貯金700万円は少ない?年代別の平均貯蓄額やお金を増やすコツを解説

監修者

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田中壮

TFPグループ 代表取締役 田中 壮

2009年、株式会社STEPに入社し、システム開発を担当。市川市消防局でのレスキュー隊の経験を経て、2013年にプルデンシャル生命保険株式会社に入社し保険業界へ。2014年には個人保険販売ランキングで全社営業マン約4,000人中4位となり、2015年に営業所長に就任。その後、保険代理店(株式会社イコールワン)を共同創業。2018年に株式会社TFPグループを設立し、代表取締役に就任。自身はMDRT(生命保険・金融サービスの専門家が所属するグローバル組織)2024年度TOT(トップ・オブ・テーブル/最上級の資格)基準を達成。

貯金が700万円あると聞くと、かなり多いようにも感じますが、自分の年齢や年収を考えると「本当に足りるのか」と不安になる方も多いはずです。老後や住宅購入、子どもの教育費など、お金がかかる場面は人生のあちこちにあります。

この記事では、貯金700万円が年代別の平均と比べてどのくらいの位置にあるのかを整理します。さらに、老後資金として十分かどうかの目安や、家計の見直しや資産運用でお金を増やす方法も分かりやすく解説します。自分の状況と照らし合わせながら、今後の行動のヒントにしてみてください。

目次

貯金700万は少ない?

貯金700万円が少ないか多いかは、年齢や世帯の状況、今後のライフプランによって変わります。単身世帯か夫婦か、子どもの有無でも必要な資金は大きく違うため、一概には判断しにくい金額です。

ここでは、金融広報中央委員会などの調査データを参考にしながら、平均や中央値との比較の考え方を整理します。自分の貯金額を冷静に位置づけることで、過度に不安にならず、次に何をすべきかを考えやすくなるはずです。

20代の平均・中央値と『貯金700万』の立ち位置

20代で貯金700万円ある人は、統計上かなり少数派です。金融広報中央委員会などのデータでは、20代単身世帯の金融資産保有額は、平均値よりも中央値の方が低い傾向があります。つまり一部の高額な貯蓄額が平均を押し上げていると考えられます。

例えば、20代単身の金融資産の中央値は100万円前後という調査結果が多く、貯金ゼロや50万円未満というケースも珍しくありません。就職して数年は、給与もまだ高くないうえに、生活費や趣味、旅行などにお金を使いやすい時期だからです。

その中で貯金700万円を持っていると、平均や中央値と比べてかなり多い水準といえます。実家暮らしで生活費を抑えていた人や、早くから貯蓄や投資を始めた人、ボーナスを大きく貯金に回してきた人などが該当しやすいでしょう。

ただし、多いからといって油断してよいとは限りません。20代は、今後の年収アップや転職、結婚、住宅購入など、人生の方向性が変わりやすい時期です。貯金700万円を土台に、今後のライフプランと家計のバランスを考え、資産運用や知識の習得を進めていくと、将来の安心感につながりやすくなります。

30代の実態

30代になると、結婚や出産、住宅購入など、大きなライフイベントが増えます。そのため、貯金額の差が20代よりも大きく広がる傾向があります。同じ30代でも、単身世帯と二人以上の世帯では、お金の状況がまったく違う場合もあります。

金融広報中央委員会などの調査では、30代二人以上世帯の金融資産の平均額は数百万円台から1,000万円前後というデータが見られます。一方で、中央値は平均より低く、貯蓄ゼロや100万円未満という世帯も一定数存在します。つまり、多くの家庭が貯金に余裕があるとは限らないということです。

この中で貯金700万円ある場合、単身世帯であればかなりしっかり貯めている部類に入ることが多いです。夫婦や子どもがいる世帯でも、一定の安心材料にはなります。ただし、住宅ローンの頭金や教育資金、今後の老後資金まで考えると、700万円で十分とまでは言い切れません。

30代は、収入が伸びやすい一方で、支出も増えやすい時期です。家計簿アプリなどで収支を把握し、固定費を見直しながら、毎月の先取り貯金や積立投資の仕組みを整えると、無理なく貯蓄額を増やしやすくなります。貯金700万円を一つの通過点と考え、今後の10年でどのくらいの資産を目指すか、ざっくりと目標を持つことが大切です。

40代の平均値・中央値とリタイアへ向けた貯蓄状況

40代は、老後資金を意識し始める人が増える時期です。子どもの教育費や住宅ローンの返済も本格化しやすく、家計への負担が重くなりやすい年代でもあります。貯金700万円が多いのか少ないのか、よりシビアに考える必要が出てきます。

調査データを見ると、40代二人以上世帯の金融資産の平均額は1,000万円を超えるケースもありますが、中央値はそれより低く、500万円前後という結果もあります。つまり、貯金700万円は決して少ないとはいえず、中央値よりやや上というイメージの世帯も多いでしょう。

一方で、退職まで残り20年前後と考えると、老後資金の準備にはまだ時間がありますが、のんびり構えていられる時期でもありません。年金や退職金を含めた老後の必要額を試算し、今の貯蓄ペースで足りるのか、資産運用を含めて検討する段階に入っているといえます。

40代で貯金700万円ある場合、家計の収支バランスを見直しつつ、つみたてNISAやiDeCoなどの制度を活用することで、長期の資産形成がしやすくなります。リスクを取りすぎない範囲で投資信託なども組み合わせると、預貯金だけよりもお金の増え方に差が出る可能性があります。無理のない範囲で、今後の20年をどう使うかを考えておくと安心です。

