家計簿が続かない理由と続けるコツ・方法5選

家計簿続かない

監修者

監修者
田中壮

TFPグループ 代表取締役 田中 壮

2009年、株式会社STEPに入社し、システム開発を担当。市川市消防局でのレスキュー隊の経験を経て、2013年にプルデンシャル生命保険株式会社に入社し保険業界へ。2014年には個人保険販売ランキングで全社営業マン約4,000人中4位となり、2015年に営業所長に就任。その後、保険代理店(株式会社イコールワン)を共同創業。2018年に株式会社TFPグループを設立し、代表取締役に就任。自身はMDRT(生命保険・金融サービスの専門家が所属するグローバル組織)2024年度TOT(トップ・オブ・テーブル/最上級の資格)基準を達成。

家計簿を始めても、三日坊主で終わってしまう人は少なくありません。忙しい中でお金の管理を続けるのは、思った以上に負担が大きいものです。

この記事では、家計簿が続かない原因を整理しながら、ムリなく続けるコツや具体的な方法を解説します。アプリや手書きなどのツールの選び方も紹介するので、自分に合うやり方が見つかるはずです。

家計の全体像をざっくりでも把握できれば、節約や貯金の計画も立てやすくなります。まずは気楽な気持ちで読み進めてみてください。

目次

家計簿が続かない本当の理由

家計簿が続かないと感じるとき、多くの人は「自分の性格のせい」と考えがちです。しかし実際には、やり方や家計簿の目的が合っていないことが原因になっている場合が多いです。

この章では、家計簿が続かない代表的な理由を三つに分けて整理します。時間や手間の問題、モチベーションの低下、ツール選びのミスマッチなどを確認しながら、自分に当てはまるポイントを探してみてください。

時間・手間がネックで続かない

家計簿が続かない一番多い理由は、「時間がかかり過ぎてしまうこと」です。仕事や家事、育児で一日が終わると、レシートを広げて細かく記入する気力が残っていない人も多いでしょう。

特に手書きのノートで、食費や日用品、交際費などを細かく分類しようとすると、どうしても作業時間が長くなります。さらに、クレジットカードや電子マネーの明細も確認しようとすると、管理の手間は一気に増えてしまいます。

家計簿は「毎日きっちりつけるもの」と考えるほど、負担が増えて挫折しやすくなります。たとえば、1円単位まで計算したり、すべての費用を完璧に分類したりしようとすると、家計簿を開くこと自体がストレスになりかねません。

続けるためには、家計簿にかける時間をあらかじめ決めておき、その範囲でできることだけをする考え方が大切です。最初から完璧を目指さず、「ざっくり家計の流れが分かれば十分」と割り切るだけでも、気持ちがかなり楽になります。

目的があいまいでモチベーションが続かない

家計簿は、つけること自体が目的になると続きにくくなります。なぜなら、家計簿は書いた瞬間に生活が変わるものではなく、効果を実感するまで時間がかかるからです。

たとえば、「なんとなく節約したいから」「周りがやっているから」という理由だけで始めると、忙しい日が続いたときに優先度が下がりやすくなります。家計簿を開いても、「この作業が自分の将来にどう役立つのか」が見えにくいと、モチベーションが保ちにくいのです。

そこで大切なのが、「家計簿を続けて、何をしたいか」を具体的にしておくことです。たとえば、年間でいくら貯金したいか、教育費や旅行資金をどのくらい準備したいかなど、目標額や期間をざっくり決めておくと、数字を見る意味がはっきりしてきます。

家計簿は、毎月の収支の流れを把握し、ムダな出費や改善点を見つけるためのツールです。この「目的」を意識できると、多少面倒な日があっても、「将来の安心のためだから続けよう」と気持ちを切り替えやすくなります。

ツールや方法が合わない

家計簿が続かない背景には、自分に合わないツールを使っていることもあります。スマホが苦手なのにアプリを無理に使っていたり、逆に紙が面倒なのに手書きにこだわっていたりすると、どうしてもストレスがたまりやすくなります。

たとえば、数字や細かい分類が苦手な人が、費目をたくさん設定したエクセル家計簿を使うと、入力だけで疲れてしまいます。クレジットカードや銀行口座との自動連携機能を使えば手間を減らせるのに、それを知らずにすべて手入力しているケースも少なくありません。

