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「老後の生活費が不安」
「夫婦2人でどれくらいの生活費がかかるの?」
「年金で足りない分はどう備えれば良いんだろう?」
老後の生活について、不安を感じている人は多いでしょう。しかし、ただ漠然と不安に感じていても、何の備えもないまま老後生活に突入してしまうかもしれません。
豊かな老後生活を送るには、生活費がいくら必要なのか、公的年金で補えない具体的な金額を知ることが重要です。老後の生活費について詳しく知った上で、どのような対策が必要か考えましょう。これからできる老後の対策についてもご紹介しますので、夫婦2人でじっくり考えてみてください。
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老後2,000万円議論が繰り広げられたことはまだまだ記憶に新しく、生活費に不安を抱えている方も多いでしょう。逆に、漠然と「なんとかなるだろう」と根拠なく思い込んでいる方もいるかもしれません。
第二の人生である老後を豊かに暮らしていくには、実際にどれくらいの生活費がかかるのか知っておくことが重要です。まずは、夫婦の老後の生活費について、以下の項目について、確認しておきましょう。
それぞれの項目について、詳しく説明していきます。
豊かな老後を送る上で、資金計画を立てることは非常に重要です。しっかり考えておかないと、老後の生活費が足りずに思ったような生活が送れない可能性もあります。
まずは、世間が夫婦2人が老後に最低限の生活を送るためにいくら必要と想定しているのかを確認してみましょう。
最低日常生活費 | 割合 |
---|---|
15万円未満 | 5.9% |
15~20万円未満 | 13.0% |
20~25万円未満 | 29.4% |
25~30万円未満 | 13.1% |
30~40万円未満 | 17.0% |
40万円以上 | 1.9% |
わからない | 19.6% |
平均金額 | 22.1万円 |
出典:生命保険文化センター『令和元年度「生活保障に関する調査」』
生命保険文化センターの調査によると、もっとも多かったのは20~25万円で29.4%。つつましい生活を送るのであれば、20~25万円あれば足りると考えている人が多いようです。平均金額は22.1万円でした。
先ほどご紹介した生活費は、老後に夫婦が最低限の生活を送るために必要な費用です。贅沢ができるわけではありません。それでは、ゆとりある老後生活を送るためにはいくら必要だと想定しているのでしょうか。生命保険文化センターの調査によれば、以下のような結果となっています。
ゆとりのための上乗せ額 | 割合 |
---|---|
10万円未満 | 20.6% |
10~15万円未満 | 33.9% |
15~20万円未満 | 4.9% |
20~25万円未満 | 8.3% |
25~30万円未満 | 2.1% |
30万円以上 | 10.6% |
ゆとりのある老後生活を送るつもりはない | 1.5% |
わからない | 18.1% |
平均金額 | 14.0万円 |
出典:生命保険文化センター『令和元年度「生活保障に関する調査」』
調査結果によればゆとりある老後生活を送るためには、10〜15万円ほど必要だと考えていることが判明しました。老後の夫婦2人の最低日常生活費は平均22.1万円。つまり、ゆとりのある生活を送るには合計で36.1万円の生活費が必要なことになります。
それでは、実際は老後の生活費がどれくらいかかるのでしょうか。ここからは、夫婦2人で暮らしている65歳以上の無職世帯の実際の生活費について詳しくみていきましょう。
項目 | 月額平均 |
---|---|
消費支出計 | 224,436円 |
食料 | 65,789円 |
住居 | 16,498円 |
光熱・水道 | 19,496円 |
家具・家事用品 | 10,434円 |
被服及び履物 | 5,041円 |
保健医療 | 16,163円 |
交通・通信 | 25,232円 |
教育 | 2円 |
教養娯楽 | 19,239円 |
その他の消費支出 | 46,542円 |
非消費支出 | 30,664円 |
支出計 | 255,100円 |
総務省の2021年の家計調査年報によれば、総支出は月額255,100円でした。先程のアンケートの結果では最低限必要だと考えている生活費は22.1万円。想定と現実では34,000円の差があることがわかります。必要な金額はライフスタイルや住居費などによって大きく変わりますが、想定よりは多めの貯蓄が必要だと言えるでしょう。
老後に必要な生活費の平均額は、夫婦2人で255,100円でした。この生活費は支給される年金でまかなえるのでしょうか。年金で足りない分については、自分たちで補填しなければなりません。続いて、夫婦2人で支給される実際の年金額について見ていきましょう。
※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
日本年金機構によれば、平均的な収入で40年間就業した場合、夫婦2人分の年金額は約22万円だそうです。これは、あくまで厚生年金を納めた会社員に限られ、国民年金に加入している自営業の人は含まれません。国民年金加入に場合は、老齢基礎年金のみの支給となるため、支給される年金額がかなり低くなるため注意してください。
老後夫婦2人で必要な生活費は、実際に支給される公的年金のみではまかなえないことがデータでも分かっていただけたでしょう。このままでは、最低限の生活さえ送れない事態に陥ってしまいかねません。そのため、足りない分のお金は貯蓄で補填する必要があります。どれくらいの貯蓄が必要となるのか、計算してみましょう。
255,100円 – 219,593円 = 35,507円
35,507円 × 12ヶ月 × 30年 = 1,278万2,520円
老後30年間を夫婦で2人で生活すると仮定すれば、税金や社会保険料まで考慮すると最低限の生活を送るために1,278万2,520円の貯蓄が必要になるという結果に。
