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年末調整が間に合わないとどうなる?損をしない間に合わなかったときの対処法も解説

2023.07.01
年末調整が間に合わないとどうなる?損をしない間に合わなかったときの対処法も解説

※この記事は商品プロモーションを含むことがあります。

「年末調整の書類を会社に提出するのを忘れてしまった」「年末調整を提出しないことによるデメリットはあるの?」という疑問を抱える方もいるでしょう。

そこで、今回は年末調整の提出が間に合わない場合はどうなるのかということをご紹介します。

また、間に合わなかった時の対処法についても解説するので、ぜひご覧ください。

年末調整を行うのはいつまで?

年末調整

年末調整は会社が書類を税務署へ提出するもので、提出期限は翌年の1月31日までとされています。

従業員は会社よりも早く提出が必要

年末調整の書類は会社が税務署に提出をするものなので、従業員は会社側へ早めに提出をする必要があります。

そのため、年末が近づいてくる10〜11月頃に書類が会社から渡され、会社によって設定されている期限までに書類を提出するという仕組みです。

税務署への提出は1月31日までの期限ですが、会社での期限は内容の確認等があるので、早めに設定されていることもあります。

年末調整の書類提出が間に合わない場合はどうなるの?

急ぐ

もし、年末調整の書類提出が間に合わない場合は以下の4つのことが起こります。

  • 年末調整の際に申告できる控除が適用されなくなる
  • 税金の還付が受けられない
  • 自分で確定申告をしないといけない
  • 確定申告を忘れると税金の未払いが発生することも

年末調整の際に申告できる控除が適用されなくなる

年末調整には、所得控除を受けることができる制度がありますが、提出が遅れてしまうと控除が受けられなくなります。

控除が受けられるものとしては以下のようなものがあります。

  • 扶養控除等(異動)申告書を提出して受けられる控除
  • 基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書を提出して受けられる控除
  • 保険料控除申告書を提出して受けられる控除
  • 住宅ローン控除申告書を提出して受けられる控除

(参照元:国税庁

控除を利用することで、所得に対してかかる税金を減らせる可能性があるため、提出が遅れないように注意しましょう。

税金の還付が受けられない

年末調整を行うと、所得控除等を考慮した税額が算出されるので、多く納税していた場合はその分の税金が還付されます。

もし、年末調整を行わなかった場合には、多く納税していた分の税金の還付を受けることができません。

そのため、税金の過払いが発生してしまい、損をしてしまいます。

また、翌年6月以降の住民税も申告した際の課税所得で算出されるので、控除を受けないと金額が高くなることもあるため注意が必要です。

自分で確定申告をしないといけない

会社で年末調整をすることによって、従業員が自ら所得を計算し、税務署に出向いて確定申告をする手間が省けます。

しかし、年末調整ができなかった場合には、自分で確定申告用の書類を作成し、税務署へ提出をする必要があります。

その年にいくらの給料をもらったのか、どのような控除があったのかなどを自分で記入するので面倒に感じる方がほとんどでしょう。

そのため、できる限り年末調整の提出は遅れないようにすることが大切です。

確定申告を忘れると税金の未払いが発生することも

もし、会社への年末調整書類の提出が間に合わなかったのに、確定申告もしなかった場合には、所得税法違反に問われる可能性があります。(参照元:国税庁

そのため、無申告課税や延滞税といった本来支払う必要がなかったはずの税金が課せられる恐れがあるので注意が必要です。

還付申告ができなかった上に、本来支払わないはずの税金が課せられると大きな損となるので、必ず申告は行う様にしましょう。

年末調整に間に合わなかった場合の対処法

遅刻

もし、年末調整に間に合わなかった場合にはどうしようもないのか?という疑問を持つ方もいるでしょう。

そこで、年末調整に間に合わなかった場合の対処法は下記の2つがあります。

  • 1月31日までに会社に書類が提出できれば間に合うことも
  • 1月31日を過ぎる場合は確定申告をしよう

1月31日までに会社に書類が提出できれば間に合うことも

もし、会社への提出期限が遅れてしまったという場合でも、税務署への提出期限である1月31日までに書類を提出できれば間に合うことがあります。

ただし、余裕を持って事前に提出していることが多いため、1月31日ギリギリに提出をしようとしても受け取ってもらえないこともあるでしょう。

そのため、会社への提出が遅れてしまうのであれば、担当の方に事前に相談をしておくのがおすすめです。

1月31日を過ぎる場合は確定申告をしよう

年末調整の書類の提出が確実に1月31日を過ぎてしまうという場合には、自分で確定申告をしましょう。

確定申告の提出は2月16日〜3月15日までとなっているので、その期限内にあなたの住んでいる地域の税務署へ確定申告書を提出するようにしてください。

確定申告も忘れてしまうと、前述したように支払う必要がなかった税金が課せられる恐れもあるので注意が必要です。

現在、確定申告は直接税務署へ出向いて申告する方法だけでなく、郵送やe-Taxといった提出に出向く手間を省く方法もあるので、時間がないという方はこちらを利用してみてください。

年末調整の書類提出を遅れないようにするポイント

キーポイント

年末調整の書類提出を遅れないようにするために、下記の2点を行っておくようにしましょう。

  • 提出する書類は早めに取り寄せる
  • 事前に所持している書類は無くさないようにまとめておく

提出する書類は早めに取り寄せる

年末調整で各種控除を受けるためには、証明書が必要となります。例えば、保険料の控除を受けるためには、加入している保険会社より証明書を取り寄せなければいけません。

証明書の発行は即時できるものではないため、期限ギリギリに申請をすると、提出が間に合わなくなる恐れもあります。

また、転職をしていた場合には、前職の源泉徴収票が必要になるため、こちらの書類も用意しておきましょう。

事前に受け取っている場合もありますが、受け取っていなかった場合には早めに連絡をして、源泉徴収票を送付してもらうようにしてください。

事前に所持している書類は失くさないようにまとめておく

保険会社が事前に控除証明書を送ってきていた場合や、前職の源泉徴収票をもらっていた場合は、書類を失くさないようにまとめておきましょう。

もし、書類を紛失してしまったという場合には、再度発行をしてもらう必要があるので、時間がかかります。

その影響で年末調整の書類提出日に間に合わなくなるということも考えられるため、事前に受け取った書類は大切に保管してください。

関連記事:副業をしていると年末調整はどうすればいい?確定申告が必要な金額や注意点を徹底解説

年末調整に関するよくある質問

質問

年末調整が年末以外に行われることはありますか?

死亡退職や海外への転勤などがあった場合には年末以外に年末調整を行うこともあります。

会社が年末調整の提出に間に合わなかった場合はどうなりますか?

もし会社が年末調整の提出に間に合わなかったという場合には、従業員が自ら確定申告を行う必要があります。

まとめ:年末調整が間に合わない場合は確定申告を忘れずに

年末調整

会社で指定されていた年末調整の提出期限に間に合わなかったという場合でも、1月31日までであれば提出が間に合うこともあります。

もし、年末調整に間に合わなかったという場合には、自分で確定申告をすることで対応することが可能です。

確定申告を忘れてしまうと、未納の税金が発生してしまう恐れもあるため、注意しましょう。

高柳政道

高柳政道

CFP・1級ファイナンシャル・プランニング技能士

静岡県出身。小売業やメーカー営業を経験後にライターへ転身。 FP資格を活かして執筆業務を行う。 得意分野は「株式投資」「保険」「クレジットカード」「カードローン」など。 保有資格は「CFP」「1級ファイナンシャル・プランニング技能士」。

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