機関に一般的な説明を求めるなど、慎重に進めることが重要です。

達成者の家計と行動

年収1000万円に到達している人たちは、どのような収入構成や家計管理をしているのでしょうか。具体的なイメージを持つことで、自分の行動に落とし込みやすくなります。

ここでは、医師や弁護士、外資系管理職、起業家などの代表的なケースや、30代や20代で達成した人の家計モデルを通じて、共通点や注意点を整理していきます。あくまで一例として、自分に合う部分だけを参考にする姿勢が大切です。

医師・弁護士・外資系管理職・起業家の収入構成

年収1000万円を超える人が多い職業として、医師や弁護士、外資系企業の管理職、起業家などがよく挙げられます。それぞれの収入構成には特徴があり、働き方やリスクの取り方も異なります。自分がどのタイプに近いかをイメージすると、参考にしやすくなるでしょう。

たとえば、勤務医の場合は、基本給にくわえて、当直手当や時間外手当が上乗せされることが多いです。長時間労働になりやすい一方で、安定した給与所得としての収入が見込めます。開業医になると、診療報酬が売上となり、そこから経費を差し引いた残りが所得になります。収入の上限は広がりますが、経営リスクも伴います。

弁護士の場合、勤務弁護士として法律事務所に所属しているうちは、固定給に近い形で報酬を受け取るケースが多いです。その後、パートナー弁護士や独立開業をすると、案件数や顧客との契約内容によって、収入が大きく変動します。専門分野や評判が収入に直結しやすい職業と言えるでしょう。

外資系企業の管理職は、基本給に加えて、業績連動のボーナスやストックオプションなどが収入の一部を占めることがあります。会社の業績や評価によって、年ごとの振れ幅が大きくなる一方で、成果が出れば高収入を得やすい仕組みです。起業家も同様に、売上や利益の変動が大きく、安定性と引き換えに高いリターンを狙う働き方と言えるでしょう。

30代で年収1000万を達成した家計モデル

30代で年収1000万円に到達した人の家計モデルを考えてみましょう。ここでは一例として、都市部在住の共働き世帯をイメージします。夫が外資系企業の営業職で年収800万円、妻がIT企業のエンジニアで年収200万円、子どもは一人というケースです。

この場合、世帯年収は1000万円ですが、夫婦ともに社会保険料や税金を負担するため、手取りは合計で750万円前後になることが多いと考えられます。毎月の可処分所得にすると、60万円台半ばから後半が一つの目安になるでしょう。ここから、家賃や住宅ローン、保育料、生活費、貯蓄などを配分していくイメージです。

たとえば、家賃に18万円、食費や日用品に12万円、保育料や教育費に5万円、保険料や通信費などの固定費に7万円を使うと、残りは貯蓄や投資、レジャー費に回せます。年間で見ると、200万円前後を貯蓄や資産運用に回すことも現実的なラインになるでしょう。

このような家計モデルでは、生活レベルを上げすぎないことがポイントになります。年収が上がると、外食や旅行、趣味に使うお金も増やしたくなりますが、将来の教育費や老後資金も考えると、バランスが重要です。家計簿アプリなどを使って支出を見える化し、定期的に振り返る習慣があると、無理なく貯蓄を続けやすくなります。

20代で達成した人はどれくらい?

20代で年収1000万円に到達している人は、統計的にはごく少数です。国税庁のデータや各種調査を見ても、20代全体の平均年収は300万円台から400万円台が中心であり、1000万円以上はかなり限られた層にとどまります。いわば「例外的なケース」と考えたほうが現実的でしょう。

それでも、存在しているのは事実です。たとえば、外資系投資銀行やコンサルティングファームの一部ポジションでは、新卒数年で高額な賞与を得ることがあります。スタートアップ企業でストックオプションが大きく値上がりし、一時的に高収入を得るケースもあります。インフルエンサーやクリエイターとして成功した人も、若くして高収入を得ている例の一つです。

ただし、20代で年収1000万円に届いたとしても、その後も同じ水準を維持できるとは限りません。業界の変化や会社の業績、自分の健康状態などによって、収入は大きく変動します。若いうちに高収入を得たからこそ、生活レベルを上げすぎず、貯蓄や投資に回す意識が重要になります。

20代で年収1000万円を目指すこと自体は、一つのモチベーションになるかもしれません。しかし、多くの人にとっては、まずはスキルや経験を積み、30代以降の収入アップにつなげるほうが現実的です。焦らず、自分のペースでキャリアを築いていくことが、長い目で見て大切だと言えるでしょう。

まとめ

日本で年収1000万円以上の人の割合は、全体の数パーセント程度にとどまり、多数派とは言えません。年代別に見ると、20代ではごく少数、30代でも限られた職種が中心で、40代以降の管理職や専門職に多い傾向があります。性別や世帯構成によっても違いがあり、世帯年収として1000万円に届く家庭は、個人年収よりも多くなっています。

年収1000万円は高収入ではありますが、税金や社会保険料の負担が増えるため、手取り額は年収ほど伸びません。住宅ローンや教育費の負担が重いと、思ったほど余裕を感じないケースもあります。その一方で、貯蓄や投資を計画的に行えば、将来の選択肢を広げることも可能です。

この記事を書いた人

田中 壮のアバター 田中 壮 株式会社TFPグループ代表取締役

2009年、株式会社STEPに入社し、システム開発を担当。市川市消防局でのレスキュー隊の経験を経て、2013年にプルデンシャル生命保険株式会社に入社し保険業界へ。2014年には個人保険販売ランキングで全社営業マン約4,000人中4位となり、2015年に営業所長に就任。その後、保険代理店(株式会社イコールワン)を共同創業。2018年に株式会社TFPグループを設立し、代表取締役に就任。自身はMDRT(生命保険・金融サービスの専門家が所属するグローバル組織)2024年度TOT(トップ・オブ・テーブル/最上級の資格)基準を達成。

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