また、家計簿アプリには、レシート撮影で自動入力できるものや、グラフで支出の傾向を見せてくれるものなど、機能の違いがあります。自分が知りたいのは「細かい明細」なのか、「大まかな支出のバランス」なのかによって、選ぶべきツールは変わってきます。

家計簿は、続けること自体に意味があります。ツールに自分を合わせるのではなく、自分の生活リズムや性格に合った方法を選ぶことで、家計管理のハードルを下げることができます。いくつか試しながら、負担の少ないスタイルを探していく姿勢が大切です。

続かない人向けの考え方とメンタル対策

家計簿を続けるには、やり方だけでなく、考え方を少し変えることも重要です。完璧を求め過ぎると、少しさぼっただけで「もうだめだ」と感じてしまい、挫折につながりやすくなります。

この章では、家計簿を長続きさせるためのメンタル面の工夫を紹介します。完璧主義を手放す考え方や、最小限のステップから始める方法、あえて家計簿をやめた方が良い場合の判断基準についても触れていきます。

完璧主義をやめる

家計簿が続かない人の多くは、「きちんとやらなければ意味がない」と考えがちです。毎日欠かさず記入し、1円単位までピッタリ合わせないと落ち着かない人ほど、少しでもズレが出るとやる気を失いやすくなります。

しかし、家計の管理で大切なのは、細かい数字の正確さよりも、「どの費用にどれくらいお金が流れているか」をつかむことです。食費が増えているのか、日用品が多いのか、固定費が家計を圧迫しているのかなど、ざっくりした傾向を知るだけでも、十分な意味があります。

たとえば、レシートを数日分ためてしまっても、思い出せない細かい支出は「その他」にまとめてしまって構いません。財布の中の現金と家計簿の残高に少し差があっても、毎月の大まかな収支が分かっていれば、家計の改善にはつなげられます。

完璧主義をやめるには、「家計簿は家計の写真のようなもの」と考えると楽になります。多少ブレていても、全体の雰囲気が分かれば十分と割り切ることで、気軽に続けられるようになるはずです。

最小単位で始める

家計簿を始めるとき、最初から食費、日用品、通信費、交際費、娯楽費など、細かく項目を分けようとすると、どうしてもハードルが高くなります。忙しい日が続くと、記入や分類が追いつかず、そのまま挫折してしまう人も多いです。

続けやすくするには、「最小単位」でスタートするのがおすすめです。たとえば、最初の1カ月は「収入」「固定費」「その他」の三つだけに分けて記録してみる方法があります。家賃や保険料、通信費などの固定費は毎月ほぼ同じなので、まずはここを把握するだけでも家計の土台が見えてきます。

そのうえで、余裕が出てきたら「食費」と「日用品」だけを分けてみる、さらに慣れてきたら「交際費」や「娯楽費」を追加するなど、少しずつ費目を増やしていくと負担が少なくなります。家計簿アプリでも、最初はデフォルトの項目だけを使い、後から自分なりにカスタマイズしていくと無理がありません。

大事なのは、「家計簿を完璧にすること」ではなく、「家計の流れを継続的に見られる状態にすること」です。最小限から始めて、続けながら少しずつ改善していく方が、結果的に家計管理の効果も感じやすくなります。

家計簿をやめたほうがいい場合の判断基準

中には、家計簿をつけること自体が大きなストレスになり、生活の質を下げてしまっている人もいます。その場合は、家計簿にこだわるより、別の方法で家計を整えた方が良いケースもあります。

たとえば、家計簿をつけるたびに「なんでこんなに使ってしまったのだろう」と自分を責めてしまう人は、家計管理が精神的な負担になっている可能性があります。また、家族とのお金の価値観の違いが表面化し、ケンカのきっかけになっている場合も注意が必要です。

やめた方が良いかどうかの目安としては、「家計簿を続けることで得られる安心感」と「作業にかかるストレス」を比べてみると判断しやすくなります。ストレスの方が明らかに大きいと感じるなら、家計簿ではなく、先取り貯金や固定費の見直しなど、よりシンプルな方法に切り替える選択肢もあります。

家計管理の方法は、人それぞれで正解が違います。家計簿を必ず続けなければならないわけではないので、自分や家族にとって無理のないやり方を選ぶことが、長い目で見ると大切だといえるでしょう。

続けるコツ・方法5選

ここからは、家計簿が続かない人でも取り入れやすい、具体的なコツや方法を紹介します。ポイントは、手間を減らしつつ、家計の全体像はきちんと把握できる仕組みを作ることです。

