実家暮らしだと、毎月の生活費をいくら家に入れるべきか迷う人は多いものです。友人と比べても家庭ごとに事情が違うため、相場が分かりにくいと感じる方もいるでしょう。
この記事では、実家暮らしの生活費の平均や内訳を整理しつつ、手取り額に応じた「いくらなら無理なく払えるか」の考え方を紹介します。さらに、貯金や資産形成を進める具体的な方法や、家族との話し合い方までまとめて解説します。
実家暮らしの生活費はいくら?
最初に、実家暮らしの生活費がいくらかかるのか、全体像を整理します。家賃を払っていない場合でも、食費や光熱費、スマホ代など、毎月の支出は一定額あります。
ここでは、手取り収入別の生活費の目安や、20代と30代の違いを確認します。さらに、一人暮らしと比べたときに、どの費用で差が出るのかも見ていきましょう。実家ならではのメリットを把握すると、貯金計画も立てやすくなります。
手取り・収入別の実家暮らし生活費の把握方法
実家暮らしの生活費を考えるときは、「毎月いくら使っているか」を感覚ではなく数字で把握することが大切です。まずは手取り収入を書き出し、そこから実家に入れるお金や自分の支出を振り分けてみましょう。
たとえば手取りが18万円なら、家に入れる金額を3万円、スマホ代とサブスクで1万円、交通費や昼食代で2万円、残りを交際費や貯金に回すイメージです。手取り22万円なら、家に4万円、固定費に2万円、貯金を5万円など、少し余裕を持たせることもできます。
大事なのは、「今の生活費の合計がいくらか」「どの項目にどれだけ使っているか」を一度整理することです。家計簿アプリで1か月だけでも記録すると、実家暮らしでも意外に支出が多い項目が見えてきます。数字で見えると、無理のない範囲で家に入れる額や貯金額も決めやすくなります。
20代・新卒は月いくら使う?
20代や新卒で実家暮らしの場合、手取りが15万から20万円前後の人が多いと考えられます。この範囲だと、毎月の生活費をどう分けるかで、貯金のペースが大きく変わります。社会人になったばかりだと、交際費や趣味に使いたい気持ちも強いでしょう。
一般的には、実家に入れるお金として2万から3万円程度にしているケースがよく見られます。そこにスマホ代やサブスクなどの固定費が1万円前後、昼食代や交通費が1万から2万円ほどかかるイメージです。残りを貯金と自由に使えるお金に分けると、毎月のバランスが取りやすくなります。
新卒のうちは、急に高い金額を家に入れるより、まずは生活費の流れをつかむことも大切です。最初の半年ほどは家族と相談し、少し低めの金額から始めて、ボーナスや昇給のタイミングで見直す方法もあります。自分の収入と支出に合わせて、無理のない範囲を探るイメージで考えてみてください。
30代・社会人の生活費相場と実家に入れるお金の目安
30代の社会人で実家暮らしの場合、手取り収入が20万円台後半から30万円台の人も増えてきます。そのぶん、家計への負担や家に入れるお金をどうするか、意識する場面も増えるはずです。親世代からすると、「そろそろしっかり負担してほしい」と思うこともあるでしょう。
相場としては、手取りの1割から2割程度を家に入れる人が多いとされています。たとえば手取り25万円なら、2万5千円から5万円ほどが一つの目安です。ただし、実家の住宅ローンが残っているか、親の収入状況はどうかなど、家庭ごとの事情で適切な金額はいくらか変わります。
30代になると、結婚や一人暮らしへの独立も視野に入ってきます。家に入れるお金を増やす一方で、将来のための貯蓄や資産形成も進めたいところです。家族と話し合い、毎月の負担額と、自分の貯金目標の両方が成り立つラインを探していくとよいでしょう。
一人暮らしと比べて得する費目/差額からわかる貯蓄の余裕
実家暮らしの大きなメリットは、一人暮らしと比べて生活費の負担が小さい点にあります。特に家賃や水道光熱費、家具家電の購入費などは、実家であればほとんどかからないか、かなり抑えられることが多いです。
一人暮らしをすると、家賃だけで毎月5万から8万円ほどかかる地域も少なくありません。そこに水道光熱費で1万円前後、インターネット代が数千円と続きます。実家暮らしなら、これらの多くを家族とシェアできるため、実質的に数万円単位で負担が軽くなっているとも言えます。
たとえば、一人暮らしと比べて月に5万円の差があるなら、その分をそのまま貯金や投資に回すことも可能です。年間にすると60万円になり、数年続ければかなりの貯蓄額になります。もちろん、全額を貯蓄に回すのが正解とは限りませんが、差額を意識することで「今のうちにどれくらい貯められるか」を考えやすくなります。
実家に入れるお金はいくら入れるべき?
