共働き夫婦の月収・手取り・平均年収は?専業主婦世帯との比較

共働き月収手取り

監修者

監修者
田中壮

TFPグループ 代表取締役 田中 壮

2009年、株式会社STEPに入社し、システム開発を担当。市川市消防局でのレスキュー隊の経験を経て、2013年にプルデンシャル生命保険株式会社に入社し保険業界へ。2014年には個人保険販売ランキングで全社営業マン約4,000人中4位となり、2015年に営業所長に就任。その後、保険代理店(株式会社イコールワン)を共同創業。2018年に株式会社TFPグループを設立し、代表取締役に就任。自身はMDRT(生命保険・金融サービスの専門家が所属するグローバル組織)2024年度TOT(トップ・オブ・テーブル/最上級の資格)基準を達成。

共働きが当たり前になりつつある一方で、自分たちの世帯年収や平均年収が「高いのか低いのか分からない」という声は少なくありません。

専業主婦世帯との違いや、税金や社会保険料を引いた手取り額も気になるところです。 この記事では、公的な調査データをもとに、共働き世帯の平均年収や月収の目安を整理します。

さらに、税金や配偶者控除のライン、支出の配分、資産形成の考え方まで一通り確認できる内容にしました。 ご自身の家庭の状況と比べながら、今後の働き方や家計管理のヒントとしてお役立てください。

目次

共働きの平均年収と世帯年収

ここでは、共働き世帯の平均年収と世帯年収の全体像をつかみます。 総務省などの家計調査や厚生労働省のデータを参考にしながら、年代別の傾向も確認していきます。

数字だけを見ると不安になりやすいですが、家族構成や地域によって必要な金額は変わります。 平均値だけでなく、中央値や分布のイメージも意識しながら読むと、自分の家庭の位置づけを冷静に把握しやすくなります。

データで見る年代別傾向

共働き世帯の平均年収は、夫婦の年齢が上がるにつれて増える傾向があります。 例えば、30代前半では世帯年収が500万〜700万円台に集中し、40代になると600万〜800万円台が一つのボリュームゾーンになるイメージです。

一方で、同じ年代でも子どもの有無や人数、正社員かパートかなどで、家計の余裕はかなり変わります。 平均値は高く見えても、実際には高収入の一部が全体を押し上げているケースもあるため、中央値にも目を向けることが大切です。

総務省の家計調査や厚生労働省の賃金構造基本統計調査では、勤労者世帯の実収入や月収が公表されています。 最新のデータは年ごとに更新されるので、「令和何年の調査か」「対象は何人以上の世帯か」といった条件も確認しておくと安心です。

自分たちの世帯主の年齢や勤務先の状況に近いデータを探し、ざっくりとした比較にとどめると良いでしょう。 数字をそのまま当てはめるよりも、「今の収入で生活費と貯蓄が回っているか」という視点で見ることが、将来の判断には役立ちます。

月収・手取りはいくら?

ここからは、共働き世帯の月収と手取り額のイメージをつかんでいきます。 同じ年収でも、税金や社会保険料を引いた後の金額は人によってかなり違うため、注意が必要です。

所得税や住民税、厚生年金や健康保険料などがどのように差し引かれているかを知ると、家計の管理がしやすくなります。 夫婦それぞれの年収パターン別に、手取り額のシミュレーション例も確認しながら、生活費や貯蓄の配分を考えていきましょう。

所得税・住民税・社会保険料の影響

年収から手取り額を考えるとき、まず押さえたいのが所得税と住民税、そして社会保険料です。 会社員の場合、給与から源泉徴収という形で自動的に引かれているため、仕組みを意識しないままになりがちです。

所得税は、給与所得控除などを差し引いた「所得金額」に税率をかけて算出されます。 住民税は、前の年の所得をもとに計算され、おおまかに「年収の1割前後」と言われることもありますが、控除の内容や自治体によって違いがあります。

社会保険料には、厚生年金や健康保険、雇用保険などが含まれます。 これらは標準報酬月額という仕組みで決まり、月収が上がるほど負担も増える一方で、将来の年金額や医療の給付にも関係してきます。

共働き夫婦の場合、夫婦それぞれから税金と社会保険料が引かれるため、「世帯年収が増えたわりに手取りが思ったほど増えていない」と感じることもあります。 ただ、老後の年金受給額や保障の面ではメリットもあるため、短期的な手取りだけでなく、長期的な影響も含めて考えるとバランスが取りやすくなります。