自動連携アプリやレシート撮影機能の活用、固定費と変動費の分け方、ポイント還元の見方など、実際の生活で使いやすい工夫をまとめました。自分の生活スタイルに合いそうなものから、一つずつ試してみてください。

自動連携アプリを使う

家計簿の一番の負担は、「毎回入力する手間」です。これを減らすために役立つのが、銀行口座やクレジットカードと自動連携できる家計簿アプリです。入出金データを自動で取り込んでくれるので、手入力の回数を大きく減らせます。

たとえば、給与が振り込まれる口座と、普段使うカードをアプリに登録しておけば、毎月の収入と支出の流れが自動で記録されます。家賃や保険料、通信費などの固定費も、口座引き落としにしておけば、家計簿側で自動反映されるため、管理がかなり楽になります。

自動連携アプリの中には、支出を食費や日用品などの項目に自動分類してくれるものもあります。完全に正確とは限りませんが、あとからざっくり修正するだけで済むので、ゼロから入力するより負担は小さいです。無料で使える人気アプリも多く、まずは試しに使ってみる価値は十分あるでしょう。

ただし、金融機関との連携には、セキュリティ面の確認が欠かせません。提供元の会社の情報や、データの取り扱い方針をよく読んだうえで、自分が安心できる範囲で活用することが大切です。アプリに頼り過ぎず、月に一度は明細を見直す習慣をつけると、家計の把握力も高まります。

レシート撮影とレシート管理で入力を短縮

現金での支払いが多い人にとっては、レシートの管理が家計簿の大きなネックになります。そこで便利なのが、スマホでレシートを撮影するだけで、金額や日付を読み取ってくれる家計簿アプリです。手書きやエクセルで入力するより、作業時間をかなり短縮できます。

レシート撮影を活用するコツは、「ため込まない仕組み」を作ることです。たとえば、帰宅して財布を片付けるタイミングでレシートを撮影してしまう、週末にまとめて撮る日を決めておくなど、自分なりのルールを決めると続けやすくなります。

撮影したレシートは、一定期間とっておき、月末の見直しが終わったら処分するなど、シンプルな管理方法にしておくと良いでしょう。家族が多い場合は、キッチンや玄関に「レシート入れ」を用意し、みんながそこに入れるルールにすると、家計の全体像もつかみやすくなります。

レシート撮影機能は、完璧な精度ではないため、時々誤認識が起こることもあります。それでも、金額や店舗名が自動で入るだけで、ゼロからの入力よりは大きな時短になります。細かい誤差は気にし過ぎず、家計全体の傾向をつかむための道具として、気楽に使うことが大切です。

固定費と変動費を分けて予算設定する

家計簿を続けるうえで、「何を見れば良いのか分からない」と感じる人も多いです。その場合は、まず家計を「固定費」と「変動費」に分けて考えると、収支の流れが整理しやすくなります。固定費とは、家賃や保険料、通信費など、毎月ほぼ同じ金額が出ていく支出のことです。

一方、食費や日用品、交際費、娯楽費など、月によって変動する支出が変動費です。家計簿では、固定費の合計と収入を比べて、「毎月必ず出ていくお金がいくらか」を把握することが第一歩になります。そのうえで、残ったお金を変動費と貯金にどう配分するかを考える流れです。

予算を立てるときは、最初から理想を追い求めるより、直近数カ月の実績をもとに「現実的な金額」を設定する方が続けやすくなります。たとえば、食費が毎月4万円前後なら、いきなり2万円にするのではなく、まずは3万5千円を目標にしてみるなど、少しだけ下げるイメージです。

固定費は、一度見直すと長期間効果が続きやすい項目です。格安スマホへの変更や、保険料の見直しなどは、家計全体に与える影響も大きくなりがちです。ただし、契約内容や保障範囲は人によって適切さが異なるため、必要に応じて専門家に相談しながら、無理のない範囲で検討することが大切です。

ポイント還元や還元率を活用してモチベーションにする

家計簿は、「お金が減っていく様子を見るだけ」と感じると、どうしても気持ちが沈みがちになります。そこで、ポイント還元やキャッシュレス決済の特典を、家計管理の楽しみの一つとして取り入れる方法があります。支出を記録するたびに、「どれだけポイントが貯まったか」も意識すると、前向きな気持ちになりやすいです。