独身女性・夫婦・二人世帯の貯蓄額の違い

同じ貯金700万円でも、独身女性なのか、夫婦二人なのか、子どもがいる世帯なのかで、意味合いは大きく変わります。生活費の水準や、今後発生する費用が違うためです。まずは自分の世帯の状況を整理することが、貯蓄額を判断するうえで欠かせません。

独身女性や単身世帯の場合、生活費は比較的コントロールしやすく、家計管理もしやすい傾向があります。家賃や食費、光熱費などの支出を抑えられれば、毎月の貯金ペースを上げやすいでしょう。その分、貯金700万円はかなり大きな安心材料になりますが、老後は一人で生活費を賄う必要があるため、長期的にはもう少し余裕を持たせたいところです。

一方、夫婦二人世帯や子どもがいる家庭では、生活費や教育費、住宅ローンなどの支出が増えます。貯金700万円あっても、将来の住宅購入や出産費用、学費などを考えると、十分とは言い切れないケースもあります。特に私立の学校や建売住宅、マンションの購入を検討している場合は、頭金や諸費用として数百万円単位のお金が必要になることも多いです。

世帯ごとの違いを踏まえると、貯金額そのものよりも、毎月の収支や将来のライフイベントに備えた計画が重要になります。家計簿アプリなどで支出を把握しつつ、保険やサブスク、クレジットカードの年会費などの固定費を見直すと、貯蓄に回せるお金を増やしやすくなります。自分の世帯の条件に合わせて、無理のない貯蓄目標を立てることが大切です。

貯金700万円は老後やリタイアに足りる?必要資金と生活費の目安

貯金700万円が老後に足りるかどうかは、多くの人が気になるテーマです。年金や退職金の有無、持ち家か賃貸か、地方か都市部かなど、条件によって必要な金額は大きく変わります。

この章では、年金や退職金を含めた老後の必要資金の考え方や、貯金700万円が生活費の何年分に相当するかを整理します。住宅購入や教育費など、他のライフイベントも踏まえながら、どこまで貯金でカバーできるのかをイメージしやすくしていきます。

年金・退職金を含めた必要額の計算方法

老後にいくら必要かを考えるときは、まず「毎月の生活費」と「何年分必要か」をざっくり押さえることが大切です。総額だけを聞いてもイメージしにくいため、自分の家計に近い数値に置き換えてみると判断しやすくなります。

一般的には、老後の生活費は現役時代の消費支出より少し下がる傾向があります。ただし、住宅ローンが残っているか、持ち家か賃貸か、医療費や介護費用がどの程度かかるかなどで、大きく変わることもあります。旅行や趣味にどのくらいお金を使いたいかによっても、必要額は違ってきます。

必要額を考えるときは、次のように分けて考えると分かりやすいです。

  • 毎月の生活費の目安を決める
  • 年金見込額を確認し、不足分を計算する
  • 退職金や貯金で不足分をどこまで補うか考える

例えば、老後の生活費が月20万円で、そのうち公的年金で15万円受け取れるとします。この場合、不足分は月5万円です。年間60万円、20年で1,200万円が目安となります。ここに、住宅の修繕費や医療費、介護費などの一時的な出費を加えると、必要な金融資産はもう少し増えるでしょう。

貯金700万円は、この不足分の一部を補うための大切な資金になります。ただし、年金額や退職金は企業や働き方によって大きく違うため、ねんきん定期便や企業の資料で自分の数値を確認することが重要です。制度や税金は変わる可能性もあるため、定期的に最新情報をチェックしながら、必要額を見直していく姿勢が求められます。

貯金700万は何年分に相当するか

貯金700万円が何年分の生活費に相当するかを知ると、自分のお金の「重さ」を実感しやすくなります。ここでは、老後の生活費だけでなく、今の生活費にも当てはめて考えてみましょう。あくまで目安ですが、将来のイメージづくりには役立ちます。

例えば、今の生活費が月20万円の単身世帯の場合、単純計算では700万円あれば約35カ月分、つまり約3年弱の生活費になります。夫婦二人で月30万円かかる家庭なら、約23カ月分、2年弱というイメージです。実際には税金や臨時の出費もあるため、もう少し短く見積もっておく方が安全でしょう。

老後の生活費として考えるときも、同じように計算できます。老後の生活費を月18万円、年金などの収入を月13万円とすると、不足分は月5万円です。この不足分だけに着目すると、700万円あれば140カ月分、約11年分を補える計算になります。もちろん、実際には物価や税制の変化、医療費の増加などもあり得ます。

このように、貯金700万円は「生活費の何年分か」という視点で見ると、決して小さな金額ではありません。ただし、老後が20年以上続くことを考えると、700万円だけで安心というわけでもないと分かります。現役時代のうちに、毎月の収支を整えながら、貯蓄と資産運用を組み合わせて、少しずつ金融資産を積み上げていくことが大切です。

住宅購入・教育費・出産などライフイベントごとの必要資金チェック

貯金700万円は、老後だけでなく、住宅購入や出産、教育資金など、さまざまなライフイベントに備えるうえでも重要な資金です。どのタイミングでどのくらいのお金が必要になるかを把握しておくと、貯金の使い道や優先順位を決めやすくなります。

