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医療費控除は10万円以下でも利用できる?具体的な金額や手続き・申告する際の注意点を徹底解説!

2023.07.01
医療費控除は10万円以下でも利用できる?具体的な金額や手続き・申告する際の注意点を徹底解説!

※この記事は商品プロモーションを含むことがあります。

「医療費が10万円以下でも医療費控除は利用できるの?」
「医療費控除はいくらから対象なの?」
このような悩みを抱えていませんか?

医療費控除を受けるには、対象となる治療費が一定金額を超える必要があります。通常の医療費控除に加え、セルフメディケーション税制の制度もあり、複雑に感じる人もいるでしょう。

そこで今回は、医療費控除が利用できる具体的な金額や手続きの方法について解説します。申告する際の注意点についても解説。この記事を読めば、あなたが医療費控除を利用できるかがわかり、スムーズに申告できるようになるでしょう。

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医療費控除は合計医療費が10万円以下なら受けられない?

医療費控除は合計医療費が10万円以下なら受けられない?

医療費控除は、1月1日〜12月31日までの1年間に支払った医療費が一定の金額を超えた場合に、所得控除が受けられる制度です。医療費控除が利用できるのは「1月1日から12月31日までの合計医療費が10万円を超えたら」と認識している人が多いでしょう。

しかし、すべての人が合計医療費10万円以下では使えないというわけではありません。この章では、10万円以下でも医療費控除が利用できる可能性について解説します。

医療費控除は医療費が10万円以下でも利用できる可能性がある

正しくは「10万円」もしくは「総所得金額の5%」を超えた分が医療費控除の対象となります。総所得が200万円未満の方の場合は「総所得金額の5%」が適用される点に注意が必要です。

なお、総所得が200万円の場合、その5%が10万円です。

医療費控除の金額 =(医療費の総額 – 保険金などで補填される金額)- 10万円
(注)その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5パーセントの金額

出典:国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」

したがって、総所得が200万円未満の場合は医療費が10万円を超えなくても医療費控除が利用できます。年収と所得は違うので注意しましょう。

年収は会社などから受け取った給与収入の額面の金額。所得は給与収入から給与所得控除額を差し引いた金額を指します。個人事業主や自営業の場合、売り上げから必要経費を差し引いた金額で考えてください。

実際いくら以上なら申請可能?シミュレーションしてみよう

医療費控除の基準となる金額は理解したものの、実際にいくら以上なら申請可能か気になる人が多いでしょう。そこで、以下のように総所得金額別にシミュレーションしてみました。

《総所得金額が100万円の場合》

100万円 × 5% = 5万円

《総所得金額が150万円の場合》

150万円 × 5% = 7万5,000円

《総所得金額が199万円の場合》

199万円 × 5% = 9万9,500円

上記のように総所得が200万円未満の場合は、10万円以下でも医療費控除が受けられる可能性があります。10万円に届かないからと諦めずに一度計算してみましょう。

セルフメディケーション税制を利用できる可能性もある

通常の医療費控除とは別に、セルフメディケーション税制を利用できる可能性もあります。セルフメディケーション税制とは以下のような制度です。

健康の保持増進及び疾病の予防として一定の取組を行っている方が、その年中に自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族のために12,000円以上の対象医薬品を購入した場合には、「セルフメディケーション税制」(通常の医療費控除との選択適用)を受けることができます。

引用:国税庁「セルフメディケーション税制の概要・手続など」

「健康の保持増進及び疾病の予防として一定の取組」を行っている人が、対象の医薬品を一定額以上購入した場合に利用できます。医療機関による治療ではない場合も、要件に該当すれば控除が受けられる制度です

対象となる医薬品は、購入時の領収書やレシートに対象である旨が記載されているので確認しましょう。

医療費控除を申告する際に知っておくべき6つの注意点とは

医療費控除を申告する際に知っておくべき6つの注意点とは

医療費控除が申告できる金額についてわかったところで、医療費控除を申告する際の注意点について解説します。注意ポイントは以下の6つです。

医療費控除を申告する際の注意点

  1. 医療費は生計を共にする家族分を合算できる
  2. すべての医療費が対象になるわけではない
  3. 医療費控除とセルフメディケーション税制は併用できない
  4. 医療費控除を受けるなら確定申告をする必要がある
  5. ふるさと納税のワンストップ特例制度は利用できない
  6. 領収書は5年間保管しておかなければならない

それぞれ詳しくみていきましょう。

①医療費は生計を共にする家族分を合算できる

医療費控除で申告する医療費は、あなた自身の医療費だけでなく、生計を共にする家族の分も合算できます。こちらは国税庁のホームページで紹介されている医療費控除の要件です。

(1)納税者が、自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費であること。
(2)その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費であること。

引用:国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」

扶養家族や同居している家族以外でも、生計を共にしている場合は対象です。自分1人の医療費では医療費控除の対象にならないと諦めてしまった方もいるかもしれません。今一度、家族全員分の医療費を確認しましょう。

②すべての医療費が対象になるわけではない

医療費控除は、支払った医療費の全てが対象になるわけではありません。対象となる医療費は以下のとおりです。

◆ 医師、歯科医師による診療や治療の対価
◆ 治療のためのあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師などによる施術の対価
◆ 助産師による分べんの介助の対価
◆ 医師等による一定の特定保健指導の対価
◆ 介護福祉士等による喀痰吸引等の対価
◆ 保健師や看護師、准看護師
による療養上の世話の対価
◆ 治療や療養に必要な医薬品の購入の対価
◆ 病院、診療所又は助産所などへ収容されるための人的役務の提供の対価