夫婦別・妻の年収別の実例シミュレーション

共働き世帯の手取りをイメージしやすくするために、妻の年収別にいくつかのケースを考えてみます。 ここでは一般的な会社員を想定した目安であり、実際の金額は勤務先や控除の内容によって変わる点にご注意ください。

例えば、夫の年収が500万円、妻がパートで年収100万円の場合、妻の所得税や住民税はほとんどかからないか、かかってもごく少額になることが多いです。 一方、夫の方では配偶者控除や配偶者特別控除の対象になる可能性があり、世帯全体の税負担は比較的抑えられます。

妻の年収が150万〜200万円程度になると、妻本人にも所得税や住民税がかかり始めます。 さらに、一定の条件を超えると夫の配偶者控除が使えなくなり、世帯全体の税金と社会保険料の負担が増えるため、「手取りが思ったほど増えないゾーン」と感じる方もいます。

一方で、妻が正社員として年収300万〜400万円になると、世帯年収は800万〜900万円台になり、月々の手取りも大きく増えます。 その分、保育料や通勤費、外食費などの支出も増えやすいため、時間の使い方や家事分担を含めてトータルで考えることが大切です。 具体的なシミュレーションは、FP監修の家計シミュレーターや自治体のサイトなどを活用すると、自分の家庭に近い数値が把握しやすくなります。

住居費・通信費・教育費をどう配分するか

共働きで世帯年収が増えると、「住居費を上げても良いか」「子どもの教育費にどこまでかけるか」といった悩みが出てきます。 ここでは、月収や手取りに対して、住居費や通信費、教育費をどう配分するかの考え方を整理します。

一般的には、手取り月収に対して住居費は25パーセント前後までに抑えると、家計が安定しやすいと言われます。 例えば、世帯の手取り月収が40万円なら、家賃や住宅ローンの返済は10万円程度が一つの目安になります。 ただし、都心部や地方など地域差が大きいため、自分の地域の家賃相場も合わせて確認しておきたいところです。

通信費は、スマホ代やインターネット代を含めて、手取りの5パーセント前後を意識すると、他の支出とのバランスが取りやすくなります。 格安プランや家族割引などを活用することで、共働きでも無理なく節約できる部分です。 教育費は、子どもの人数や進路によって大きく変わるため、「今の支出」と「将来必要な教育資金」を分けて考えると整理しやすくなります。

世帯年収が増えると、生活レベルを上げたくなりますが、老後の生活費や住宅ローンの返済、資産形成も同時に進める必要があります。 住居費や通信費、教育費の配分を、年に一度は夫婦で見直し、家計簿アプリなどで可視化しておくと、無理のない範囲でお金をかけるポイントが見えやすくなります。

共働き世帯と専業主婦世帯を徹底比較

ここでは、共働き世帯と専業主婦世帯の違いを整理します。 単に世帯年収や平均年収の差を見るだけでなく、税金や社会保険、支出構成、家事や育児の負担など、生活全体への影響を確認していきます。

どちらが一方的に有利というよりも、それぞれにメリットとデメリットがあります。 自分たちの家族構成や価値観、仕事の状況に合わせて、どのバランスが合っているかを考える材料にしてみてください。

配偶者控除・配偶者特別控除の適用ラインと税負担の変化

専業主婦世帯と共働き世帯を比べるうえで、よく話題になるのが配偶者控除と配偶者特別控除です。 これは、一定の条件を満たす配偶者がいる場合に、世帯主側の所得税や住民税が軽くなる制度です。

配偶者控除は、配偶者の年間の所得金額が一定以下の場合に適用されます。 給与収入だけの専業主婦やパートの場合、「年収いくらまで」という目安で語られることが多いですが、実際には給与所得控除を差し引いた後の所得金額で判断されます。

配偶者特別控除は、配偶者の年収が配偶者控除のラインを少し超えた場合でも、段階的に控除が受けられる仕組みです。 そのため、「少し働きすぎると一気に損をする」というよりも、徐々に税負担が増えていくイメージに近いと言えます。 ただ、住民税の扱いや勤務先の配偶者手当など、一部の制度では別の基準が使われることもあります。