住宅購入を考える場合、建売住宅やマンションの頭金として数百万円から1,000万円程度を用意するケースが多いです。地域や価格帯によって差がありますが、諸費用も含めると、貯金700万円のかなりの部分を住宅に充てることになりかねません。頭金を多く入れれば住宅ローンの負担は軽くなりますが、手元の預貯金が減りすぎると、急な出費に対応しにくくなるリスクもあります。

出産費用は、健康保険の制度で一部がカバーされますが、個室を選ぶかどうか、里帰り出産をするかなどで実際の負担額は変わります。教育費についても、公立か私立か、大学進学の有無などで総額が大きく変わります。私立の中学や高校、大学まで進学すると、トータルで1,000万円を超えることも珍しくありません。

このように、ライフイベントごとの必要資金をざっくりでも把握しておくと、貯金700万円をどのように配分するか考えやすくなります。すべてを自分の貯金だけで賄うのではなく、住宅ローンや奨学金、学資保険など、利用できる制度や金融商品も選択肢に入れるとよいでしょう。家計の状況や価値観によって最適な組み合わせは変わるため、必要に応じてFPなど専門家に相談するのも一つの方法です。

「貯金700万円あるけど不安」の具体的な理由と対処

実際には貯金700万円あっても、不安を感じる人は少なくありません。理由として多いのは、「将来どのくらいお金が必要なのか分からない」「今のペースで貯金を続けられるか不安」「投資をした方がいいのか判断できない」といった声です。漠然とした不安は、金額の大小だけでは解消しにくいものです。

まず取り組みたいのは、家計の見える化です。家計簿アプリなどを使って、毎月の収入と支出、貯蓄額を把握すると、「どこにお金が流れているのか」が分かります。固定費の中に、使っていないサブスクや高い保険料、年会費のかかるクレジットカードなどが見つかることもあるでしょう。無駄な出費を減らせれば、貯金に回せる金額が増え、不安も和らぎやすくなります。

次に、ライフプランをざっくりと作成してみると、将来の見通しが立てやすくなります。結婚や出産、住宅購入、子どもの教育資金、老後の生活費など、今後起こりそうなイベントと時期を一度書き出してみましょう。そこに必要な費用の目安を当てはめると、貯金700万円をどのように活用すべきかイメージしやすくなります。

投資について不安がある場合は、いきなり大きな金額を動かす必要はありません。つみたてNISAなどで、毎月少額から投資信託を積み立てる方法もあります。リスクを抑えたいなら、定期預金や複数の口座に分けて管理する方法も検討できます。どの選択肢が自分に合うかは、年齢や収入、家族構成などによって変わるため、焦らずに情報を集めていくことが大切です。

貯金700万を増やす実践テク

貯金700万円を持っていると、ある程度の安心感は得られますが、物価上昇や将来のライフイベントを考えると、少しずつでも増やしていきたいところです。収入アップだけでなく、支出の見直しや資産運用の工夫も組み合わせると、無理なく貯蓄額を伸ばしやすくなります。

この章では、サブスクや保険の見直し、先取り貯金のコツ、つみたてNISAやiDeCoの活用法、副業による収入アップなど、家計改善と資産運用の具体的な方法を紹介します。小さな行動の積み重ねが、将来の安心につながりやすくなります。

サブスク・クレジットカード・保険の削減ポイント

貯金を増やす第一歩は、毎月の固定費を見直すことです。特にサブスクやクレジットカード、保険料は、知らないうちに家計を圧迫していることがあります。いきなり生活レベルを大きく下げる必要はなく、「使っていないもの」「同じ効果で安くできるもの」を見つけるイメージで取り組むと続けやすくなります。

サブスクは、動画配信や音楽、アプリの有料プランなど、月々数百円から数千円のサービスが積み重なりがちです。ここ1〜2カ月使っていないサービスがあれば、一度解約してみるのも選択肢です。必要になれば再契約もできますし、その間の支出は確実に減らせます。

クレジットカードは、年会費の有無や特典内容を確認しましょう。ほとんど使っていないカードの年会費を払い続けているケースもあります。メインで使うカードを1〜2枚に絞り、ポイント還元やキャッシュバックが自分の生活スタイルに合っているか見直すと、管理もしやすくなります。

保険については、生命保険や医療保険の保障内容が今の家族構成や収入に合っているかが重要です。過剰な保障は保険料の無駄につながりかねません。逆に、必要な保障が足りないと、いざというときに貯金を大きく取り崩すことにもなり得ます。保険の見直しは専門的な知識が必要な場面もあるため、無料相談などを活用しつつ、保障と保険料のバランスを検討するとよいでしょう。

先取り貯金・家計簿で目標を達成する習慣づくり

貯金700万円からさらに資産を増やすには、「余ったら貯金する」という発想から、「先に貯金して残りで生活する」という考え方に切り替えると効果的です。先取り貯金は、収入が入ったタイミングで自動的に貯蓄用の口座にお金を移す方法で、無理なく貯蓄額を増やしやすい仕組みです。

具体的には、給与振込口座から別の貯蓄用口座へ、毎月一定額を自動振替する設定をします。金額の目安としては、手取り収入の1〜2割程度から始める人が多いですが、家計の状況によって適切な割合は変わります。ボーナスがある場合は、ボーナスから一定額を先取り貯金に回すルールを決めておくと、貯蓄ペースを上げやすくなります。

