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還付申告とはどのような制度?税金が返ってくる?確定申告との違いや必要書類について解説

2023.08.02
還付申告とはどのような制度?税金が返ってくる?確定申告との違いや必要書類について解説

※この記事は商品プロモーションを含むことがあります。

「還付申告とはどのようなものなの?」「確定申告や年末調整とはどのような違いがあるの?」という疑問を持っている方も多いでしょう。

そこで、今回は還付申告とはどのようなものなのかをご紹介します。

また、確定申告や年末調整との違い、申告に必要な書類についても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

還付申告とは

申告

還付申告とは予定納税や源泉徴収で納めている所得税額が、納めるべき金額よりも多い場合に確定申告を行うことで還付を受けられる制度です。(参照元:国税庁

会社で働いている方は年末調整のみで、確定申告を行わないという方が多いため、還付を受けられることに気づいていないという方も多くいます。

また、控除できる対象を知らないという場合もあるので、この機会に確認をしておくと良いでしょう。

確定申告との違い

還付申告を行う際には、確定申告書を用いて行うため確定申告との大きな違いはありません。

しかし、申告期間に違いがあります。

確定申告は課税の対象となる年の翌年2月16日から3月15日の期間中に行いますが、還付申告は課税対象となる年の翌年から5年間が対象期間です。

もちろん、通年で申請を受け付けているので、いつでも申請をすることができます。

年末調整との違い

年末調整は確定申告のように自分で行うものではなく、会社が給与や控除額を計算して従業員の代わりに申請を行います。

一方で還付申請は自分で行う必要があるものです。手続きは確定申告と同様となっています。

還付申告ができる2つのパターン

二つ

還付申告ができる人は下記の2つのパターンがあります。

  • 予定納税をしている個人事業主
  • さまざまな控除を受けている給与所得者

予定納税をしている個人事業主

前年の所得金額等を考慮して、計算をして算出された金額が15万円以上の場合に、所得税を事前に納付することができる制度を予定納税と言います。

例えば、30万円の予定納税を行っていたが、業績が悪化してしまい、納税額が20万円になったという場合には、還付申告を行うことが可能です。

還付申告をすることで、余計に支払ってしまった10万円をもらうことができます。

さまざまな控除を受けている給与所得者

年末調整で社会保険控除などの控除を受けられますが、医療費控除・雑損控除・寄附金控除・住宅ローン控除といった控除を受けることができません。

そのため、上記の控除が発生している場合には自身で還付申告を行い、支払いすぎている税金を還付してもらうことが可能です。

また、年の途中で退職をして、年末調整を行っていないという場合にも還付申告をすることで税金が返ってくる場合があります。

各種控除の計算方法

計算

各種控除額の計算方法は下記の通りです。

  • 医療費控除の計算方法
  • 雑損控除の計算方法
  • 寄附金控除の計算方法
  • 住宅ローン控除の計算方法

医療費控除の計算方法

医療費控除の計算方法は、実際に支払った医療費の合計額 – 保険金等で補填される額 – 10万円(その年の総所得金額等が200万円未満の場合は、総所得金額等の5%の金額)です。(参照元:国税庁

例えば、40万円を支払っていて、保険金で補填される金額が10万円だった場合には、40万円 – 10万円 – 10万円 = 20万円となります。

上記の計算式よりも安い医療費だった場合には、控除の対象にならないため注意しましょう。

雑損控除の計算方法

雑損控除は災害や盗難、横領等によって家屋や家財へ損害が出た場合に、控除が受けられるという制度です。

雑損控除は、(損害金額 + 災害等関連支出の金額-保険金等の額)-(総所得金額等)× 10%または(災害関連支出の金額 – 保険金等の額)- 5万円のいずれか多い方で算出されます。

この際の損害金額とは、損害を受けた時点の資産の時価によって算出される金額です。

もし、損失額が大きく、その年の所得金額から控除しきることができなかった場合は、3年間まで控除を繰り越すことができます。(参照元:国税庁

寄附金控除の計算方法

寄附金控除は国や地方公共団体、特定公益増進法人などに特定寄付金を支払ったという場合に受けることができる所得控除です。

寄附金控除の金額は、その年に支出した特定寄附金の額の合計額と、その年の総所得金額等の40%相当額のどちらか低い方から2000円を引いて算出します。(参照元:国税庁