共働き夫婦が働き方を検討するときは、「どこまで働くと控除がどう変わるか」を確認しておくと安心です。 国税庁のサイトや税金の計算ツールを使い、最新の制度内容をチェックしながら、手取り額と時間のバランスを考えていくと良いでしょう。

社会保険料・給付・扶養の扱いで変わる手取りと制度上の差

共働き世帯と専業主婦世帯では、社会保険料や給付の扱いも変わります。 ここを理解しておくと、単純な手取りの多さだけでなく、将来の保障を含めた比較がしやすくなります。

専業主婦世帯では、会社員の夫が厚生年金や健康保険に加入し、配偶者は第3号被保険者として保険料を直接負担しないケースが多いです。 この場合、妻は自分で社会保険料を払わなくても、一定の老後の年金や医療の保障を受けられます。 一方で、妻がパートや正社員として一定以上の収入を得ると、自分で社会保険に加入し、保険料を負担することになります。

共働きになると、夫婦それぞれが厚生年金や健康保険に加入するため、世帯全体の社会保険料は増えやすくなります。 しかし、その分、将来受け取れる年金額が夫婦それぞれに増える可能性があり、傷病手当金や出産手当金などの給付も、それぞれの勤務先の制度を利用できる場合があります。

扶養の扱いも重要です。 税金上の扶養と社会保険上の扶養は基準が異なり、年収や勤務時間によっては、税の扶養からは外れるが、社会保険の扶養には入れる、ということもあります。 自分の勤務先の就業規則や、加入している健康保険組合の条件を確認し、どのラインで社会保険料が発生するかを把握しておくと、働き方の選択がしやすくなります。

支出構成・子育て費用・家事分担の違い

共働き世帯と専業主婦世帯では、収入だけでなく支出の中身も変わります。 特に、子育て費用や家事分担の違いは、家計だけでなく家族の時間の使い方にも影響します。

共働きの場合、保育料や学童保育の費用、外食や惣菜の購入など、時間をお金でカバーする支出が増えがちです。 一方で、専業主婦世帯では、食費や日用品を節約しやすい反面、世帯年収が抑えられるため、教育費や住宅ローンの返済計画に慎重さが求められることがあります。

家事分担についても、専業主婦世帯では家事や育児の多くを一方が担うケースが多いのに対し、共働き世帯では、互いに時間が限られるため、家事の外注や時短家電の活用を検討する家庭が増えています。 これらは一見すると支出増ですが、夫婦の負担感やストレスを減らすという意味では、必要な投資と言える場面もあります。

子どもの年齢や人数によっても必要な支出は変わります。 未就学児がいる時期は保育料が大きな負担になる一方、小学生以降は習い事や塾代が増える傾向があります。 共働きか専業主婦かにかかわらず、「今の支出」と「将来の教育費」を見通し、夫婦で役割とお金の使い方を話し合うことが、家計と生活の両立には欠かせません。

世帯年収1000万を超えると一番得する?高収入帯のメリット・デメリット

共働きで働き続けると、世帯年収が1000万円前後になる家庭も出てきます。 このラインは「高収入」というイメージがある一方で、税金や社会保険料の負担も増えやすいゾーンです。

ここでは、世帯年収1000万円を一つの目安として、高収入帯の税負担や手取りの特徴、メリットとデメリットを整理します。 見た目の年収だけで判断せず、実際の可処分所得や生活コストとのバランスを意識していきましょう。

世帯年収帯別の税負担と手取りシミュレーション

世帯年収が600万円台から1000万円を超えるあたりになると、所得税や住民税の負担感が増してきます。 共働き世帯では、夫婦それぞれの年収に応じて税率がかかるため、単身で年収1000万円のケースとは少し違う形で手取りが決まります。

例えば、夫600万円、妻400万円で世帯年収1000万円の場合、夫婦それぞれが中程度の税率帯に分かれて課税されます。 一方、夫一人で年収1000万円の場合は、高い税率が一人に集中するため、同じ世帯年収でも手取り額の差が生じることがあります。 ただ、実際の金額は扶養家族の人数や各種控除によって大きく変わるため、あくまで傾向として捉えることが大切です。

世帯年収帯別に見ると、600万〜800万円台では、税金と社会保険料を引いた後の手取りは、年収の7割前後になるケースが多いと言われます。 1000万円を超えると、可処分所得の割合が少しずつ下がる傾向がありますが、その分、貯蓄や資産形成に回せる絶対額は増えやすくなります。