先取り貯金と相性が良いのが、家計簿による支出の把握です。紙の家計簿でも構いませんが、最近は銀行口座やクレジットカードと連携できる家計簿アプリも増えています。自動で支出が分類されるため、「食費が多すぎる」「サブスクが増えている」といった傾向をつかみやすくなります。

目標を達成しやすくするには、「いつまでにいくら貯めたいか」を具体的に決めるとよいでしょう。例えば、「5年後までに貯金を1,000万円にする」と決めれば、毎年いくら、毎月いくら貯金すべきか逆算できます。途中で家計の状況が変わることもあるため、年に1回程度は目標と実績を見直し、必要に応じて金額を調整していくと、無理なく続けやすくなります。

つみたてNISA・iDeCo・投資信託の活用法

貯金700万円のうち、当面使う予定のないお金については、預貯金だけでなく、つみたてNISAやiDeCo、投資信託などを活用して資産運用を検討する人も増えています。これらは、長期でコツコツ積み立てることで、複利の効果を期待しやすい制度や金融商品です。ただし、元本割れのリスクもあるため、仕組みを理解したうえで利用することが重要です。

つみたてNISAは、一定の年間投資額まで、運用益が非課税になる制度です。対象となるのは、金融庁が選定した長期・積立・分散投資に向いた投資信託などで、毎月少額から始められます。毎月の給与から一定額を積み立てる方法なら、時間を分散しながら投資できるため、一度に大きな金額を投じるよりも価格変動の影響を和らげやすいとされています。

iDeCoは、老後資金づくりに特化した制度で、自分で掛金を拠出し、投資信託や定期預金などで運用します。掛金が所得控除の対象となるため、所得税や住民税の負担を軽くできる可能性があります。ただし、原則60歳まで引き出せないという制約があるため、生活費として使う予定のないお金で利用する必要があります。

投資信託自体は、NISAやiDeCoを使わなくても、証券会社や銀行の口座から購入できます。複数の株式や債券などに分散投資できるため、個別株よりもリスクを抑えやすい面がありますが、値動きは避けられません。どの程度のリスクを許容できるかは人それぞれのため、投資額や商品の選び方は慎重に検討する必要があります。制度や商品の内容は随時変更される可能性もあるため、利用前に最新情報を確認しておきましょう。

定期預金や口座の使い分けと流動性確保でリスクを下げる方法

資産運用に踏み出すのが不安な場合や、すべてを投資に回したくない場合は、預貯金の中での工夫も有効です。定期預金と普通預金、複数の銀行口座を使い分けることで、お金の目的別管理がしやすくなり、必要なときに引き出せる「流動性」も確保しやすくなります。

例えば、生活費用の口座には、毎月の生活費と緊急予備費の一部を普通預金で置いておきます。これにより、急な出費や収入の変動があっても、すぐにお金を動かせます。一方で、半年〜1年は使う予定のないお金については、定期預金に預けることで、普通預金より少し高い金利を受け取れる場合があります。金利は銀行や期間によって異なるため、比較して選ぶとよいでしょう。

さらに、目的別に口座を分ける方法もあります。例えば、「旅行用」「教育資金用」「住宅頭金用」などと分けておくと、貯金の目的が明確になり、途中で取り崩しにくくなります。家計簿アプリと連動させれば、どの口座にいくらあるか一目で分かるようになり、資産全体の管理がしやすくなります。

貯金700万円のうち、どのくらいを流動性の高い普通預金や定期預金で持ち、どのくらいを投資に回すかは、年齢や家族構成、収入の安定度によって変わります。リスクを取りすぎないためには、「数年以内に使う予定のお金は預貯金で確保し、それ以外を長期の資産運用に回す」といった考え方が参考になります。自分の許容範囲を超えるリスクを取らないことが、長く安心してお金と付き合うためのポイントです。

副業で収入を増やす現実的な選択肢と税金・手取りへの影響

支出の見直しだけでは貯金ペースを上げにくいと感じる場合、副業で収入を増やすという選択肢もあります。最近は、企業に勤めながら副業をする人も増えてきましたが、時間の使い方や税金、社会保険への影響も踏まえて検討することが大切です。

副業には、アルバイトのように時間を切り売りするタイプと、スキルや得意分野を生かすタイプがあります。例えば、週末だけの飲食店勤務や、平日夜のコンビニ勤務などは、比較的始めやすい一方で、体力的な負担が大きくなる可能性があります。ライティングやデザイン、プログラミング、オンライン講師などの仕事は、スキルがあれば在宅でできるケースもありますが、収入が安定するまで時間がかかることもあります。

副業収入が増えると、税金や社会保険の負担が変わることがあります。一定額以上の所得があると、確定申告が必要になり、住民税の金額も変わります。会社員の場合、副業が就業規則で制限されていることもあるため、事前に勤務先のルールを確認しておくことが重要です。

副業で得た収入をすべて生活費に使ってしまうのではなく、一定割合を貯金や投資に回すルールを決めておくと、資産形成のスピードを上げやすくなります。貯金700万円を土台に、副業収入を上手に活用できれば、将来の選択肢を広げることにもつながります。ただし、無理をして体調を崩してしまっては本末転倒です。自分の時間と体力に合った範囲で、現実的な副業スタイルを選ぶことが大切です。