引用:国税庁「医療費控除を受けられる方 へ」

上記以外にも、医師等による診療等を受けるために必要な費用は対象となる可能性があります。たとえば通院のための交通費や医師の送迎費、入院の部屋代や食事代も対象です

健康診断の費用や自家用車で通院する場合のガソリン代は含まれないので注意しましょう。

③医療費控除とセルフメディケーション税制は併用できない

通常の医療費控除とセルフメディケーション税制を併用して申告はできません。どちらか一方を選んで申告する必要があります。両方の適用条件を満たしている場合は、それぞれの対象となるものの金額を計算し、控除額が大きくなる方を選択しましょう

セルフメディケーション税制は、申告するあなた自身が「健康の保持増進及び疾病の予防として一定の取組」を行っている必要があります。家族が行っていたとしても、本人が行っていなければ適用にならないので注意しましょう。(参照元:厚生労働省

④医療費控除を受けるなら確定申告をする必要がある

通常の医療費控除やセルフメディケーション税制を受けるためには確定申告が必要です。1年の所得を申告し、所得に応じた金額を納めるために行います。一般的には会社員であれば年末調整によって税金の過不足が調整可能です。

しかし、医療費控除の還付申告は勤め先の年末調整ではできないので注意しましょう。医療費控除の申告をするには、明細書に必要事項を記入して確定申告の書類に添付します。医療費控除の明細書には、以下のような情報の記載が必要です。

  • 医療を受けた人の氏名
  • 病院・薬局などの支払い先の名称
  • 医療費の区分
  • 支払った医療費の額
  • 生命保険や社会保険などで補填される金額

(参照元:国税庁

治療を受けた医療費の明細や医薬品の領収書を保管して、上記の情報をすぐに記載できるようにしておきましょう。

⑤ふるさと納税のワンストップ特例制度は利用できない

確定申告が必要な医療費控除とふるさと納税を併用すると、ふるさと納税のワンストップ特例制度は使えなくなってしまいます。ワンストップ特例制度の利用には、確定申告が不要な給与所得者・ふるさと納税をした自治体が5団体以内という条件があるためです。(参照元:総務省

すでにワンストップ特例制度の利用を申請している場合でも、確定申告の際に再度申告する必要があります。確定申告書と共に、寄附金受領証明書を提出しましょう。通常通りの控除が受けられます。

⑥領収書は5年間保管しておかなければならない

医療費控除の申告の際には、従来は領収書の添付が義務付けられていました。それが平成29年度の改正で、医療費や特定一般用医薬品等購入費の明細書を添付すればいいと変更されています。つまり、確定申告時に領収書の提出は不要です。

しかし、確定申告期限等から5年間は税務署から領収書の提示又は提出を求められる可能性があります。医療費や医薬品購入の領収書は破棄せずに5年間は保管するようにしましょう。

医療費控除を申告する際の手続き方法とは

医療費控除を申告する際の手続き方法とは

医療費控除の申告をする際の手続きには、以下の3つの方法があります。

  • e-TAX
  • 郵送
  • 税務署に持参

e-TAXは、国税に係る申告・申請・納税に係るオンラインサービスです。確定申告がウェブ上で完結します。利用するにはマイナンバーカードか、税務署で発行したIDとパスワードが必要です。

カードがなく、IDなどの発行も間に合わない場合、e-TAXで作成した書類を印刷して郵送し、申告することもできます。オンラインで書類作成をするのに抵抗がある場合は税務署に出向いて提出しましょう

医療費控除の申請に必要な書類は以下のとおりです。

医療費控除の申請に必要なもの

  • 番号確認書類(マイナンバーを確認できる書類)
  • 身元確認書類
  • 所得を証明する書類
  • 確定申告書
  • 医療費控除の明細書、または医療費通知(原本)(セルフメディケーション税制を受ける場合は不要)
  • セルフメディケーション税制の明細書(医療費控除を受ける場合は不要)
  • 金融機関の口座番号がわかるもの
  • 印章

書類を全て揃えてから手続きをするとスムーズに進みます。

関連記事:医療費控除の手続き方法とは?医療費控除の種類と対象となる費用・ならない費用を解説

まとめ

まとめ

この記事では、医療費控除が利用できる具体的な金額や手続きの方法・申告する際の注意点について解説しました。医療費控除は、1年間の合計医療費が10万円以下の場合でも利用できる可能性があります。ただし、総所得の条件があるので必ず確認しましょう。

また、通常の医療費控除の適用にならない場合でも、セルフメディケーション税制が利用できる可能性があります。解説したそれぞれの要件や対象となるものを確認して、あなたに合った制度をうまく利用してください。

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高柳政道

高柳政道

CFP・1級ファイナンシャル・プランニング技能士

静岡県出身。小売業やメーカー営業を経験後にライターへ転身。 FP資格を活かして執筆業務を行う。 得意分野は「株式投資」「保険」「クレジットカード」「カードローン」など。 保有資格は「CFP」「1級ファイナンシャル・プランニング技能士」。

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