次に、多くの人が気になる「実家にいくら入れるか」というテーマを整理します。相場だけを気にするのではなく、家計の状況や自分の収入を踏まえて考えることが大切です。
この章では、金額を決めるときの条件や、手取りに対する割合の目安、家族との話し合い方を順番に見ていきます。光熱費や食費を基準にした、具体的な計算方法も紹介しますので、自分の家庭に合う形を検討してみてください。
家に入れる金額を決定する条件
家に入れる生活費の金額は、「世間の平均」だけで決めると、家族の状況と合わないことがあります。まずは実家の家計がどんな状態か、可能な範囲で把握することが大切です。住宅ローンの有無や、親の年齢と収入、兄弟姉妹がいるかどうかなどで、必要な負担は変わります。
たとえば、親がまだ現役で共働きなら、そこまで高い金額を求められない場合もあります。一方で、親が定年退職して年金生活に入っていると、光熱費や食費の一部をしっかり負担してほしいと考える家庭もあるでしょう。家族構成や収入状況によって、適切な金額の範囲はいくらか変わってくるのです。
自分の手取り収入や将来の貯金計画も、条件の一つになります。結婚や一人暮らしの予定が近いなら、ある程度まとまった資金が必要です。家族と話し合い、「家計を助ける金額」と「自分が貯める金額」のバランスを一緒に考える姿勢があると、お互いに納得しやすくなります。
手取りに対する割合で考える方法と無理しない目安設定
実家に入れる生活費を決めるときは、「手取りの何割にするか」で考えると整理しやすくなります。一般的には、手取りの1割から2割程度を目安にする人が多いと言われています。たとえば手取り20万円なら、2万円から4万円の範囲です。
ただ、この割合がそのまま正解というわけではありません。奨学金の返済がある人や、車のローンを抱えている人は、毎月の固定費が重くなりがちです。こうした事情がある場合は、家に入れるお金を少し抑え、その分を返済に回したほうが、全体として無理のない家計になることもあります。
逆に、手取りが多く、支出が少ない人は、1割にこだわらずもう少し多めに家に入れる選択も考えられます。大切なのは、毎月の収支を見ながら、「家に入れる金額」「貯金」「自分の自由に使うお金」のバランスを取ることです。数か月試してみて、貯金がほとんど増えない、または生活が苦しいと感じるなら、早めに見直すようにしましょう。
家族間で合意するコツとルール作り
実家にいくら入れるかは、お金の話だけでなく、家族の気持ちにも関わるテーマです。金額を一方的に決めてしまうと、「もっと出してほしい」「出しすぎではないか」といった不満が残りやすくなります。まずは、家族の考えを丁寧に聞くことから始めてみてください。
話し合うときは、「自分の手取りはいくらで、毎月どのくらい貯金したいか」を正直に伝えるとよいでしょう。親側からも、「光熱費や食費にこれくらいかかっている」と具体的な金額を聞けると、納得感のあるラインを探りやすくなります。お互いの状況を共有することで、単なる「要求」ではなく「相談」になります。
一度決めた金額も、収入が増えたり、親の働き方が変わったりすれば、見直しが必要になるかもしれません。半年や1年ごとに「見直しのタイミング」をあらかじめ決めておくと、増額や減額の話もしやすくなります。家族全員が納得できるルールをつくることが、長く気持ちよく同居するためのコツと言えるでしょう。
光熱費・食費・家賃換算の具体的な計算式で毎月の負担を公平化する方法
家に入れるお金を「なんとなくの金額」ではなく、公平感のある形で決めたいときは、光熱費や食費、家賃をベースに考える方法があります。まずは、家庭全体でかかっている毎月の水道光熱費や食費、住居費を確認してみるとよいでしょう。
たとえば、水道光熱費が月1万2千円、食費が6万円、家賃相当の住宅ローンが8万円だとします。合計で15万2千円です。ここから、自分が使っている分を人数割りで考えると、4人家族なら1人あたり3万8千円となります。もちろん、実際には親が多めに負担してくれている場合もあるため、全額を出す必要はないかもしれません。