緊急予備費・保険・資産分散の考え方

貯金700万円を持っていても、病気や失業、急な出費が重なると、一気に不安が高まることがあります。こうしたリスクに備えるには、緊急予備費や保険、資産の分散といった考え方が欠かせません。

この章では、どのくらいの緊急予備費を用意しておくと安心か、保険でカバーすべき範囲はどこまでか、預貯金と投資のバランスをどう取るかといったポイントを整理します。貯金を「減らさない工夫」を知ることで、将来の不安を和らげやすくなります。

緊急予備費はいくら必要か?発生しやすいケース別の目安

緊急予備費とは、病気やケガ、失業、家電の故障など、予想しにくい出費に備えるための貯金です。生活費とは別に用意しておくことで、急なトラブルが起きても、クレジットカードのリボ払いなどに頼らずに済む可能性が高まります。貯金700万円のうち、どのくらいを緊急予備費として確保するか考えてみましょう。

一般的な目安として、手取り収入の3〜6カ月分を緊急予備費として用意しておくと安心といわれます。例えば、毎月の生活費が20万円なら、60万〜120万円程度が一つの基準です。共働きか専業主婦(主夫)家庭か、子どもの有無などで必要額は変わりますが、少なくとも数カ月分の生活費があると、収入が一時的に減っても対応しやすくなります。

発生しやすいケースとしては、突然の入院や手術費用、失業による収入減、車や住宅設備の故障などが挙げられます。医療費については、公的な医療保険や高額療養費制度があるため、全額自己負担になるわけではありませんが、一時的な負担は発生します。失業した場合も、雇用保険の失業給付があるものの、支給まで時間がかかることがあります。

これらを踏まえると、緊急予備費は原則として普通預金など、すぐに引き出せる形で持っておくことが重要です。貯金700万円ある場合でも、そのすべてを定期預金や投資に回してしまうと、いざというときにお金を動かしにくくなります。生活費と緊急予備費を合わせた金額を、まずは安全性の高い預貯金で確保し、そのうえで余裕資金を資産運用に回すという順番を意識するとよいでしょう。

保険の見直しで削減できる無駄と必要な保障のバランス

保険は、万が一のときに家計へのダメージを抑えるための大切な仕組みです。ただし、保障内容が自分の状況に合っていないと、保険料の無駄が発生したり、逆に必要なときに十分な保障が受けられなかったりする可能性があります。貯金700万円ある人は、どこまで保険で備え、どこから先を貯金でカバーするかを考えることがポイントになります。

まず、生命保険については、世帯主に万が一のことがあった場合、残された家族の生活費や教育資金をどのように確保するかが焦点です。独身で扶養家族がいない場合、死亡保険金の必要額は比較的少なくて済むことが多く、その分保険料を抑えられる可能性があります。一方、配偶者や子どもがいる場合は、必要な生活費や教育費の期間と金額をイメージしながら、保険と貯金のバランスを考えることが大切です。

医療保険については、公的医療保険や高額療養費制度でどこまでカバーされるかを確認したうえで、自己負担分をどの程度保険で補いたいかを検討します。入院日額が高すぎるプランや、重複している特約がないかをチェックすると、保険料を削減できるケースもあります。がん保険や就業不能保険なども、必要性は人によって大きく異なるため、一度整理してみるとよいでしょう。

保険の見直しは、自分だけで判断するのが難しい場面もあります。その場合、複数の保険会社の商品を比較できる窓口や、FPなどの専門家に相談するのも一つの方法です。ただし、勧められるままに高額な保険に加入するのではなく、自分の貯金額や家計の状況を踏まえて、本当に必要な保障だけを選ぶ意識が大切です。

預貯金・株式・投資信託の割合例

貯金700万円をどのように配分するかを考えるとき、「預貯金と投資の割合」を意識すると、リスクと安心のバランスを取りやすくなります。正解は人それぞれですが、年齢や家族構成、収入の安定度によって、おおまかな考え方の目安はあります。ここでは、一般的によく話題に上がる割合の例を紹介します。

例えば、30代で共働きの子どもなし世帯の場合、生活費6カ月分程度を普通預金や定期預金で確保し、それ以外の余裕資金を投資信託や株式に回すケースがあります。貯金700万円のうち、300万円を預貯金、400万円をつみたてNISAや投資信託などに分けるイメージです。これにより、急な出費に対応しつつ、長期の資産形成も目指しやすくなります。

一方、40代で子どもがいる家庭や、収入が不安定な自営業の場合は、もう少し預貯金の割合を高める人もいます。例えば、預貯金を500万円、投資を200万円とするなど、生活防衛資金を厚めに持つ考え方です。老後までの期間が短くなっている場合は、リスクを取りすぎないことも重要なポイントになります。

株式は値動きが大きいため、投資信託を通じて複数の株や債券に分散投資する方法を選ぶ人も多いです。個別株に集中投資するよりも、リスクを抑えやすい面がありますが、それでも元本割れの可能性はゼロではありません。どの程度の値下がりまでなら精神的に耐えられるかを考え、その範囲内で投資額を決めることが大切です。資産配分の考え方は、定期的に見直しながら、自分に合ったバランスを探していくとよいでしょう。

税制優遇を使った効率的な資産形成

同じ金額を貯めるにしても、税金の負担を抑えながら資産形成ができれば、手元に残るお金は増えやすくなります。日本には、NISAやiDeCoなど、税制上の優遇を受けられる制度がいくつかあります。これらを上手に活用すると、長期的な資産形成の効率を高めることが期待できます。

