投資物件売却にかかる費用一覧|手数料・税金・諸費用の総額【2026年版】
1. 投資物件売却にかかる費用の全体像
投資物件を売却する際には、様々な費用が発生します。売却価格がそのまま手元に残るわけではなく、費用を差し引いた「手取り額」を事前に把握することが重要です。
📊 売却費用の全体像
| 費用カテゴリ | 主な項目 | 金額の目安 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 不動産会社への報酬 | 売却価格の3〜5% |
| 税金 | 譲渡所得税・住民税・印紙税 | 利益の20〜40% |
| 諸費用 | 抵当権抹消・測量・解体等 | 10〜100万円 |
| 合計目安 | 売却価格の5〜10% |
2. 仲介手数料の計算方法と上限
仲介手数料は宅地建物取引業法で上限が定められています。
| 売却価格 | 仲介手数料の上限(税別) |
|---|---|
| 200万円以下の部分 | 売却価格×5% |
| 200万円超〜400万円以下の部分 | 売却価格×4% |
| 400万円超の部分 | 売却価格×3% |
400万円超の物件は、速算式「売却価格×3%+6万円(税別)」で計算できます。
出典: e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」第46条(報酬)、国土交通省告示
具体的な仲介手数料の例
| 売却価格 | 仲介手数料(税別) | 仲介手数料(税込) |
|---|---|---|
| 1,000万円 | 36万円 | 39.6万円 |
| 2,000万円 | 66万円 | 72.6万円 |
| 3,000万円 | 96万円 | 105.6万円 |
| 5,000万円 | 156万円 | 171.6万円 |
| 1億円 | 306万円 | 336.6万円 |
3. 譲渡所得税の計算方法と税率
計算の流れ
- 譲渡所得の計算: 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)
- 取得費の計算: 購入価格 + 購入時の諸費用 − 減価償却累計額
- 税額の計算: 譲渡所得 × 税率
税率
| 所有期間 | 区分 | 所得税 | 住民税 | 復興特別所得税 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 5年以下 | 短期譲渡 | 30% | 9% | 0.63% | 39.63% |
| 5年超 | 長期譲渡 | 15% | 5% | 0.315% | 20.315% |
出典: 国税庁「No.3208 長期譲渡所得の税額の計算」「No.3211 短期譲渡所得の税額の計算」(令和7年4月1日現在法令等)
取得費に含められる費用
- 物件の購入価格(建物は減価償却後の金額)
- 購入時の仲介手数料
- 購入時の登記費用(登録免許税・司法書士報酬)
- 購入時の印紙税
- 不動産取得税
- リフォーム・設備交換費用(資本的支出に該当するもの)
4. その他の諸費用一覧
| 費用項目 | 金額の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 印紙税 | 1万〜6万円 | 売買契約書に貼付。売却価格に応じて変動 |
| 抵当権抹消費用 | 1〜3万円 | 登録免許税(不動産1個につき1,000円)+司法書士報酬 |
| ローン一括返済手数料 | 0〜5万円 | 金融機関による。無料の場合もある |
| 確定測量費用 | 30〜80万円 | 一棟物件・戸建の場合に必要なことが多い |
| 建物解体費用 | 100〜300万円 | 更地渡しの場合のみ |
| ハウスクリーニング | 3〜10万円 | 空室の場合。内覧前に実施すると効果的 |
| 引越し費用 | — | 投資用物件の場合は通常不要 |
印紙税の税額一覧
| 売却価格 | 印紙税額(軽減税率適用) |
|---|---|
| 500万円超〜1,000万円以下 | 5,000円 |
| 1,000万円超〜5,000万円以下 | 1万円 |
| 5,000万円超〜1億円以下 | 3万円 |
| 1億円超〜5億円以下 | 6万円 |
出典: 国税庁「No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置」(令和7年3月31日まで適用)
5. 手取り額シミュレーション
📊 モデルケース: 区分ワンルームマンション
- 売却価格: 2,500万円
- 購入価格: 2,000万円(10年前に購入)
- 減価償却累計額: 400万円
- 購入時の諸費用: 80万円
- ローン残債: 1,200万円
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 売却価格 | 2,500万円 |
| ▲ 仲介手数料(税込) | ▲84.5万円 |
| ▲ 印紙税 | ▲1万円 |
| ▲ 抵当権抹消費用 | ▲2万円 |
| ▲ ローン一括返済 | ▲1,200万円 |
| ▲ 譲渡所得税 | ▲166.6万円 |
| 手取り額 | 約1,045.9万円 |
※譲渡所得 = 2,500万 −(2,000万−400万+80万)− 84.5万 = 835.5万円
※税額 = 835.5万 × 20.315% ≒ 169.7万円(長期譲渡所得)
6. 売却費用を抑える5つの方法
- 所有期間5年超で売却する: 税率が約39.63%→約20.315%に半減
- 取得費を正確に計算する: 購入時の諸費用も取得費に含めて譲渡所得を圧縮
- 仲介手数料を交渉する: 上限は法定だが、それ以下での合意は可能
- 事業用資産の買い替え特例を活用する: 売却益の80%を課税繰延べ可能(一定の要件あり)
- 確定申告で損益通算する: 他の不動産所得と損益通算して税負担を軽減
よくある質問
投資物件の売却にかかる費用の合計はどのくらい?
売却価格の約5〜10%が目安です。3,000万円の物件なら150万〜500万円程度。譲渡所得税は利益の大きさと所有期間で大きく変動します。
仲介手数料はいくらかかる?
400万円超の取引で「売却価格×3%+6万円(税別)」が上限です。3,000万円の物件なら96万円(税別)です。
譲渡所得税はどう計算する?
譲渡所得=売却価格−(取得費+譲渡費用)。税率は所有期間5年超で約20.315%、5年以下で約39.63%です。
売却費用を抑える方法は?
①5年超で売却②取得費を正確に計算③仲介手数料の交渉④買い替え特例の活用⑤損益通算の活用が主な方法です。
確定申告は必要?
はい、売却した翌年の2月16日〜3月15日に確定申告が必要です。売却損でも損益通算のために申告しましょう。