この考え方をベースに、「自分は毎月2万5千円を家に入れる」など、納得できるラインを決めていきます。光熱費や食費は季節や物価で変動するため、年に数回は見直しをしてもよいでしょう。数字をもとに話すことで、感情的になりにくく、家族全員が負担のイメージを共有しやすくなります。
固定費・変動費ごとの具体的金額と節約術
ここからは、実家暮らしの生活費を「固定費」と「変動費」に分けて考えていきます。固定費とは、スマホ代やサブスクなど、毎月ほぼ同じ金額がかかるものです。変動費は、食費や交際費、買い物など、月によって増減する支出を指します。
それぞれの項目で、どれくらいの金額が目安になるかを知っておくと、節約のポイントも見えやすくなります。無理な節約でストレスをためるより、「ここだけは抑える」「ここは楽しむ」とメリハリをつけることが大切です。
固定費の管理と節約ポイント
固定費は、一度見直すと効果が長く続く支出です。代表的なものとして、スマホ代、サブスク、保険料などがあります。実家暮らしの場合、家賃はかからなくても、これらの費用で毎月1万から2万円ほど使っている人も少なくありません。
スマホ代は、格安プランや必要なデータ容量に合わせた見直しで、月数千円の節約になることがあります。サブスクも、ほとんど使っていないサービスがないか、定期的に確認することが大切です。動画配信や音楽サービスが重なっている場合は、どれか一つに絞るだけで支出を減らせるでしょう。
保険料についても、内容が自分の年齢や家族構成に合っているかを確認しておくと安心です。必要以上に高いプランに入っていると、固定費が膨らみます。保険は保障内容が複雑なため、金融機関や専門家の説明を聞きながら、無理のない範囲を選ぶことが大切です。固定費を見直すと、毎月の生活費に余裕が生まれ、貯金もしやすくなります。
食費・交際費・買い物で使う金額の目安と節約コツ
実家暮らしの変動費で大きな割合を占めるのが、食費、交際費、日用品や洋服などの買い物です。家の食事をメインにしている人でも、昼食代や外食、コンビニでのちょっとした買い物で、毎月の支出は意外と増えやすくなります。
目安としては、一人あたりの外食や昼食代を合わせて、月1万から2万円に収まるよう意識すると、他の支出とのバランスが取りやすいです。交際費も、給料日ごとに「今月はこの金額まで」と上限を決めておくと、使いすぎを防げます。飲み会の回数を少し調整するだけでも、年間では大きな差になります。
節約のコツとしては、コンビニよりスーパーを活用することや、ペットボトル飲料をまとめ買いするなど、小さな工夫の積み重ねが有効です。洋服や趣味の買い物も、「本当に必要か」「今すぐ必要か」を一度考える習慣をつけると、衝動買いが減ります。無理に我慢するのではなく、優先度の高いものにお金を回す意識を持つと、満足感を保ちながら節約しやすくなります。
家計簿・アプリで収支を自動記録する賢い管理術
毎月の生活費を上手に管理するには、「いくら使ったかを振り返る仕組み」を作ることが近道になります。手書きの家計簿も一つの方法ですが、忙しい社会人や学生には、スマホの家計簿アプリを使う方法が現実的でしょう。
最近のアプリは、銀行口座やクレジットカードと連携すると、自動的に支出を分類してくれるものが多いです。現金払いが多い人でも、レシートを撮影して取り込める機能があると、手間を抑えながら記録できます。最初の1か月だけでも、実際の支出を見える化すると、意外な出費の原因が分かることがあります。
家計簿は、完璧に続けることよりも、「ざっくりでも全体の流れを把握する」ことを目標にすると続けやすいです。毎月の固定費、変動費、貯金額のバランスを確認し、「来月はここを少し抑えよう」といった行動につなげていくと、自然とお金の管理が上達します。自分に合ったアプリを選び、負担にならない範囲で習慣化していくことが大切です。
ポイント還元・カード活用で家計を得する買い物術
実家暮らしであっても、日々の買い物の支払い方を工夫することで、生活費を実質的に抑えることができます。その一つが、クレジットカードやキャッシュレス決済のポイント還元を上手に活用する方法です。還元率の高いカードを選び、対象店舗で使うと、同じ支出でもポイントがたまりやすくなります。
