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医療費が10万円を超えた場合には医療費控除の利用が可能!申告方法や注意点もご紹介

2023.08.02
医療費が10万円を超えた場合には医療費控除の利用が可能!申告方法や注意点もご紹介

※この記事は商品プロモーションを含むことがあります。

高額な医療費を払っていて、生活が苦しくなってしまうという悩みを抱えている方もいるでしょう。

もし、年間で支払っている医療費が10万円を超えている場合には医療費控除が利用できるのはご存じでしょうか?

医療費控除を利用すれば、税金の負担を減らすこともできるため、定期的に通院している方や病気にかかってしまったという方はぜひ利用したい制度です。

今回は医療費控除を受けるための申告方法や適用される医療費の種類についてご紹介するので、ぜひご覧ください。

医療費が10万円を超えたら医療費控除が使える

医療

医療費控除とは、1年間(1月1日~12月31日)で支払った医療費が10万円を超えた際に最大200万円までの所得控除が受けられる制度です。

支払った医療費が戻ってくるというものではなく、支払った医療費に応じてその年の税金の金額を再計算するというものなので、税額が安くなる可能性があります。

また、安くなった税額に対して税金を支払いすぎていた場合には還付金を受け取ることもできます。

10万円を超えなかった場合は医療費控除を受けられないの?

医療

医療費控除を受けるためには10万円以上の医療費を年間で使用していることが条件ですが、それ以下の場合は控除を受けられないのか疑問に思う方もいるでしょう。

平成29年1月1日から令和8年12月31日までの間に自分または自分が生計を維持する扶養者に対して一般用医薬品を購入した場合はセルフメディケーション控除を受けることが可能です。

セルフメディケーション税制は12,000円を超える部分の金額を控除額とする制度で、88,000円を限度として受けることが可能です。

ただし、「健康の維持増進・疾病予防」の取り組みとして、申告者が対象となる1年間で特定健康診査といった所定の検査・検診を受けている必要があります。

また、医療費控除とは選択制であり、両方を受けることはできません。

医療費控除の対象とは?

医療費

医療費控除の対象となるものは下記の通りです。

  • 医師または歯科医師による診療または治療の対価(ただし、健康診断の費用や医師等に対する謝礼金などは原則として含まれません。)
  • 治療または療養に必要な医薬品の購入の対価(風邪をひいた場合の風邪薬などの購入代金は医療費となりますが、ビタミン剤などの病気の予防や健康増進のために用いられる医薬品の購入代金は医療費となりません。)(注)平成29年1月1日から令和8年12月31日までの間に支払う特定一般用医薬品等の購入費は、その年中に健康の保持増進および疾病の予防への取組として一定の健康診査や予防接種などを行っているときに、通常の医療費控除との選択により、セルフメディケーション税制(特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例)の対象となります。
  • 病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院、指定介護療養型医療施設、指定介護老人福祉施設、指定地域密着型介護老人福祉施設または助産所へ収容されるための人的役務の提供の対価
  • あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術の対価(ただし、疲れを癒したり、体調を整えるといった治療に直接関係のないものは含まれません。)
  • 保健師、看護師、准看護師または特に依頼した人による療養上の世話の対価(この中には、家政婦に病人の付添いを頼んだ場合の療養上の世話に対する対価も含まれますが、所定の料金以外の心付けなどは除かれます。また、家族や親類縁者に付添いを頼んで付添料の名目でお金を支払っても、医療費控除の対象となる医療費になりません。)
  • 助産師による分べんの介助の対価
  • 介護福祉士等による一定の喀痰吸引および経管栄養の対価
  • 介護保険等制度で提供された一定の施設・居宅サービスの自己負担額
  • 次のような費用で、医師等による診療、治療、施術または分べんの介助を受けるために直接必要なもの

引用:国税庁

治療の対価や医薬品に対してはもちろんですが、看護師等の療養上の世話に対する対価や通院にかかる交通費等も控除の対象となります。

そのため、病院へかかるために使用した明細の分かる領収書等は全て保管をしておくようにしましょう。

医療費控除の金額の計算方法

計算

医療費控除の金額は「(実際に支払った医療費の合計額 – 保険金等で補填される金額)- 10万円(※)」で計算が可能です。

※その年の総所得金額等が「200万円未満」の人の場合、総所得金額等の5パーセントの金額

例えば、年間で支払った医療費が100万円で、保険金として補填されている金額が40万円だったという場合には、(100万円 – 40万円)- 10万円 = 50万円となります。

そのため、50万円が医療費控除の金額となり、所得から50万円分を差し引いて申告をすることができます。

医療費控除の対象にならないのはどのようなものがある?