高収入帯は、児童手当や一部の給付金が所得制限で対象外になる可能性もあります。 そのため、「給付が減るから損」と感じるよりも、自助努力で教育費や老後資金を準備できるかどうかを軸に考えると、世帯年収の意味を冷静に判断しやすくなります。

妻の年収パターン別ケーススタディ

世帯年収1000万円前後を目指す共働き夫婦では、妻の年収がどのくらいかによって、家計と生活のバランスが変わります。 ここでは、いくつかのパターンをイメージしながら、メリットと注意点を考えてみます。

例えば、夫が700万円、妻が300万円のケースでは、夫の収入が家計の柱になり、妻の収入は教育費や貯蓄の上乗せとして活用しやすくなります。 ただ、夫に負担が集中しやすいため、残業時間や健康面のリスクにも目を向けておく必要があります。

一方、夫500万円、妻500万円のように、年収が近い共働き夫婦では、リスク分散という意味で安定感があります。 どちらかの仕事に変化があっても、もう一方の収入で一定の生活を維持しやすい反面、家事や育児の時間が不足しがちで、外部サービスの活用が前提になることも少なくありません。

妻の年収が400万円を超えるあたりになると、税金や社会保険料の負担も増えますが、将来の年金額やキャリアの継続性という点でのメリットも見えてきます。 どのパターンが一番得かというよりも、「どの働き方なら家族全体が無理なく続けられるか」を軸に、年収だけでなく時間や心の余裕も含めて検討することが大切です。

資産形成・投資視点で見る高収入の活かし方

世帯年収が高くなるほど、生活費の中で資産形成に回せる割合を増やしやすくなります。 ただ、収入が増えた分だけ支出も増えてしまうと、将来の老後資金や教育費の準備が進まないまま時間だけが過ぎてしまうこともあります。

高収入帯の共働き世帯では、まず固定費を見直し、手取りのうち何割を貯蓄や投資に回すかの目安を決めておくと良いでしょう。 例えば、世帯手取りの2割以上を長期の資産形成に充てることを意識すると、老後の生活費や子どもの大学費用などの大きな支出にも備えやすくなります。

具体的な方法としては、つみたてNISAやiDeCoなどの制度を活用し、毎月自動で積み立てる仕組みを作ると、無理なく継続しやすくなります。 これらは税金面のメリットもありますが、運用成果は市場の状況によって変わるため、元本割れの可能性も理解したうえで利用することが大切です。

高収入だからこそ、保険や住宅ローン、教育費などの支出も大きくなりがちです。 資産運用に回す金額と、生活の安心感を保つための現金や保険のバランスを、定期的に見直すことが重要になります。 必要に応じてFPなどの専門家に相談し、一般的な目安と自分たちの価値観の両方を踏まえて判断していくと良いでしょう。

共働きのメリット・デメリット

ここでは、共働きのメリットとデメリットを整理します。 収入が増えることで家計に余裕が生まれる一方で、時間や心の負担が増える面もあります。

単に「お金が増えるから良い」「忙しくなるから大変」といった単純な話ではなく、貯蓄や教育費、老後資金への影響も含めて、総合的に考えることが大切です。 ご自身の家庭の状況と照らし合わせながら、どの働き方が合っているかを考えるヒントにしてみてください。

収入増がもたらす貯蓄・投資・教育費余裕

共働きの大きなメリットは、世帯の収入が増えることで、貯蓄や投資、教育費に回せるお金が増えやすい点です。 これにより、将来の選択肢を広げやすくなる可能性があります。

例えば、片働きで世帯年収500万円の家庭と、共働きで世帯年収800万円の家庭を比べると、生活費の基本部分はそれほど大きく変わらないことも多いです。 そのため、差額の一部を計画的に貯蓄や資産運用に回せば、老後の生活費や子どもの大学費用など、大きな資金を準備しやすくなります。

教育費についても、共働き世帯では「塾や習い事の選択肢を増やせる」「私立高校や大学も視野に入れやすい」といった面が出てきます。 ただし、教育費にお金をかけすぎると、親の老後資金が不足するリスクもあるため、「教育費」「老後資金」「日々の生活費」のバランスを意識することが大切です。

収入が増えると、つい生活レベルを上げたくなりますが、まずは家計の一定割合を先取りで貯蓄や投資に回す仕組みを作ると良いでしょう。 そのうえで、残りの範囲で生活を楽しむようにすると、将来への不安を抑えながら、今の生活も充実させやすくなります。