たとえば、コンビニやスーパー、ドラッグストアなど、利用頻度の高いお店でポイント還元率が高いカードをメインに使うと、毎月の食費や日用品の一部がポイントで戻ってくるイメージです。貯まったポイントは、支払いに充当したり、ギフト券に交換したりと、家計の助けになります。
ただし、ポイントを意識しすぎて不要な買い物が増えると、本末転倒になってしまいます。あくまで、「必要な支出をカード払いにすることで、結果的にお得になる」という考え方が大切です。クレジットカードの年会費や手数料、利用明細の確認も忘れずに行い、自分の収入の範囲で無理のない使い方を心がけましょう。
実家暮らしで貯金・資産形成を進める具体的プラン
実家暮らしは、家賃などの負担が少ないぶん、貯金や資産形成を進めやすい環境と言えます。とはいえ、「気づけばあまり貯まっていない」という人も少なくありません。計画を立てずにいると、余裕がある分だけ使ってしまいやすいからです。
この章では、貯金目標の決め方や、つみたてNISAやiDeCoといった制度の活用方法を紹介します。将来の結婚や独立も見据えながら、無理のない範囲でお金を増やしていく考え方を整理していきます。
貯金目標の決め方と先取り
実家暮らしで効率よく貯金を増やすには、最初に「いくら貯めたいか」と「いつまでに貯めたいか」を決めておくことが重要です。たとえば、「3年後までに結婚や一人暮らしの準備資金として150万円貯めたい」といった具体的な目標を持つと、毎月の行動につなげやすくなります。
この場合、150万円を36か月で割ると、毎月約4万2千円の貯金が必要になります。手取り収入から逆算し、家に入れる生活費や固定費を差し引いたうえで、その金額を先取り貯金するイメージです。給料日直後に自動で貯金用口座に振り分ける設定をしておくと、使いすぎを防ぎやすくなります。
先取り貯金の金額は、最初から完璧を目指さなくても構いません。まずは毎月1万円からでも始めてみて、慣れてきたら少しずつ増やす方法もあります。ボーナスがある人は、その一部を自動的に貯金に回すルールを作ると、短期間でまとまった金額を貯めやすくなります。自分の収入や生活スタイルに合わせて、無理のないペースを見つけることが大切です。
つみたてNISA・iDeCo・財形貯蓄のメリットと実践的な始め方
貯金だけでなく、将来に向けた資産形成も意識したい人には、つみたてNISAやiDeCo、財形貯蓄といった制度があります。これらは、長期的にお金を増やすことを目的とした仕組みで、税金面での優遇がある点が特徴です。ただし、元本割れのリスクや、引き出しの制限などもあるため、仕組みを理解したうえで利用することが大切になります。
つみたてNISAは、一定の範囲内で投資信託などを積み立てると、その運用益が非課税になる制度です。毎月1万円など、少額から始められるため、実家暮らしのうちにコツコツと資産形成をしたい人に向いています。iDeCoは、老後資金づくりを目的とした制度で、掛金が所得控除の対象になる一方、原則60歳まで引き出せない点には注意が必要です。
財形貯蓄は、勤務先に制度がある場合に利用できるもので、給料から自動的に天引きして貯蓄や運用を行います。職場によっては、利子の非課税枠が用意されていることもあります。どの制度も、金融機関や勤務先によって条件が異なるため、公式サイトや窓口で最新の情報を確認し、自分の目的やリスク許容度に合うものを選ぶことが大切です。
余裕資金の資産運用
実家暮らしで生活費に余裕があると、「貯金だけでなく、資産運用もしたほうがよいのか」と考える人もいるでしょう。資産運用とは、預貯金だけでなく、投資信託や株式などを通じて、お金を増やすことを目指す行動を指します。ただし、元本が保証されない商品も多く、損失が出る可能性もある点は理解しておく必要があります。
余裕資金で運用を考える場合は、「当面使う予定のないお金」を範囲にすることが重要です。たとえば、半年から1年分の生活費や、近い将来に使う予定の資金は、預貯金として安全性を優先し、それ以外の一部を投資に回すイメージです。こうすることで、急な支出があっても慌てずに対応しやすくなります。
