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「実家暮らしはお金が溜まりやすいと聞くけどみんなどれくらい貯金があるの?」
「毎月決まった額の貯金ができていない…」
「もっと貯金を増やしたい!」
と悩んでいませんか?
物価高の影響もあって、家計のやりくりに頭を悩ませている人も多いでしょう。高齢化が進み、若いうちから老後に備えた貯金も確保していきたいところ。
突発的な状況に対応するためにも蓄えはあって困るものではありません。しかし、実際には思うように貯金ができていないという人も多いようです。
そこで、単身者の平均貯金額や実家暮らしなのに貯蓄ができない理由などについて解説します。貯金を増やしたい人のために、すぐ実践できるコツも合わせてご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
目次
近年、ライフスタイルの多様化により結婚に対する価値観が変化しています。離婚率は増加の傾向にあり、厚生労働省による2020年のデータでは4人に1人が生涯独身というデータもあるほど。
さらに、以下のデータを見ても分かる通り、未婚者の多くは実家暮らしを選択しています。
調査年 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
1982年 | 69.6% | 82.0% |
1992年 | 62.8% | 76.7% |
2002年 | 69.5% | 76.4% |
2010年 | 69.7% | 77.2% |
2015年 | 72.2% | 78.2% |
2021年 | 65.9% | 72.1% |
出典:国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査 結果の概要」
出生動向基本調査の結果を見ても分かる通り、実家暮らしの未婚者は依然として高い割合で推移しています。未婚者は増えることが予想されますが、これまでの推移を見ても今後実家暮らしの割合は大きく変わることはないでしょう。
経験がなくても、一人暮らしにはお金がかかるというイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。一人暮らしを始めてみると、実家暮らしのときには必要のなかった支出に頭を悩ませる人も少なくありません。
実際、一人暮らしより実家暮らしの人の方が、貯金しやすいといわれています。一人暮らしと実家暮らしでは一体何がどう違うのか、貯金しやすい理由について、まずは考えてみましょう。
貯金額がいくらあるのか、気になっても他人には聞きにくいものです。しかし、周りがどれくらい貯金をしているのか知る事はモチベーションアップにもつながります。
そこで、単身世帯の平均貯蓄額を年代別にまとめてみました。以下がその結果です。
年代 | 平均値 | 中央値 |
---|---|---|
20歳代 | 179万円 | 20万円 |
30歳代 | 606万円 | 56万円 |
40歳代 | 818万円 | 92万円 |
50歳代 | 1,067万円 | 130万円 |
60歳代 | 1,860万円 | 460万円 |
70歳代 | 1,786万円 | 800万円 |
出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)」
この平均貯蓄額は単身世帯を対象にしたものなので、実家暮らしの人は対象ではありません。しかし、独身者の貯蓄額としては参考になるでしょう。
平均値と中央値が大きく離れているため、貯金の有無について差が出てしまっていることが分かります。計画的に進めていかなければ貯金は増えず、まとまった金額を蓄えることは難しいでしょう。
単身者の平均貯蓄額が分かったところで、続いて1ヶ月あたりの支出額について見ていきます。以下は、2021年に行った家計調査の内訳と金額です。
費用 | 金額 |
---|---|
食料 | 38,410円 |
住居 | 22,116円 |
光熱・水道 | 11,383円 |
家具・家事用品 | 5,687円 |
被服及び履物 | 4,606円 |
保健医療 | 7,625円 |
交通・通信 | 18,856円 |
教育 | 7円 |
教養娯楽 | 17,106円 |
その他の消費支出 | 29,251円 |
消費支出計 | 155,046円 |
出典:総務省「家計調査 2021年(令和3年)1世帯当たり1か月間の収入と支出(単身世帯)」
単身世帯の消費支出は、1ヶ月あたり15万円ほどという結果になりました。しかし、実家暮らしの場合の多くは住居費や光熱費・食費・日用品などの費用をかけずに暮らすことも可能です。これらを合わせると、1ヶ月間の消費支出のうち8万円弱が不要という結果になります。
一人暮らしに比べると支出額が少なくなりやすいため、実家暮らしのほうが貯金しやすいといわれるのも納得できるでしょう。
実家暮らしの場合、住居費や光熱費・食費などの支出を考慮する必要がなくなります。しかし、実家暮らしだからといって全ての費用を親が払っているというわけでもありません。
SUUMOが実家暮らしをしている男女400人に調査したところ、実家暮らしの70%が家にお金を入れていることがわかりました。そして、その平均額は3万7,417円だそうです。(参照:SUUMOジャーナル「実家暮らし派に聞いた! ズバリ、家にいくらお金を入れている?」)
実家暮らしの7割の人が、住居費や光熱費、食費などに充当する目的でお金を入れています。しかし、先程の消費支出の内訳と金額を比較しても分かる通り、一人暮らしよりお金がかかっていません。差し引きしても4万円程度は無理なく貯金できる計算になります。
このことからも一人暮らしに比べて実家暮らしは支出が抑えられ、貯金しやすい環境にあるといえるでしょう。
これまで解説してきたように、一人暮らしに比べて実家暮らしは支出が抑えられるため貯金がしやすい環境です。それにもかかわらず、貯金ができていない人もいるでしょう。
1、2年目の新社会人であれば致し方ない部分もありますが、社会人経験を積んでいても貯金ができていないのなら改善した方がいいかもしれません。
以下のような特徴が当てはまらないか、自分自身でもチェックしてみましょう。
実家暮らしで貯金できない人の特徴
それぞれの特徴について、詳しく見ていきます。
貯金ができない人に最も多い特徴が、支出額を把握できていないパターンです。毎月どんな支出があって、金額はいくらか、きちんと把握していますか?