例えば、寄付金額の合計額が20万円で、所得金額が400万円だった場合には寄付金額の方が低いため、20万円 – 2000円 = 19万8000円となります。

住宅ローン控除の計算方法

住宅ローン控除が適用されるのは、マイホームを新築した場合や、取得又は増改築等を行った場合です。

また、控除期間が決められており、平成26年3月以前の場合と平成26年4月〜令和3年12月の場合は10年間、令和元年10月〜令和4年12月の期間に消費税率10%などの条件を満たした場合は、13年間の控除を受けられます。

例えば、平成28年に2,000万円の住宅をローンで購入した場合は、2,000万円 × 1% × 10年 = 200万円が控除の上限額です。

ただし、2022年の税制改正により、2022年以降に住宅ローン控除が適用される方の控除率は0.7%、控除期間13年間(既存住宅および増改築は10年間)になります。

還付申告が受けられない場合とは

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確定申告が受けられないのは下記のような場合があります。

  • 元々確定申告を行う必要があって予定納税をしていない個人事業主
  • 還付申告の対象となる控除がない給与所得者

元々確定申告を行う必要があって予定納税をしていない個人事業主

個人事業主で予定納税をしていた場合には、還付申告を受けることができると前述しました。

しかし、予定納税をしていないという個人事業主の方は、還付申告が受けられません。

個人事業主は、もとより確定申告を行う必要があるため、還付申告をしなくても、支払いすぎてしまった分の税金の還付を受けることができます。

還付申告の対象となる控除がない給与所得者

給与所得者で、医療費控除・雑損控除・寄附金控除・住宅ローン控除を受けられるという方は還付申告の対象でした。

しかし、上記の控除を受けられないという方は還付申告の対象外となります。

還付申告を行う方法

方法

還付申告を行うためには下記の方法を行いましょう。

  • 必要書類を用意する
  • 確定申告書を記入する
  • 還付申告の期限内に書類を提出する

必要書類を用意する

まずは、還付申告を行うために必要な下記の書類を用意しましょう。

  • 源泉徴収票
  • 控除証明書類
  • マイナンバーカードや運転免許証等の本人確認書類

源泉徴収票は提出しませんが、確定申告書へ所得金額を記載するときに必要なので、取得をしましょう。

保険会社等から受け取れる控除証明書類は郵送されてくることがほとんどですが、もし受け取れていないという場合には申請をして、発行してもらう必要があります。

確定申告書を記入する

必要書類が用意できたら、確定申告書へ給与額や控除額等の必要事項を記入していきましょう。

確定申告書にはAとBの2種類があり、Aの方が記入する所得の種類が少なくなっています。

どちらを利用しても申告はできるので、あなたがもらっている所得に応じて使い分けましょう。

還付申告の期限内に書類を提出する

全ての書類を用意して、確定申告書を記入することができたら、還付申告ができる対象年の翌年から5年以内に申告をしましょう。

確定申告と同様の方法で書類提出ができるため、税務署へ直接書類を持ち込んでも構いませんし、仕事の都合上持ち込めないという場合にはe-Taxや郵送でも申告が可能です。

あなたの都合の良い方法で申告をするようにしてください。

還付金が振り込まれるのはいつ?

カレンダー

還付金の申請を行ってから振り込まれるまではいつなのかと気になるという方も多いでしょう。

還付金は直接の提出または郵送の場合は1〜2ヶ月、e-Taxの場合は3週間程度と言われています。

確定申告の時期等と被ってしまうと還付金の振込が遅れることもあるので、注意しましょう。

まとめ:還付金を受けられる控除がある場合には会社員でも確定申告を行おう

サラリーマン

還付金は年末調整では控除されない控除金額がある場合や、予定納税を行ったがそれよりも納税額が安くなった個人事業主が受けられるものでした。

また、還付金をもらうためには確定申告を行って、控除額を国に申請する必要があります。

今回紹介した控除を受けられるという場合には、忘れずに確定申告を行って還付金を受け取るようにしてみてください。

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