投資信託を使った積立投資は、少額から分散投資ができる方法としてよく利用されています。長期でコツコツ積み立てることで、価格の変動リスクをならす効果が期待されますが、必ず増えるわけではありません。具体的な商品の選び方や運用方針は、人によって適切な形が異なります。最終的な判断は自分で行い、必要に応じて金融機関の説明や公的な情報を参考にしながら検討していくことが大切です。
新卒・学生・社会人別の現実的な貯蓄額モデルと期間目標の立て方
実家暮らしでどれくらい貯金できるかは、年齢や収入によって変わります。自分と近い状況のモデルケースを参考にしながら、現実的な目標を立てていくとよいでしょう。ここでは、新卒社会人、学生、30代社会人のイメージを簡単に整理してみます。
新卒で手取り18万円の場合、家に2万5千円、固定費に1万5千円、変動費に4万円とすると、残りは約10万円です。このうち半分の5万円を貯金に回せば、1年で60万円のペースになります。学生でアルバイト収入が月8万円ほどなら、実家に1万円、スマホ代などで1万円、残りの6万円から2万円を貯金に回すと、年間24万円の貯蓄が可能です。
30代で手取り25万円の社会人なら、家に4万円、固定費に2万円、変動費に6万円とすると、残りは約13万円です。このうち7万円を貯金やつみたてNISAなどに回せば、年間84万円のペースになります。もちろん、これは一例にすぎません。自分の収入や生活スタイルに合わせて、「無理のない範囲で、毎月いくらなら続けられるか」を基準に、期間と目標額を決めていくことが大切です。
実家暮らしの生活費を可視化するツールと具体テンプレート
ここからは、実家暮らしの生活費を「見える化」するための具体的なツールやテンプレートを紹介します。頭の中だけで考えていると、支出の全体像がつかみにくく、気づけばお金が残っていないということも起こりがちです。
毎月の家計テンプレートや、家計簿アプリ、銀行口座の使い分けなどを活用すると、自然とお金の流れが整っていきます。少しの工夫で続けやすくなる方法を、順番に見ていきましょう。
毎月の家計テンプレ
実家暮らしの家計管理を始めるときは、シンプルなテンプレートを用意しておくと便利です。難しい表を作る必要はなく、「収入」「家に入れるお金」「固定費」「変動費」「貯金」の5つに分けて考えるだけでも、全体像を整理できます。
たとえば、手取り22万円のケースを想定してみましょう。まず、家に入れるお金を3万円と決めます。次に、スマホ代やサブスクなどの固定費を1万5千円、交通費や昼食代を2万円とします。ここまでで6万5千円です。残りの15万5千円から、貯金に6万円、交際費や趣味、買い物などの変動費に9万5千円を割り当てるイメージになります。
このように、ざっくりとした配分をテンプレートとしてメモしておくと、毎月の見直しがしやすくなります。給料が増えたときや、実家に入れる金額を変えたいときも、この枠組みを使って再調整すれば、どこを増やすか、どこを減らすかが分かりやすくなります。自分なりのテンプレを一度作っておくと、家計管理の土台として長く活用できます。
おすすめアプリ・口座・自動積立の設定方法
家計管理を続けるには、できるだけ手間を減らすことが重要です。そのために役立つのが、家計簿アプリや銀行口座の使い分け、自動積立の設定です。これらを組み合わせると、意識しなくても「使うお金」と「貯めるお金」が自然に分かれていきます。
家計簿アプリは、銀行やクレジットカードと連携できるタイプを選ぶと、入出金が自動で記録されて便利です。現金払いが多い場合は、レシート撮影機能があるアプリだと、レジを出たタイミングで簡単に入力できます。また、グラフで支出の割合を確認できる機能があると、どの項目が多いか一目で分かります。
口座は、「生活用」と「貯蓄用」を分けると管理しやすくなります。給料が振り込まれる口座から、毎月一定額を貯蓄用口座に自動振替する設定をしておくと、先取り貯金が習慣化しやすいです。金融機関によっては、無料で自動積立の設定ができるところもあります。具体的な設定方法は、利用している銀行や証券会社の公式サイトや窓口で案内されているため、最新の情報を確認しながら進めると安心です。
クレジットカード明細の見方とポイント還元を最大化する活用法