近年はキャッシュレス化が進み、現金を持たずに買い物ができてしまうため、いつ何にいくら使ったのか意識しにくいもの。しかし、支出の把握ができなければ、貯金を増やしていくことは難しいのが現実です。
たとえばクレジットカードならアプリで利用履歴を確認することができます。定期的にカードの使用履歴を確認し、支出を把握するクセを付けると良いでしょう。
貯金を増やしていくためには、計画性が重要です。逆に、計画性がない人は支出が抑えられる実家暮らしであっても貯金しにくいでしょう。衝動買いは貯金の天敵であり、繰り返すほど家計は苦しくなるばかりです。
しかし、さまざまなお店で購買意欲を掻き立てられるような工夫がされているため、財布の紐が緩んでしまうことも。あらかじめ計画を立てて買い物しなければ、なかなか貯金は増えていかないでしょう。
買い物前に「買うものリスト」を作成しておき、そこに書いたもの以外は買わないといった対策が考えられます。
貯金を継続して行っていくには、目標を立てることが重要です。何のために貯金をしたいのか、いつまでにいくら貯めたいのか、何も考えずに貯金しようとしていませんか?
しかし、明確な目標がない人は、誘惑に負けて無駄遣いしやすい傾向にあります。逆に、車を買うために貯金したい、50万円貯めて海外旅行に行きたい、などの目標があれば誘惑に立ち向かいやすいでしょう。
実家暮らしは貯金しやすいといわれるものの、実際にはほとんど貯蓄がない人もいるでしょう。ただ漠然と貯金を増やしたいと考えていても、実現は難しいかもしれません。
しかし、たった3つのコツを知っているだけで、貯金は増えやすくなります。実家暮らしでも貯金ができずに悩んでいる人は、以下を参考にしてください。
実家暮らしで貯金を増やすコツ
それぞれのコツについて詳しく見ていきましょう。
貯金をしたいなら、まずは毎月どれくらいの収入・支出があるのか把握するところからスタートしましょう。無駄を省くことは大切ですが、必要な支出を削ってしまうと長続きしません。何が無駄で、必要な支出はいくらあるのか、現状のお金の出入りを把握してください。
支出をこれ以上削れない場合、貯金を増やすためには収入を増やすしかありません。月によっては支出に偏りがでることもあるので、数ヶ月分の収支をチェックしましょう。
漠然と「貯金をしよう」という目標だけでは、なかなかお金は貯まりません。明確な目標があったほうが、貯金は成功しやすいでしょう。
まずは、おおまかな期日と金額を具体的に決めるところから始めてください。例えば、半年間で30万円、1年間で100万円、など短期間かつ実現しやすい金額を設定することをおすすめします。
短期的でかつ無理のない範囲で目標を立てればクリアしやすく、達成感が得られるため挫折しにくいのです。
毎月のお給料で支払いをしたあと、余った分を貯金することにしていませんか?これでは毎月の金額が安定せず、急な出費で貯金ができない月が発生してしまう可能性もあります。また、お金に余裕があると、ついつい余計な出費が発生してしまいかねません。
しっかりと貯金するなら、先取貯蓄がおすすめです。毎月の給料支給後すぐに、毎月決められた金額を貯金するようにすれば着実に貯金は増えます。
生活費と別口座で管理することはもちろん、老後資金のためならiDeCoやつみたてNISAなどを活用するのもおすすめです。
自動的に貯金ができる仕組みを作っておけば、途中で面倒になって貯金を辞めてしまうこともありません。
一人暮らしに比べて実家暮らしは、住居費や光熱費・食費などが抑えられるため貯金がしやすいといわれています。しかし、実家暮らしをしていても貯金ができないと悩んでいる人もいるでしょう。
貯金ができない人は、収支の把握ができていない場合や計画性がないケースがほとんどです。まずは明確な目標を定め、現在のお金の出入りを把握した上で先取貯蓄を行うなどがおすすめです。この記事を参考にして、貯金ができる仕組みを整えましょう。
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高柳政道
CFP・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
静岡県出身。小売業やメーカー営業を経験後にライターへ転身。 FP資格を活かして執筆業務を行う。 得意分野は「株式投資」「保険」「クレジットカード」「カードローン」など。 保有資格は「CFP」「1級ファイナンシャル・プランニング技能士」。
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