時間・家事・育児の負担と配分

共働きのデメリットとしてよく挙げられるのが、時間の余裕が減り、家事や育児の負担が増えることです。 特に小さな子どもがいる家庭では、仕事と育児の両立が大きなテーマになります。

夫婦ともにフルタイムで働いている場合、平日の夕方から夜にかけては、保育園や学童の迎え、夕食の準備、宿題の確認、寝かしつけなど、やることが重なります。 これをどちらか片方に任せてしまうと、不満や疲れがたまりやすくなり、長く続けるのが難しくなることもあります。

共働きを続けるには、家事や育児をできるだけ見える化し、夫婦で分担する意識が欠かせません。 例えば、食事づくりは週末に作り置きをしておき、平日は温めるだけにする、掃除はロボット掃除機に任せるなど、時間を生み出す工夫が役に立ちます。 一部の家事は外注サービスを利用することも、心身の負担を減らす方法の一つです。

また、子どもの年齢や発達段階によっても、親の関わり方は変わります。 忙しい時期ほど、「完璧を目指さない」「家族で助け合う」というスタンスを大切にしながら、無理のない働き方や役割分担を探っていくことが、共働きを長く続けるうえで重要になってきます。

正社員継続 vs 副業・働き方の選択

共働きといっても、正社員フルタイムだけが選択肢ではありません。 パートや時短勤務、副業を組み合わせるなど、家庭の状況に合わせた働き方を選ぶことも可能です。

正社員としてキャリアを継続するメリットは、安定した給与と社会保険の保障、将来の年金額の増加が期待しやすい点にあります。 一方で、勤務時間や勤務地の自由度が低く、子育てや介護との両立が難しく感じる場面も出てくるかもしれません。

パートや時短勤務は、時間の自由度が高まり、家事や育児との両立がしやすくなる傾向があります。 ただし、年収が一定額を超えると、税金や社会保険料の負担が増えるため、「どのくらい働くか」を意識的に決める必要があります。 副業については、勤務先の就業規則で認められているかを確認し、税金の申告方法も含めて理解しておくことが大切です。

どの働き方が正解かは、家族構成や住んでいる地域、勤務先の制度などによって変わります。 一時的に働き方をセーブする時期があっても、長い目でキャリアと家計をどうつなげていくかを考える視点があると、選択肢を広く持ちやすくなります。

世帯年収別の支出内訳

ここでは、世帯年収別に見た支出の内訳について考えていきます。 住居費や食費、教育費、通信費など、主な支出項目が手取りのどのくらいを占めているかを知ると、家計のバランスをチェックしやすくなります。

世帯年収が違っても、基本的な支出の考え方は共通しています。 自分たちの家計簿と照らし合わせながら、「かけすぎている部分」「もう少し増やしたい部分」を整理していきましょう。

住居費・食費・教育費・通信費の目安と世帯年収別の割合

家計の中で大きな割合を占めるのが、住居費、食費、教育費、通信費です。 これらの目安を世帯年収別にイメージしておくと、自分の家計が無理のない範囲かどうかを判断しやすくなります。

住居費は、手取り月収の25パーセント前後を一つの目安とする考え方がよく使われます。 世帯の手取りが月30万円なら7万〜8万円台、40万円なら10万円前後が目安になりますが、地域の家賃水準によっては、この割合が上下することもあります。 住宅ローンの場合は、金利や返済期間も含めて、将来の負担を見通すことが重要です。

食費は、成人2人と子ども1人の家庭で、手取りの10〜15パーセント程度が一つの目安とされることがあります。 外食や中食をどのくらい利用するかで大きく変わるため、「平日は簡単に、休日は少しゆとりを持つ」など、家庭ごとのスタイルに合わせて調整すると良いでしょう。 通信費は、スマホ代とインターネット代を合わせて、手取りの5パーセント前後に収まると、家計全体としてはバランスが取りやすくなります。

教育費は、子どもの人数や進路によって差が大きい項目です。 世帯年収が高いほど教育費の割合も増えやすいですが、将来の資産形成とのバランスを意識することが大切です。 家計調査などの平均データを参考にしつつ、自分たちの価値観に合った支出配分を考えていきましょう。