NISAは、一定の投資額まで、株式や投資信託などの売却益や配当が非課税になる制度です。通常、投資で得た利益には約20パーセントの税金がかかりますが、NISA口座内での運用益には税金がかからないため、その分お金が増えやすくなります。つみたてNISAは、長期の積立投資に特化しており、少額からコツコツ投資したい人に向いています。

iDeCoは、老後資金づくりに特化した制度で、掛金が全額所得控除の対象となる点が大きな特徴です。これにより、所得税や住民税の負担が軽くなる可能性があります。ただし、原則として60歳まで引き出せないため、生活費や近い将来のライフイベントに使うお金とは分けて考える必要があります。

これらの制度を利用するかどうかは、現在の年収や税金の負担、将来のお金の使い道などによって変わります。貯金700万円あるからといって、すべてをNISAやiDeCoに回すのではなく、緊急予備費や近い将来の支出分を確保したうえで、余裕資金の一部を活用するイメージが現実的です。制度の内容や上限額、対象商品などは、法改正などで変わる可能性があるため、利用前に必ず最新情報を確認しておきましょう。

20歳・独身女性・夫婦で考える『貯金700万』の判断

同じ貯金700万円でも、20歳なのか40歳なのか、独身女性なのか子どもがいる夫婦なのかで、その意味合いは大きく変わります。年齢や家族構成、今後のライフプランによって、必要な貯金額や資産運用の方針は大きく異なるためです。

この章では、20歳で貯金700万円を目指す現実性や、独身女性や夫婦の場合の安心度の目安、住宅購入や教育費との兼ね合いなどを整理します。実際に家計簿を改善して貯蓄を増やしたケースも交えながら、自分の状況に近いパターンをイメージしてみてください。

貯金700万を目指す現実性と方法

貯金700万円という金額は、一見すると大きく感じるかもしれませんが、時間を味方につければ現実的な目標にもなり得ます。特に20代や30代のうちから計画的に貯蓄を続ければ、無理のない範囲で達成できる可能性があります。大切なのは、一度に大きな金額を貯めようとするのではなく、毎月の習慣として貯金を続けることです。

例えば、毎月5万円を貯金に回すと、1年で60万円、10年で600万円になります。ボーナスから年間50万円を追加で貯金できれば、合計で10年ほどで700万円に到達します。もちろん、家賃や生活費、地域の物価、年収などによって、毎月の貯金額の目安は変わりますが、コツコツ続けることで大きな金額になることが分かります。

20歳前後から貯金700万円を目指す場合、実家暮らしで家賃や食費の負担が少ない時期に、貯蓄ペースを上げておくと有利です。家計簿アプリで支出を把握し、サブスクや交際費などの使いすぎを防ぎながら、先取り貯金を習慣にすることで、自然と貯金が増えやすくなります。つみたてNISAなどを併用すれば、長期の資産形成も視野に入ります。

一方で、すでに30代後半や40代で貯金が少ない場合でも、諦める必要はありません。毎月の固定費を見直し、収支を改善することで、少しずつ貯蓄ペースを高めることは可能です。副業や転職で手取り収入を増やすことも選択肢になりますが、体調や家庭の状況も踏まえて無理のない範囲で考えることが大切です。

貯金700万円が示す安心度と注意すべきポイント

貯金700万円あると、多くの人にとっては一定の安心感が得られます。数カ月から1年分以上の生活費をカバーできるケースが多く、急な出費にもある程度対応しやすくなるためです。ただし、「安心」といっても、それだけで老後まで問題ないという意味ではありません。安心度を正しく理解し、注意すべきポイントも押さえておくことが大切です。

まず、貯金700万円は、緊急予備費と近い将来のライフイベント資金をまかなううえで、大きな支えになります。例えば、失業して数カ月収入が途絶えた場合や、予想外の医療費が発生した場合でも、すぐに生活が破綻するリスクは下がります。住宅の修繕や家電の買い替えなどにも対応しやすくなるでしょう。

一方で、老後資金として考えると、700万円だけでは心もとないケースが多いです。老後の生活費が月15〜20万円かかるとすると、年金でカバーしきれない部分を貯金から取り崩す必要があります。平均寿命が延びていることを考えると、20年以上の生活費を支えるには、年金や退職金と合わせて、もう少し大きな金融資産が必要になることが多いです。

注意すべきポイントとしては、貯金があることで安心しすぎて、家計管理や資産運用をおろそかにしてしまうことです。インフレや税制の変化により、今の700万円の価値が将来も同じとは限りません。生活費や固定費を定期的に見直しつつ、預貯金と投資のバランスを考えることで、安心度を保ちながらお金を活用していく姿勢が重要です。

住宅購入・教育費・老後資金との兼ね合い

貯金700万円をどう使うかを考えるとき、住宅購入や教育費、老後資金とのバランスが大きなテーマになります。どれも高額になりやすい支出であり、すべてを自分の貯金だけで賄うのは現実的ではないケースも多いです。優先順位とタイミングを整理しながら、無理のない計画を立てることが大切です。

住宅購入では、頭金として貯金の一部を使うことが一般的です。頭金を多く入れれば住宅ローンの借入額を減らせますが、手元資金が少なすぎると、引っ越し費用や家具家電の購入、修繕費などで家計が苦しくなりかねません。貯金700万円のうち、どの程度を頭金に回し、どの程度を緊急予備費や生活費として残すかを慎重に検討する必要があります。