クレジットカードを上手に使うには、明細のチェックとポイントの仕組みを理解することが欠かせません。まず、毎月の明細では、「利用日」「利用店名」「金額」を確認し、自分の記憶と合っているかを見ていきます。不明な利用がないかをチェックすることは、安全面でも大切です。
同時に、「どの項目にいくら使っているか」を把握することで、生活費の見直しにもつながります。たとえば、コンビニでの少額決済が積み重なっていないか、ネットショッピングの回数が増えていないかなど、明細から気づける点は多いです。家計簿アプリと連携すれば、自動で分類されるため、より管理しやすくなります。
ポイント還元を最大化するには、自分の生活スタイルに合ったカードを選ぶことが重要です。よく使うスーパーやコンビニで還元率が高いカードをメインにし、公共料金やサブスクの支払いもまとめると、ポイントが貯まりやすくなります。ただし、ポイントを追いかけるあまり、不要な買い物や高額な年会費のカードを選ぶのは本末転倒です。カード会社の公式情報で、年会費や還元率、対象店舗などを確認し、自分にとって実際に得になる範囲で活用することを心がけましょう。
手取りから家に入れる金額と貯蓄配分を計算する具体例・ケーススタディ
ここでは、手取り額が異なる2つのケースを例に、実家に入れる生活費と貯蓄の配分を考えてみます。あくまで一例ですが、自分の状況に当てはめて考える参考になるはずです。
まず、手取り18万円の新卒社会人を想定します。家に入れるお金を2万5千円、スマホ代やサブスクなどの固定費を1万5千円、交通費と昼食代を2万円とすると、ここまでで6万円です。残りの12万円から、貯金に4万円、交際費や趣味、衣服などに8万円を割り当てる形になります。この配分なら、無理をしすぎずに年間48万円の貯蓄が可能です。
次に、手取り25万円の30代社会人のケースです。家に4万円、固定費に2万円、交通費や昼食代に2万5千円とすると、合計で8万5千円になります。残りの16万5千円から、貯金に7万円、つみたてNISAなどの資産形成に2万円、交際費や趣味に7万5千円という配分も考えられます。この場合、貯金と運用を合わせて年間108万円を将来のために回すことができます。
どちらのケースも、実際には奨学金の返済や車の維持費など、個別の事情によって調整が必要です。自分の手取り額と支出項目を書き出し、いくらなら現実的に続けられるかを試算してみてください。数か月ごとに見直しを行い、自分に合ったバランスを探っていくことが大切です。
同居トラブル・結婚準備・独立への資金計画
実家暮らしは経済的なメリットが大きい一方で、家族との距離が近いからこその悩みもあります。生活費の負担や家事の分担をめぐって、気まずさを感じることがあるかもしれません。
この章では、同居トラブルを防ぐための話し合い方や、結婚や一人暮らしに向けた資金計画の考え方を整理します。将来の予定を見据えたうえで、実家暮らしの期間をどう活用するか、一緒に考えていきましょう。
家族構成や実家の経済状況別に負担を決める具体的な手順
家にいくら入れるかを決めるとき、家族構成や実家の経済状況を踏まえずに金額だけを見てしまうと、不公平感や不満が生まれやすくなります。まずは、家庭ごとの条件を整理し、それに応じた負担の決め方を考えることが大切です。
たとえば、親が共働きで、住宅ローンもほぼ返済済みの家庭では、家計に余裕がある場合もあります。このようなケースでは、家に入れる金額は控えめにし、その代わりに将来のための貯金を厚めにする選択も考えられます。一方で、片親世帯や、親が年金生活に入っている家庭では、光熱費や食費の負担が重くなりやすく、子ども側の負担を少し増やしたほうが安心なこともあるでしょう。
具体的な手順としては、まず親に「毎月の生活費の大まかな金額」を聞き、住宅ローンや家賃、水道光熱費、食費などの合計を把握します。そのうえで、自分の手取り収入を伝え、「このくらいなら毎月無理なく出せる」といった案を出してみてください。お互いの数字を共有しながら調整していくことで、納得感のある負担額に近づけやすくなります。
結婚や同棲に備える準備金と資金計画の目安