共有口座・家計簿・ルール作りの具体策

共働き世帯では、収入源が2人分あるため、お金の流れが複雑になりやすいです。 そのため、家計管理の方法を夫婦で共有し、ルールを決めておくと、無駄なストレスを減らしやすくなります。

一つの方法として、生活費用の共有口座を作り、そこに毎月一定額を入金するやり方があります。 例えば、家賃や食費、光熱費、通信費などの固定費は共有口座から支払い、残りはそれぞれの自由なお金とする形です。 世帯年収や手取りの比率に応じて、負担割合を決める家庭もあれば、同額を出し合う家庭もあります。

家計簿については、細かくつけるのが負担であれば、まずは大きな項目だけを月単位で把握するところから始めても十分です。 家計簿アプリを使えば、クレジットカードや電子マネーの明細を自動で取り込めるため、共働きでも続けやすくなります。 家計の全体像が見えてくると、「固定費をどこまで下げられるか」「貯蓄に回せる余裕はどのくらいか」が分かりやすくなります。

ルール作りでは、「いくら以上の買い物は相談する」「ボーナスの何割を貯蓄に回すか」など、事前に決めておくと安心です。 完璧なルールを作る必要はありませんが、定期的に見直す時間を持つことで、お金に関する価値観のズレを小さくし、共働きのメリットを生かしやすくなります。

ふるさと納税・各種控除・保険見直し

共働き世帯では、世帯年収が増える分、税金の負担も大きくなりがちです。 そのため、ふるさと納税や各種控除、保険の見直しなどを上手に活用すると、手取りの実感を高めやすくなります。

ふるさと納税は、一定の上限額まで寄付を行うことで、所得税と住民税の一部が控除される制度です。 共働きの場合、夫婦それぞれが自分の年収に応じた上限額の範囲で利用できます。 ただし、あくまで「税金の前払い+返礼品」という位置づけなので、寄付額を増やしすぎると、短期的な家計の負担が大きくなる点には注意が必要です。

各種控除としては、医療費控除や生命保険料控除、iDeCoの掛金に対する所得控除などがあります。 これらを活用することで、課税所得を抑えられる可能性がありますが、条件や上限額は制度ごとに異なります。 最新の税制や制度内容は、国税庁や金融機関の公式サイトで確認しておくと安心です。

保険の見直しも、共働き世帯にとって重要なテーマです。 世帯主だけでなく、配偶者の収入や貯蓄額を踏まえて、必要な保障額を再検討することで、保険料を抑えながらも、万一のリスクに備えられる可能性があります。 過不足のない保険設計を考える際には、家計全体の収支と資産状況を整理したうえで、必要に応じて専門家に相談する方法もあります。

共働きでの資産形成・貯蓄・保険の設計

ここでは、共働き世帯が資産形成や貯蓄、保険をどのように設計していくかを考えます。 世帯年収が増える分、将来に向けて準備できるお金も増えやすくなりますが、計画がないと使い切ってしまうこともあります。

年代別の貯蓄率の目安や、保険の考え方、少額投資の活用方法などを整理し、自分たちの家計に合ったペースで資産形成を進めるヒントをお伝えします。

年代別の貯蓄率と目安

共働き世帯が資産形成を考えるとき、まず意識したいのが「貯蓄率」です。 貯蓄率とは、手取り収入のうち、どのくらいの割合を貯蓄や投資に回しているかを示す目安です。

20代〜30代前半の共働き夫婦では、まだ子どもがいない、または子どもが小さいことも多く、比較的貯蓄に回しやすい時期と言われます。 この時期に手取りの15〜20パーセント程度を貯蓄や投資に回せると、将来の住宅購入や教育費、老後資金の土台づくりがしやすくなります。 ただし、転職や出産などライフイベントが重なると、一時的に貯蓄率が下がることも自然な流れです。

30代後半〜40代になると、住宅ローンや教育費の負担が増え、貯蓄率を維持するのが難しくなる家庭も多いです。 この時期は、無理に高い貯蓄率を目指すよりも、固定費の見直しや、ボーナス時の一括貯蓄などで、平均的な貯蓄ペースを保つ意識が大切になります。 手取りの10〜15パーセントを目安にしつつ、余裕がある年に上乗せするイメージを持つと良いでしょう。

50代以降は、老後資金の最終調整の時期になります。 子どもの教育費が一段落するタイミングで、貯蓄率を再び高めることができれば、退職後の生活費に対する不安を和らげやすくなります。 いずれの年代でも、「今いくら貯まっているか」「毎月いくら増えているか」を把握し、年に一度は見直す習慣を持つことが、共働き世帯の資産形成には役立ちます。

