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源泉徴収票から手取り年収を計算する方法は?源泉徴収票の見方や計算式、必要なタイミングを徹底解説!

2023.07.31
源泉徴収票から手取り年収を計算する方法は?源泉徴収票の見方や計算式、必要なタイミングを徹底解説!

※この記事は商品プロモーションを含むことがあります。

「源泉徴収票の見方が分からない!」
「手取り年収が知りたい」
「源泉徴収票が必要なのはどんなとき?」
と悩んでいませんか?

所得税や住民税・健康保険料・厚生年金など、給与からはさまざまな費用が差し引かれます。そのため、大体の手取り額は把握しているものの、正確な金額を理解していない人は多く存在します。手取り年収を知りたいなら、源泉徴収票をもとに計算してみましょう。

1年に1回発行される源泉徴収票には、年収や税額・控除された金額など、生活にかかわる複数の数字が並んでいます。見慣れないワードが並んでいるため苦手意識を持ちやすいですが、見方さえ分かれば難しい書類ではありません。ポイントを押さえてお金への理解を深めましょう。

源泉徴収票とは

源泉徴収票とは

給与所得者であれば、会社から年に1回、源泉徴収票が発行されます。自分の年収を知るための身近な書類ですが、なんとなく受け取っている人も多いのではないでしょうか。

源泉徴収票には複数の数字が並んでおり、内容や見方がわからない人も少なくありません。手取り年収を計算する前に、まずは、源泉徴収の仕組みや内容についてしっかり理解しておきましょう。

源泉徴収票は源泉徴収税を税務署に報告するもの

そもそも源泉徴収とは、給与所得から所得税を徴収し、会社が本人に代わって市区町村に納付する制度です。国税庁のホームページにも記載のあるように、給与所得の場合は会社が本人に代わって所得税を納めなければなりません。

会社や個人が、人を雇って給与を支払ったり、税理士、弁護士、司法書士などに報酬を支払ったりする場合には、その支払の都度支払金額に応じた所得税および復興特別所得税を差し引くことになっています。
(中略)
このように、所得税および復興特別所得税を差し引いて、国に納める義務のある者を源泉徴収義務者といいます。

引用元:国税庁「No.2502 源泉徴収義務者とは」

毎月の給与をもとに概算で所得税額を計算し、給与からの天引きで徴収した税額を納付するのが源泉徴収税です。しかし、所得税は収入金額すべてに対してかかるわけではなく、控除額を差し引いた課税所得に対して課税されます。

また、1年間の収入に対して金額が決まるため、その年の総支給額が確定しなければ算出できません。最終的に1年間の収入と納付した所得税額を記載した書類のことを、源泉徴収票と言います。

源泉徴収票が発行されるのは年末調整のあと

先ほども説明したとおり、給与所得者は毎月の給与から所得税を概算で算出し源泉徴収されています。しかし、所得税額は1年間の総支給額が確定しなければ正確な金額は計算できません。そのため、源泉徴収票が発行されるのは、12月に行われる年末調整のあとです

源泉徴収票は翌年の1月31日までに発行することが定められているため、12月の給与明細と一緒に受け取ることが多いでしょう。ただし、12月までに退職した場合は、最後の給与が確定してから1ヶ月ほどで発行されることがほとんどです。

源泉徴収票の主な項目の見方

源泉徴収票の主な項目の見方

源泉徴収票には、普段は聞き慣れないワードと複数の数字が並んでいます。そのため、深く理解しないまま受け取っている人も多いのではないでしょうか。

しかし、源泉徴収票は給与や税金に関わる非常に重要な書類です。どの項目が何を意味しているのか、きちんと把握しておく必要があります。さまざまな項目がある中でも、以下の4つの項目についてはしっかり理解しておきましょう。

源泉徴収票の主な項目

  1. 支払金額
  2. 給与所得控除後の金額
  3. 源泉徴収税額
  4. 社会保険料等の金額

それぞれの項目について、詳しく見ていきます。

源泉徴収票の項目①:支払金額

支払金額は、基本給や残業代・手当・ボーナスなどを含めて、1年間で支払われた給与の合計金額です。給与所得のほかに副収入がない場合は、この支払金額と年収はほぼ等しくなります。

ただし、通勤手当や出張旅費などの費用は非課税対象となるため、支払金額の中には含まれません。また、この支払金額で税額が決まるわけではないので、注意しましょう。

源泉徴収票の項目②:給与所得控除後の金額

給与所得控除後の金額とは、支払金額から給与所得控除額を差し引いた金額です。給与所得控除とはいわゆる経費のようなものです。

会社員であってもスーツや靴など、仕事に関する出費があります。しかし、会社員1人1人に必要経費の可否を税務署が細かく審査することは現実的ではありません。そこで、一定額を給与所得控除として差し引くことで公平性を図っています。

給与所得額は収入に応じて控除できる金額が定められており、収入が多いほど高い設定に。現在の給与所得控除額は、55万円から195万円までの6段階です。

また、給与所得控除後の金額は実際に受け取る手取り金額と混同されがちですが、異なる金額である点には注意しましょう。

源泉徴収票の項目③:源泉徴収税額

所得税は、1年間の所得に対して課税されるため、収入が確定しない時点では税額が分かりません。しかし、支払いの負担軽減や未払い防止の観点から、一定の給与所得者の場合は源泉徴収による支払いが義務付けられています。