NG

医療費控除の対象にならないのは下記のようなものがあります。

  • 通院に利用したタクシー代(公共交通機関が使用できない場合を除く)
  • 通院に自家用車を利用した場合のガソリン代や駐車場代
  • 健康診断の費用
  • 整形費用
  • 治療を受ける上で必須ではない近視、遠視のための眼鏡、補聴器等の購入費用
  • 予防接種やサプリメント等の費用
  • 親族に支払う療養上の世話の対価
  • 親族などから人的役務の提供を受けたことに対し支払う謝礼 など

引用:国税庁

上記のように必須ではないような治療であったり、公共の交通機関を利用しなかった場合には医療費控除の対象外となります。

そのため、全ての治療で控除が受けられるわけではないということを覚えておくようにしましょう。

医療費控除を受けるための手続き

手続き

医療費控除を受けるためには下記の手順で手続きを行いましょう。

  • 医療費控除に該当する金額をまとめる
  • 医療費控除額を算出する
  • 確定申告書と医療費控除の明細書を用意する
  • 書類の準備ができたら税務署へ提出する

医療費控除に該当する金額をまとめる

医療費控除を受けるためには、まず該当する金額をまとめましょう。

例えば、今年は治療費にいくら支払ったのか、薬代としていくら支払ったのかをまとめて、その金額が全て控除の対象なのかを確認しましょう。

もし、控除対象外の治療費があった場合には申告ができないので、その金額は差し引くようにしてください。

医療費控除額を算出する

医療費控除に該当する金額がまとめられたら、先ほど紹介した(実際に支払った医療費の合計額 – 保険金等で補填される金額)- 10万円という計算式に金額を当てはめていきましょう。

式に当てはめて医療費控除額が算出できたら、実際に申告をする紙への記入を行います。

確定申告書と医療費控除の明細書を用意する

医療費控除を受けるためには確定申告を行う必要があります。

そのため、確定申告書の記入と医療費控除の明細書を用意しましょう。

確定申告書も医療費控除の明細書も国税局のサイトよりダウンロードできるので、一度確認してみてください。

書類の準備ができたら税務署へ提出する

確定申告書と医療費控除の明細書が記入できたら、税務署へ書類を提出しに行きましょう。

もちろん、直接提出することも可能ですが、税務署へ行く時間がないという方は郵送やe-Taxを利用して自宅からの申告を行うこともできます。

あなたのライフスタイルに合った方法を選んで確定申告を行ってください。

確定申告が終わっても領収書は保管しておこう

レシート

確定申告が終わったからといって、手元にある領収書を破棄してしまうという方もいますが、領収書は5年間保管をする必要があります。(参照元:国税庁

確定申告時に提出する必要はありませんが、何か確認事項があった場合には税務署から提出を求められます。

提出を求められた際に困らないように、失くさずにまとめて保管しておくようにしてください。

まとめ:医療費は10万円を超えた場合に控除が受けられる!超えない場合の控除もあるので活用しよう!

10万円

医療費控除は10万円を超えた場合に受けられる制度でした。そのため、年間で高額な医療費を払っているという場合には、忘れずに申告をすることが大切です。

もし、10万円を超えていなかったという場合にも、セルフメディケーション控除が受けられる可能性もあるので、医薬品の服用をしている方はチェックしておきましょう。

今回紹介した内容を参考に、あなたが医療費控除を受けられるのかどうか、医療費控除はどれくらいの金額になるのかを計算してみてください。

高柳政道

高柳政道

CFP・1級ファイナンシャル・プランニング技能士

静岡県出身。小売業やメーカー営業を経験後にライターへ転身。 FP資格を活かして執筆業務を行う。 得意分野は「株式投資」「保険」「クレジットカード」「カードローン」など。 保有資格は「CFP」「1級ファイナンシャル・プランニング技能士」。

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