保険の見直しとリスク管理:世帯主・配偶者それぞれの考え方

共働き世帯では、保険の考え方も片働き世帯とは少し変わります。 世帯主だけでなく、配偶者にも収入があるため、万一のときの家計への影響を、それぞれについて考える必要があります。

まず、世帯主に万一のことがあった場合を想定すると、残された家族の生活費や住宅ローン、教育費などをどのようにカバーするかがポイントになります。 団体信用生命保険に加入している住宅ローンであれば、ローン残高がゼロになる可能性がありますが、生活費や教育費は別途確保する必要があります。 公的な遺族年金も含めて、どのくらいの期間、いくら必要かを整理すると、必要な生命保険の金額が見えやすくなります。

配偶者に収入がある場合、万一の際にも一定の所得が続くため、片働き世帯よりも必要な保障額を抑えられるケースもあります。 一方で、配偶者が家事や育児を多く担っている場合、その役割を外部サービスで補うコストが発生することもあります。 この点も含めて、世帯主と配偶者それぞれの役割と収入を踏まえた保険設計が重要です。

医療保険や就業不能保険などについても、会社の福利厚生や健康保険組合の給付内容を確認したうえで、上乗せが必要かどうかを検討すると良いでしょう。 過剰な保険料は家計を圧迫しますが、足りない保障は将来の大きな不安につながります。 共働き世帯ならではのリスクと安心のバランスを意識しながら、定期的な見直しを行うことが大切です。

少額投資・iDeCo・つみたてNISAでの資産運用

共働き世帯が長期的な資産形成を考えるうえで、少額投資やiDeCo、つみたてNISAは、有力な選択肢の一つになります。 これらは毎月の負担を抑えつつ、時間を味方につけて資産を増やすことを目指す仕組みです。

つみたてNISAは、一定の投資枠の中で購入した投資信託の運用益が、非課税になる制度です。 共働きの場合、夫婦それぞれが口座を持つことができるため、世帯全体での非課税枠を広く使える可能性があります。 ただし、元本が保証されているわけではなく、価格が上下するリスクがある点は理解しておく必要があります。

iDeCoは、老後資金づくりを目的とした制度で、掛金が所得控除の対象となり、所得税や住民税の負担を軽減できる可能性があります。 一方で、原則として60歳まで引き出せないため、生活費としてすぐに使うお金とは分けて考えることが大切です。 共働き世帯では、片方はiDeCoを重視し、もう片方はつみたてNISAを中心にするなど、役割分担をする方法もあります。

少額投資を始める際は、生活防衛資金として、数か月分の生活費を現金で確保してから、余裕資金の範囲で行うことが望ましいです。 商品選びや運用の方針について迷う場合は、一般的な情報を参考にしつつ、最終的な判断は自分たちのリスク許容度とライフプランに合わせて行うようにしましょう。

共働きとの相性

共働きが自分たちの家庭に合っているかどうかは、世帯年収や平均年収だけでは判断できません。 住んでいる地域の生活コストや、子どもや高齢の家族の有無、将来の希望など、さまざまな要素が関係してきます。

ここでは、地域差や家族構成、将来設計といった観点から、共働きとの相性を考えていきます。 一度決めた働き方を固定するのではなく、ライフステージに応じて柔軟に見直す視点も大切です。

地域差と生活コストの影響

共働きの必要性やメリットは、住んでいる地域によって大きく変わります。 都市部と地方では、住居費や保育料、交通費などの生活コストが大きく異なるためです。

例えば、首都圏の中心部では家賃や住宅価格が高く、世帯年収が同じでも、住居費が家計に占める割合が大きくなりがちです。 そのため、片働きでは家計が厳しく、共働きでないと住宅ローンや教育費の負担に耐えにくいケースもあります。 一方、地方では住居費が抑えられる代わりに、車の維持費やガソリン代がかかるなど、別の形で支出が発生します。

保育料や子育て支援の内容も、自治体によって差があります。 同じ世帯年収でも、住んでいる場所によって、保育料の負担や給付金の有無が違うため、「友人の家庭と比べて損をしている」と感じることもあるかもしれません。 しかし、地域ごとの制度はそれぞれの財政や人口構成に基づいて設計されているため、単純な比較は難しいのが実情です。