給与から概算で計算された一定額を毎月差し引き、年末調整で1年間の税額を決定するというのが源泉徴収の流れです。1年間の所得税の総額は、源泉徴収票の源泉徴収税額という欄で確認できます。

源泉徴収票の項目④:社会保険料等の金額

日本の所得税は累進課税制度を採用しているため、所得が増えるほど税額も高くなります。しかし、それぞれ異なる家計の事情に合わせて税額計算上の所得を減らし、税負担を軽減できます。

所得控除は15種類ありますが、社会保険料もそのうちの1つ。1年間で支払った健康保険料や厚生年金保険料・雇用保険料・介護保険料は全額控除できます。

また、対象は納税者本人の社会保険料に限定されません。配偶者や子ども・そのほかの親族が負担すべき社会保険料を支払った場合も控除対象です。総額については、源泉徴収票の社会保険料等の金額で確認しましょう。

源泉徴収票から手取り年収を計算する方法は?どこを見ればいい?

源泉徴収票から手取り年収を計算する方法は?どこを見ればいい?

源泉徴収票は所得や税額を把握する重要な書類ですが、手取り年収の記載はありません。しかし、家計管理のために自分の手取り年収を把握しておきたい人も多いでしょう。

給与と賞与の明細書から手取り年収を求められますが、全てを合計するのはなかなか面倒なものです。実は、以下の2つを用意すればもっと簡単に計算できるので、ぜひ活用しましょう。

用意するもの

  • 源泉徴収票
  • 住民税課税決定通知書

手取り年収を計算するために必要となるのは、源泉徴収票と住民税決定通知書の2つのみです。ただし、源泉徴収票と住民税決定通知書の発行時期が同じではないため、注意しましょう。

特に、会社員の場合は前年の収入に課税される住民税を、翌年の6月から翌々年の5月にかけて支払うことになっています。そのため、正確な計算をするためには、2年分の住民税決定通知書が必要です。

源泉徴収票から手取り年収を算出する際の計算式

計算に必要な書類が分かったところで、源泉徴収票から手取り年収を算出してみましょう。必要な数字は、支払金額と源泉徴収税額・社会保険料等の金額・住民税額の4つです。手取り年収を求める計算式は、以下の通りです。

手取り年収 = ①支払金額 – ③源泉徴収税額 – ④社会保険料等の金額 – 住民税額

支払金額と源泉徴収税額・社会保険料等の金額は源泉徴収票に、住民税額は住民税決定通知書に記載してあります。手取り年収は、総額から社会保険料や税金を差し引くことで求められます。

実際のケースでシミュレーションしてみよう

源泉徴収票から手取り年収を算出するのは、さほど難しくありません。しかし、いざ計算しようとすると思わぬところでつまずいてしまう可能性も。

そこで、実際のケースを参考にシミュレーションを行ってみましょう。今回は日本人の平均年収に近い500万円のケースで、手取り年収を計算していきます。

①支払金額:500万円
③源泉徴収税額:13万4,500円
④社会保険料等の金額:76万円
・住民税額:24万2,000円

それぞれの数字を計算式に当てはめると、以下の通りです。

手取り年収
= ①支払金額 – ③源泉徴収税額 – ④社会保険料等の金額 – 住民税額
= 500万円 – 13万4,500円 – 76万円 – 24万2,000円
=386万3,500円

年収500万円の手取り額を源泉徴収票をもとに計算したところ、386万3,500円という結果になりました。給与や賞与から、年間で約120万円の税金や社会保険料を支払っていることがわかります。

ただし、手取り年収は扶養の人数や控除額によっても変化するため、参考程度に考えておいてください

源泉徴収票が必要となる3つのタイミング

源泉徴収票が必要となる3つのタイミング

源泉徴収票は所得を示す重要な書類です。しかし、普段の生活において源泉徴収票を提示するシーンはあまりありません。

そのため、うっかり紛失してしまう人もいるでしょう。源泉徴収票が必要になるのは、以下の3つのタイミングです。

源泉徴収票が必要なタイミング

  • 確定申告をするタイミング
  • 退職・転職するタイミング
  • 収入証明の提出が必要なタイミング

基本的に、このようなタイミング以外は源泉徴収票は利用しません。しかし、いつ必要になってもおかしくないので、受け取ったら1年間は大切に保管するようにしてください

万が一紛失したとしても再発行はできますが、手元に届くまでに時間がかかることもあるので注意が必要です。

まとめ

まとめ

毎年何となく眺めていた源泉徴収票には、複数の重要な数字が並んでいます。聞き慣れないうちは、どれが何を表しているのか分かりにくいかもしれません。

しかし、見方や内容をしっかりと勉強すれば、給与に関するさまざまな費用への理解も深まります。額面だけでなく、手取り年収を調べることも可能です。まずは、源泉徴収票に記載の4つの項目の内容を頭にいれておきましょう。

また、源泉徴収票は基本的に確定申告や転職、退職、収入証明などのタイミングでなければ利用しません。紛失した場合は再発行できますが、時間がかかることも多いため、大切に保管しておいてください

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