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「特定支出控除制度とはどんな制度なの?」「使えないと言われているけど実際はどうなの?」という疑問を持っている方もいるでしょう。
そこで今回は、特定支出控除制度とはどのような制度なのか、控除対象となるのはどのようなものがあるのかについて解説をします。
また、使えないと言われている理由についてもご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
特定支出控除制度は仕事にて使用するものを購入した際などに、自己負担した金額が基準を満たしていれば、所得から控除を受けることができる制度です。
そのため、会社に勤めている方でも個人事業主のように自己負担分にかかる税金を減らすことができます。
適用される支出には制限があるので、その点には注意が必要です。
国税庁によると、特定支出控除制度が適用される条件として、まず給与所得者ある必要があります。
それに加えて、その年中の給与所得控除額の2分の1以上の金額である場合に特定支出控除を受けることが可能です。
この条件を満たしていないと特定支出控除を受けることができません。
特定支出控除の対象になる支出には次の6つがあります。
勤務先へ公共交通機関を利用している場合や、自家用車で通勤している場合のガソリン代等は特定支出控除の対象となります。
しかし、交通費が会社から支給されているという場合には控除の対象にならないので注意しましょう。
会社の都合によって意図せぬ転勤が必要になる場合もあるでしょう。その際にかかった転居費も特定支出控除の対象になります。
荷物の運送にかかった料金はもちろん、運送をするために必要だった梱包材等も全て経費として計上することが可能です。
ただし、会社から引っ越し費用が支給された場合は控除の対象になりません。
仕事をさらに円滑に進めるために、スキル向上を目的とした研修に参加していた場合などには研修費を控除することができます。
研修に必要だった金額のうち、個人で支払った分は経費として計上できるので、交通費等も含めて控除を受けることが可能です。
仕事をする上で必要な資格を取得するために必要だった経費も控除対象となります。
以前は弁護士、公認会計士、税理士などは資格取得費の対象外となっていましたが、平成25年以降は資格取得費の対象となっているので、覚えておきましょう。
単身赴任等生計を同一にしている配偶者と離れた場所で勤務をしているということもあるでしょう。
その場合に、実家へ帰省することを目的とした支出があった場合にも経費として計上することができます。
仕事において必要な知識をつけるための書籍を購入したり、仕事で必要な衣服を購入した場合などにも経費として計上することが可能です。
この経費においては上限額が65万円と定められているので注意しましょう。
特定支出控除を受けるためには下記の手順を行いましょう
特定支出控除を受けるためには控除の対象となる支出をしたという証明を給与の支払者に依頼をする必要があります。
特定支出控除証明書の作成依頼書は国税局のサイトよりダウンロードすることができるので、そちらをご確認ください。
どの経費に対する控除証明をするのかによって様式が異なるので注意しましょう。
特定支出控除を受けるためには、確定申告を行う必要があります。
確定申告を行うには、会社でもらうことができる源泉徴収票や控除の対象となる支出のレシート等が必要です。
必要な書類が用意できたら、確定申告書を記入します。申告書の書き方が分からなければ税務署や会社の経理担当等へ相談してみてください。
確定申告書の記入や必要書類の準備が整ったら、確定申告を実際に行いましょう。
確定申告は申告の該当となっている年の翌年2月16日〜3月15日までに行う必要があります。
申告は直接税務署に提出する方法だけでなく、郵送やe-Taxといった非対面での方法もあるため、忙しい方でも安心でしょう。
特定支出控除が使えないことが多い理由は下記の3つです。
特定支出控除の対象となっている通勤費などの経費は会社が手当として負担をしてくれることがほとんどです。
そのため、自己負担をしたとみなされず特定支出控除の対象外になります。
もし、会社が負担してくれていない場合には適用されますが、多くの場合では経費として負担してくれるので、特定支出控除が使えなくなっています。
特定支出控除を受けるためには、会社からあなたの支出は業務上必要なものであり、そのお金を自己負担をしたと認められなくてはいけません。
例えば、スーツでの勤務が必須で特定支出控除を利用したいと考えていても、会社側に認めてもらえなければ特定支出控除の利用ができなくなります。
そのため、特定支出控除がなかなか使えないと言われています。
特定支出控除制度を利用するためには「その年の給与所得控除額 × 2分の1」が条件です。
給与所得控除の金額は下記の通りです。
給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額) |
給与所得控除額 |
1,625,000円まで | 550,000円 |
1,625,001円から1,800,000円まで | 収入金額×40%-100,000円 |
1,800,001円から3,600,000円まで | 収入金額×30%+80,000円 |
3,600,001円から6,600,000円まで | 収入金額×20%+440,000円 |
6,600,001円から8,500,000円まで | 収入金額×10%+1,100,000円 |
8,500,001円以上 | 1,950,000円(上限) |
引用:国税庁
上記の表を見て分かる通り、相当な金額を利用していないと控除の対象にはなりません。
これもなかなか特定支出控除が使えないと言われている理由です。
特定支出控除を受けるためには自己負担をしていて、会社に認められている支出である必要がありました。
また、適用されるための金額が大きいため、なかなか利用することができず、使えないという印象を持っている方も多いようです。
そのため、今回の記事を参考に特定支出控除の仕組みを理解して、上手に控除を利用できるようにしていきましょう。
高柳政道
CFP・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
静岡県出身。小売業やメーカー営業を経験後にライターへ転身。 FP資格を活かして執筆業務を行う。 得意分野は「株式投資」「保険」「クレジットカード」「カードローン」など。 保有資格は「CFP」「1級ファイナンシャル・プランニング技能士」。
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