教育費については、子どもの人数や進路によって必要な金額が大きく変わります。公立中心であれば負担は比較的抑えられますが、私立や留学を希望する場合は、数百万円から1,000万円を超えることもあります。すべてを一度に用意する必要はなく、出産後からコツコツ積み立てていくことも可能ですが、早めに方向性を考えておくと安心です。

老後資金は、住宅ローン完済後や子どもの教育費が落ち着いた後に本格的に貯める人もいますが、できれば現役時代の早い段階から少しずつ準備を始めておくと負担が分散されます。NISAやiDeCoなどを活用しながら、毎月の積立額を無理のない範囲で設定し、長期で資産形成を進める考え方が役立ちます。住宅、教育、老後の3つを同時に完璧に準備するのは難しいため、自分の家庭にとって何を優先したいかを話し合いながら、バランスを取っていくことが重要です。

家計簿改善で貯蓄を増やしたケースと数値

実際に家計簿を改善することで、貯金額を増やしたケースは少なくありません。具体的な数値をイメージすると、自分の家庭でもどのくらい改善の余地があるか想像しやすくなります。ここでは、あくまで一例として、どのような行動が貯蓄アップにつながりやすいかを紹介します。

例えば、30代夫婦二人世帯で、手取り収入が月35万円、貯金は300万円という家庭を考えてみます。家計簿アプリで支出を見直したところ、外食費やコンビニでの買い物が月5万円、サブスクや通信費などの固定費が月4万円かかっていました。そこで、外食を月3万円に抑え、自炊を増やす工夫をし、不要なサブスクを解約して通信費も見直した結果、毎月の支出を合計で3万円削減できたとします。

この3万円を先取り貯金に回すと、年間で36万円、5年で180万円の貯蓄増につながります。ボーナスからも年間20万円を貯金に回すようにした結果、5年で合計280万円の貯蓄増となり、元の300万円と合わせて貯金580万円に到達します。ここに、投資信託の積立による運用益が加われば、700万円に近づく可能性もあります。

もちろん、すべての家庭が同じようにうまくいくとは限りませんが、「毎月数万円の改善」が数年後に大きな差になることはイメージしやすいはずです。家計簿をつけるのが面倒に感じる場合は、まずは大きな固定費からチェックしてみるのも一つの方法です。家賃の見直しは難しくても、スマホ料金や保険料、サブスクなどは比較的見直しやすく、効果も出やすい項目です。

今すぐ始める貯金700万からの資産形成

すでに貯金700万円ある人も、これから目指す人も、「今から何をすればよいか」が分かれば、行動に移しやすくなります。大切なのは、完璧な計画を立てることよりも、小さな一歩を積み重ねることです。

この章では、家計の把握や固定費の見直し、積立投資や口座整理、副業の検討など、今日から始められる具体的なステップを整理します。毎月・毎年のチェックポイントや、専門家に相談すべきタイミングも確認しながら、自分なりの資産形成の流れを作っていきましょう。

家計把握・固定費見直し・先取り設定の具体手順

貯金700万円から資産形成を進めるうえで、最初の一歩は「現状を正しく知ること」です。家計の全体像が見えていないと、どこを改善すべきか分からず、何となく不安だけが残ってしまいます。ここでは、家計把握から先取り貯金の設定までの流れを、具体的な手順として整理します。

まず、過去1〜3カ月分の銀行口座やクレジットカードの明細を確認し、収入と支出をざっくり分類します。家計簿アプリを使えば、自動でカテゴリ分けされるため、手間を減らせます。食費、光熱費、通信費、保険料、サブスク、交際費など、どの項目にどのくらいお金が流れているかを把握することが目的です。

次に、固定費の見直しに進みます。スマホ料金を格安プランに変更できないか、不要なサブスクがないか、保険料が今の家族構成に合っているかをチェックします。固定費は一度見直すと、その効果が毎月続くため、貯金ペースに大きな影響を与えやすい部分です。無理にすべてを削るのではなく、「使っていないもの」「同じサービスで安くできるもの」から手をつけるとよいでしょう。

最後に、先取り貯金の設定を行います。給与振込口座から貯蓄用口座に、毎月一定額を自動振替するように設定します。金額は、家計の状況を踏まえつつ、手取り収入の1〜2割程度から始める人が多いです。ボーナスがある場合は、ボーナス月に追加で貯金する金額も決めておくと、年間の貯蓄額を増やしやすくなります。この流れを一度整えてしまえば、あとは自動的に貯金が積み上がっていく仕組みができあがります。

積立投資・口座の整理・副業スタートの目安

家計の基盤が整ったら、次のステップとして積立投資や口座整理、副業の検討に進む人も多いです。これらは一度にすべて行う必要はなく、自分のペースで少しずつ取り入れていけば十分です。重要なのは、「なぜそれをやるのか」という目的を意識しながら進めることです。

積立投資を始める目安としては、まず緊急予備費として生活費3〜6カ月分を預貯金で確保できているかを確認します。そのうえで、当面使う予定のないお金の一部を、つみたてNISAなどで投資信託に回すイメージです。毎月1万円からでも始められるため、最初は少額で慣れながら、必要に応じて金額を増やしていく方法もあります。