ゆとりある老後生活を送るためには、もっと多くのお金を用意しなければなりません。その額はなんと、約5,000万円にものぼります。この金額をすぐに用意することは簡単ではないため、若いうちから計画的に貯蓄していくことが重要です。
これまでの説明で分かったように、老後の生活費は支給される年金だけでは足りません。いざ老後生活に突入したあとに、生活費が足りないと焦っても後の祭りです。
仕事が見つからなければ生活費を切り詰めていくしかなく、豊かな第二の人生を送ることは厳しいでしょう。そうならないためにも、早い段階から対策しておくことが重要です。老後に向けてできる対策は、具体的には以下の5つが考えられます。
老後に向けてできる対策
それぞれ詳しく説明していきましょう。
まず、老後に向けてできる対策として、できるだけ長く仕事を続けることです。不足額は4万円ほどというデータをご紹介しましたが、これは働いていない夫婦のケース。少しでも働いて公的年金以外の収入を得られれば、不足分はカバーできるのです。
そのため、可能な限り夫婦とも長く仕事を続けましょう。不足を補うだけなら、現役時代と同様にフルタイムで働く必要はありません。自分のペースでアルバイトをするなど、最低限の収入を得るために働くことを検討してください。
60歳以降も仕事を続けると決めた場合、知っておくべきなのが高年齢雇用継続給付制度です。厚生労働省によると、高年齢雇用継続給付とは、60歳から65歳までの期間の賃金低下を補うための給付金です。
定年退職後も希望があれば65歳までの継続雇用が義務とされていますが、基本的に給与は下がる傾向があります。
給与額が60歳到達時の75%未満となった場合、給与額の15%を上限に給付金が受け取れます。ただし、雇用保険に5年以上加入していなければなりません。申請書の提出は原則事業主を経由して行います。給付対象の場合は申請されているかしっかり確認しましょう。
公的年金の受給開始年齢は原則65歳ですが、早く受給する繰上げも、受給開始を遅らせる繰下げも可能です。受け取れる年金額を増やしたい場合は、繰下げを検討しましょう。
繰下げによって、最大84%の増額が期待できます。年金受給の開始については、以下の日本年金機構の発表を参考にしてください。
老齢基礎(厚生)年金は、65歳で受け取らずに66歳以降75歳まで※の間で繰り下げて増額した年金を受け取ることができます。繰り下げた期間によって年金額が増額され、その増額率は一生変わりません。なお、老齢基礎年金と老齢厚生年金は別々に繰り下げすることができます。
公的年金の受給開始を繰下げることにより、支給される年金が増額されるため足りない生活費に回せます。ただし、受給開始までの生活費は貯蓄や就労によって捻出しなければなりません。仕事を長く続けられるなど夫婦の生活費が捻出できる場合は、ぜひ検討してみると良いでしょう。
個人年金保険とは、公的年金を補填する目的で加入する私的年金の1つです。契約時に定めた年齢から一定期間または一生涯に渡って、年金が受け取れます。個人年金保険は長期的に保険料を積み立てられる貯蓄型の保険であり、老後の資金を貯めるのに最適です。
また、個人年金保険料税制適格特約が付加されていれば個人年金保険料控除が受けられるメリットも。ただし、途中で解約すると解約返戻金が元本割れする可能性もあるので注意してください。万が一死亡した場合は払い込んだ保険料と同額を受け取れるため、保険という形で備えておくのも良いでしょう。
iDeCoは、老後資金準備を支援するために国が設けた年金制度です。個人で拠出した掛金を自分で運用し、資産を形成します。掛金拠出時や運用時、受給時と加入してから給付を受け取るまでの全期間に渡り、税制上の優遇を受けられる点がメリットです。
掛け金は月額5,000円から1,000円単位で自由に選択でき、無理のない範囲で積み立てられます。ただし、原則60歳までは引き出せません。また、職業によって加入資格が異なるため注意が必要です。会社に企業型確定拠出年金制度がある場合は、そちらを利用して老後の資産形成を行うのも良いでしょう。
老後の生活費を捻出するためには、投資などで資産を増やすことも視野に入れる必要があります。とは言っても、投資未経験者にとってハードルは低いものではありません。そんな人におすすめなのが、つみたてNISAです。運用益が非課税となるつみたてNISAは、長期にわたる積立型の投資を促すためにできました。
毎年の非課税投資枠が40万円あり、最大20年間運用できます。得られた利益や分配金には税金がかかりません。投資対象も金融庁が長期的な積立や分散した投資に適していると判断した金融商品のみなので初心者でも安心して利用できます。
夫婦2人で生活する場合、最低限の生活費でも公的年金だけではまかなえないケースがほとんどです。老後生活が30年あると仮定すれば、1,200万円以上のお金を別途用意しておく必要があります。ゆとりある老後生活のためには、夫婦で5,000万円以上の資金が必要となるため、計画的に貯蓄することが重要です。
定年後もできるだけ長く働き続けることや、年金受給を繰下げることはもちろん、資産形成にも力を入れていきましょう。個人年金保険やiDeCo・つみたてNISAなど税制上の優遇を受けられる制度をぜひ利用してみてください。
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高柳政道
CFP・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
静岡県出身。小売業やメーカー営業を経験後にライターへ転身。 FP資格を活かして執筆業務を行う。 得意分野は「株式投資」「保険」「クレジットカード」「カードローン」など。 保有資格は「CFP」「1級ファイナンシャル・プランニング技能士」。
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