実家暮らしの期間は、結婚や同棲に向けた準備資金を貯めるチャンスでもあります。将来パートナーと暮らすことを考えると、引っ越し費用や新居の初期費用、家具家電の購入資金など、まとまったお金が必要になる場面が多くなります。
たとえば、賃貸で同棲を始める場合、敷金礼金や仲介手数料、引っ越し代などで家賃の3か月から5か月分ほどかかることがあります。家賃8万円の物件なら、初期費用だけで24万から40万円前後を見ておくと安心です。そこに、家具家電の購入費として20万から30万円程度を加えると、合計で50万から70万円ほどが一つの目安になります。
結婚式や新婚旅行を予定している場合は、さらに数十万円から百万円単位の費用がかかることもあります。すべてを自分だけで負担するわけではありませんが、「自分としてはいくら準備しておきたいか」を考え、実家暮らしのうちに少しずつ貯めておくと安心です。期間と目標額を決め、毎月の貯金額を逆算しながら、無理のないペースで資金計画を立てていきましょう。
1人暮らしへ独立するための必要資金とスケジュールの逆算方法
将来的に一人暮らしを考えている場合、実家暮らしのうちに「独立資金」をどれくらい貯めるかを決めておくと安心です。一人暮らしには、家賃だけでなく、初期費用や家具家電の購入費、引っ越し代など、さまざまな費用がかかります。
一般的に、賃貸物件の初期費用は、家賃の4か月から6か月分ほどが目安とされています。家賃7万円の部屋なら、敷金礼金や仲介手数料、前家賃などを含めて、28万から42万円程度が必要になる計算です。ここに、ベッドや冷蔵庫、洗濯機、カーテンなどの家具家電で20万から30万円、引っ越し代として5万円前後を加えると、合計で50万から80万円ほどを見込んでおくとよいでしょう。
たとえば、2年後に一人暮らしを始めたい場合、80万円を24か月で割ると、毎月約3万3千円の貯金が必要になります。手取り収入から家に入れるお金や生活費を差し引いたうえで、この金額を先取り貯金として確保できるかを試算してみてください。もし難しいと感じるなら、独立の時期を少し延ばすか、初期費用を抑えられる物件を選ぶなど、計画を調整することも選択肢になります。
家族間での誤解を避けるための書面化・約束事と交渉のコツ
実家暮らしで長く同居を続けると、生活費や家事分担をめぐって、家族間で小さなすれ違いが積み重なることがあります。口頭だけの約束だと、「そんな話は聞いていない」「前と話が違う」といった誤解が生まれやすくなるため、簡単なメモでもよいので、ルールを文字にしておくと安心です。
たとえば、「毎月25日に3万円を家計用口座に振り込む」「光熱費が大きく上がったら、その都度相談する」「家事は週末の掃除とゴミ出しを担当する」といった約束事を、ノートや共有メモに書いておきます。これだけでも、お互いの認識をそろえやすくなります。書面にすることが堅苦しく感じるかもしれませんが、後々のトラブルを防ぐための工夫と考えるとよいでしょう。
交渉のコツとしては、「自分の希望だけを伝える」のではなく、「家族の負担や気持ちも理解したい」という姿勢を持つことが大切です。たとえば、「自分もできる範囲で家計を助けたいが、将来の貯金も必要だと考えている」といった本音を丁寧に伝えると、親側も歩み寄りやすくなります。お金の話は感情が絡みやすいため、焦らず、何度かに分けて話し合うくらいの気持ちで向き合うとよいでしょう。
まとめ
実家暮らしの生活費は、家賃がかからない分だけ一人暮らしより負担が軽くなりやすい一方で、家にいくら入れるかや、貯金をどれくらい進めるかといった悩みが生まれやすいテーマです。大切なのは、「世間の平均」だけで判断せず、自分の手取り収入や実家の家計状況を踏まえて、家族と話し合いながら決めていくことだと言えます。
毎月の支出を固定費と変動費に分けて把握し、家計簿アプリや自動積立を活用すれば、無理のない範囲で貯金や資産形成を進めやすくなります。つみたてNISAやiDeCoなどの制度は税制面のメリットもありますが、リスクや条件もあるため、利用する際は必ず最新の情報を金融機関や公的なサイトで確認し、自分に合うかどうかを慎重に検討することが大切です。




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