口座の整理も、資産管理をしやすくするうえで大切です。給与振込口座、貯蓄用口座、投資用口座など、役割ごとに口座を分けると、お金の流れが見えやすくなります。使っていない口座が多いと管理が面倒になり、残高の把握も難しくなりがちです。不要な口座は解約し、メインで使う口座を絞ることで、家計管理の手間を減らせます。

副業については、まず勤務先の就業規則で副業が認められているかを確認することが前提です。そのうえで、自分の時間や体力、スキルを考えながら、現実的に続けられそうな選択肢を探します。副業収入が月2万円増えるだけでも、年間24万円、5年で120万円の差になります。税金や社会保険への影響もあるため、一定額以上の収入が見込める場合は、確定申告や住民税の扱いについても事前に調べておくと安心です。

資産配分の最適化と保険の見直しタイミング

資産形成を続けていくと、預貯金や投資信託、株式など、お金の置き場所が増えていきます。そのときに意識したいのが「資産配分」です。どのくらいを安全性の高い預貯金で持ち、どのくらいを値動きのある金融商品で運用するかによって、リスクとリターンのバランスが変わります。最適な配分は年齢やライフステージによって変わるため、定期的な見直しが必要です。

例えば、30代前半で独身の場合、長期の資産運用に時間を使えるため、預貯金と投資の割合を5対5や4対6とする人もいます。一方、40代で子どもがいる家庭や、老後が近づいている場合は、預貯金の割合を高めてリスクを抑える考え方が一般的です。同じ貯金700万円でも、どのように配分するかで、将来の資産の増え方や減り方が変わってきます。

保険の見直しタイミングとしては、結婚や出産、住宅購入、転職など、大きなライフイベントがあったときが一つの目安です。家族構成や収入が変わると、必要な保障額も変わります。例えば、子どもが生まれたタイミングで、死亡保障を増やす必要が出てくることがありますし、住宅ローンを組む際に団体信用生命保険に加入することで、別の生命保険を減らせる場合もあります。

また、年齢を重ねると保険料が上がる商品も多いため、若いうちに長期の保障を確保しておくメリットもあります。ただし、保険料が家計を圧迫してしまっては本末転倒です。貯金700万円ある場合は、ある程度のリスクは貯蓄でカバーできることも踏まえ、保険と貯金の役割分担を意識するとよいでしょう。

毎月・毎年のチェックリストと専門家に相談すべきタイミング

資産形成は、一度仕組みを作って終わりではなく、定期的な見直しが大切です。毎月と毎年のチェックポイントを決めておくと、家計の状況を把握しやすくなり、必要な修正も早めに行えます。また、自分だけで判断しにくい場面では、専門家に相談することも有効です。

毎月のチェックとしては、次のようなポイントがあります。まず、家計簿や明細を見て、収支が赤字になっていないかを確認します。赤字が続いている場合は、どの項目が増えているのかを特定し、対策を考える必要があります。次に、先取り貯金や積立投資が予定どおり実行されているかも確認します。引き落とし忘れや残高不足がないかをチェックすることで、計画どおりに貯蓄を進めやすくなります。

毎年のチェックでは、年収や手取り収入の変化、ボーナスの有無、家族構成の変化などを踏まえて、貯蓄目標や資産配分を見直します。例えば、昇給や転職で収入が増えた場合は、貯金や投資に回す割合を少し増やすことも検討できます。逆に、出産や住宅購入で支出が増えた場合は、一時的に貯蓄ペースを落とし、無理のない範囲に調整することも大切です。

専門家に相談すべきタイミングとしては、住宅購入や教育資金、老後資金など、大きなライフイベントの計画を立てるときが挙げられます。自分たちの年収や貯金額で、どの程度の住宅ローンが現実的か、教育費をどう準備するか、NISAやiDeCoをどのように使うかなどは、FPなどのプロに意見を聞くことで、選択肢を整理しやすくなります。相談する際は、自分の希望や不安を具体的に伝えることで、より自分に合ったアドバイスを受けやすくなります。

まとめ

貯金700万円は、多くの人にとって大きな安心材料となる金額です。ただし、その意味合いは年齢や家族構成、今後のライフプランによって大きく変わります。20代や30代であれば、統計上は平均や中央値より高い水準にあることが多く、40代以降では老後資金や教育費とのバランスを意識する必要が出てきます。

大切なのは、貯金額だけで安心・不安を判断するのではなく、家計の収支やライフイベント、年金や退職金の見込みなどを踏まえて、自分なりの目安を持つことです。緊急予備費を確保し、固定費を見直しながら先取り貯金や積立投資を続けることで、無理のない範囲で資産形成を進めやすくなります。NISAやiDeCoなどの制度は、税制や条件が変わる可能性があるため、利用前に最新情報を確認することも欠かせません。

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この記事を書いた人

田中 壮のアバター 田中 壮 株式会社TFPグループ代表取締役

2009年、株式会社STEPに入社し、システム開発を担当。市川市消防局でのレスキュー隊の経験を経て、2013年にプルデンシャル生命保険株式会社に入社し保険業界へ。2014年には個人保険販売ランキングで全社営業マン約4,000人中4位となり、2015年に営業所長に就任。その後、保険代理店(株式会社イコールワン)を共同創業。2018年に株式会社TFPグループを設立し、代表取締役に就任。自身はMDRT(生命保険・金融サービスの専門家が所属するグローバル組織)2024年度TOT(トップ・オブ・テーブル/最上級の資格)基準を達成。

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