共働きを続けるかどうかを考える際には、自分たちの地域の家賃相場や保育料、通勤時間などを総合的に見て判断することが大切です。 必要に応じて、転居や勤務先の変更も選択肢に入れながら、「家族にとって無理のない生活コストはいくらか」を考えていくと、共働きとの相性が見えやすくなります。

子ども・高齢者がいる場合の考え方

子どもや高齢の家族がいるかどうかは、共働きとの相性を考えるうえで大きな要素になります。 人数や年齢、健康状態によって、必要な時間とお金の両方が変わってくるためです。

小さな子どもがいる場合、保育園や幼稚園、学童保育の利用が前提になることが多く、保育料や送迎の時間をどう確保するかが課題になります。 共働きによって世帯年収が増えても、保育料や外食費、ベビーシッター代などの支出が増えると、「思ったほど家計に余裕が出ない」と感じることもあります。 一方で、将来の教育費や老後資金の準備を進めるうえでは、共働きの収入は大きな支えになります。

高齢の親と同居している場合や、介護が必要な家族がいる場合は、時間の制約がさらに大きくなります。 介護サービスやデイサービスを利用することで、共働きが続けやすくなることもありますが、自己負担額や送迎の負担も考慮する必要があります。 家族だけで抱え込まず、地域の支援制度や相談窓口を活用することも重要です。

子どもや高齢の家族がいるからといって、必ずしも片働きが正解とは限りません。 共働きの収入を活かして、外部のサービスや支援を積極的に利用することで、家族全体の負担を軽くできる場合もあります。 家族構成と支出、時間の使い方をセットで考え、自分たちにとって現実的な働き方を探っていくことが大切です。

将来設計と共働きの役割

共働きの意義を考えるとき、目先の収入だけでなく、将来設計の中でどのような役割を持たせるかが重要になります。 老後の生活費や住宅ローンの完済時期、子どもの教育費など、長期的なイベントを見通すことで、今どのくらい働くべきかが見えてきます。

例えば、「60歳以降も一定の生活水準を保ちたい」「子どもを大学まで進学させたい」といった希望がある場合、それに必要な資金を大まかに試算し、逆算して今の貯蓄ペースや共働きの必要性を考える方法があります。 このとき、年金や退職金、住宅ローンの残高なども含めて、家計全体を俯瞰することが大切です。

共働きには、短期的な収入増だけでなく、キャリアの継続という側面もあります。 特に女性の場合、一度専業主婦になると、再就職で同じ水準の年収を得るのが難しいケースも少なくありません。 将来の選択肢を広げる意味で、働き方を完全に手放さず、パートや副業などでつながりを保つという考え方もあります。

最終的には、「どのような生活を送りたいか」「何にお金と時間を使いたいか」という価値観が、共働きの是非を左右します。 世帯年収や平均年収の数字にとらわれすぎず、自分たちの家族にとって納得のいく将来設計を描き、その中で共働きをどう位置づけるかを考えていくことが大切です。

まとめ

共働き世帯の平均年収や世帯年収は、年代や地域、働き方によって大きく変わります。 数字だけを見て一喜一憂するのではなく、自分たちの家計の収入と支出、貯蓄の状況を照らし合わせながら、無理のない働き方を考えることが大切です。

税金や社会保険料、配偶者控除などの制度は、手取り額や将来の年金、給付に影響します。 また、住宅費や教育費、保険、資産運用のバランスを整えることで、共働きのメリットを生かしやすくなります。 どの選択が最適かは各家庭によって異なるため、一般的な情報を参考にしつつ、最終的な判断はご自身の責任で行う必要があります。

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この記事を書いた人

田中 壮のアバター 田中 壮 株式会社TFPグループ代表取締役

2009年、株式会社STEPに入社し、システム開発を担当。市川市消防局でのレスキュー隊の経験を経て、2013年にプルデンシャル生命保険株式会社に入社し保険業界へ。2014年には個人保険販売ランキングで全社営業マン約4,000人中4位となり、2015年に営業所長に就任。その後、保険代理店(株式会社イコールワン)を共同創業。2018年に株式会社TFPグループを設立し、代表取締役に就任。自身はMDRT(生命保険・金融サービスの専門家が所属するグローバル組織)2024年度TOT(トップ・オブ・テーブル/最上級の資格)基準を達成。

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