たとえば、楽天カードやタッチ決済対応のカードなどは、対象店舗でのポイント還元率が高い場合があります。家計簿アプリの中には、カードの明細と連携し、ポイントの獲得状況も一緒に見られるものもあります。日々の支出が、将来の旅行や日用品の交換につながると分かると、家計管理のモチベーションにもなります。

ただし、ポイントを意識し過ぎると、「還元率が高いから」と本来必要でないものまで買ってしまうリスクもあります。家計簿上で、ポイントを含めた実質負担額を意識しつつも、「ポイントのためにお金を使い過ぎていないか」を定期的に振り返ることが大切です。

ポイント制度や対象店舗、年会費の条件などは、カード会社や時期によって変わる可能性があります。家計に合った使い方をするためにも、最新の情報を公式サイトなどで確認し、自分にとって無理のない範囲で活用するようにしましょう。

月1回のグラフ可視化で改善点を見つける

家計簿を続けるには、「つけっぱなし」にしないことが重要です。毎日の記録だけで終わらせず、月に1回は全体を振り返る時間を作ると、家計管理の効果を実感しやすくなります。このとき役立つのが、支出をグラフで可視化する機能です。

多くの家計簿アプリには、費目ごとの支出を円グラフや棒グラフで表示する機能があります。グラフを見ると、食費や娯楽費など、どの項目にお金が偏っているかが一目で分かります。手書き派の人も、月末に費目ごとの合計を出して、簡単なグラフをノートに描いてみると、視覚的に把握しやすくなります。

月1回の振り返りでは、「どこを減らすか」だけでなく、「どこは今のままで良いか」も確認することが大切です。たとえば、教育費や将来のための貯金、NISAなどの投資に回しているお金は、無理に削るより、継続を優先した方が安心につながる場合もあります。

グラフを見ながら、「来月は外食を1回減らしてみよう」「通信費のプランを見直せるか調べてみよう」など、具体的な一歩を一つだけ決めておくと、家計簿が「行動につながるツール」に変わっていきます。完璧な分析は必要ないので、自分なりの気づきをメモする程度から始めてみると良いでしょう。

おすすめアプリ・ツール比較

家計簿を続けやすくするには、自分の生活スタイルに合ったアプリやツール選びが欠かせません。同じ家計簿アプリでも、機能や連携のしやすさ、年会費の有無などが異なり、人によって使いやすさが変わります。

この章では、代表的な家計簿アプリであるZaimや楽天関連のツールを中心に、機能や特徴を整理します。あわせて、手書きのノートやエクセルが向いている人のタイプや、選ぶときの考え方も紹介するので、比較の参考にしてみてください。

Zaim・楽天・その他の機能と特徴

家計簿アプリの中でも、Zaimは長く利用されている人気のサービスです。銀行口座やクレジットカード、電子マネーとの連携に対応しており、自動で明細を取り込めるのが大きな特徴です。レシート撮影機能もあり、現金支出の入力もある程度自動化できます。

一方、楽天経済圏をよく利用する人には、楽天カードや楽天銀行、楽天ペイなどと連携しやすいツールが便利です。楽天ポイントの獲得状況や、対象店舗での支出をまとめて把握しやすく、家計簿とポイント管理を同時に行いたい人に向いています。楽天関連のサービスは、ポイント還元率が高いキャンペーンを行うことも多く、家計簿上でその効果を確認しやすい点も特徴です。

  • 自動連携の対応口座やカードの種類
  • レシート撮影やグラフ表示などの機能
  • 無料で使える範囲と、有料プランの内容

これらを比較しながら、自分がよく使う銀行口座やカードに対応しているかを確認すると、ミスマッチを減らせます。アプリごとに操作性も違うため、いくつか試してみて、画面の見やすさや入力のしやすさで選ぶのも一つの方法です。

年会費や自動化機能の比較

家計簿アプリや関連サービスを選ぶときは、年会費や有料プランの料金、自動化機能の範囲もチェックしておきたいポイントです。無料でも十分使えるアプリは多いですが、口座連携の数やデータ保存期間などに制限がある場合があります。

有料プランでは、連携できる銀行口座やカードの数が増えたり、広告が非表示になったり、より細かい分析機能が使えるようになるケースが一般的です。家計の資産全体を一つのアプリで管理したい人にとっては、こうした自動化機能の充実度が、負担の軽さに直結します。

ただし、年会費や月額料金を払う価値があるかどうかは、家計の規模や使い方によって異なります。たとえば、口座やカードの数が少ない人や、ざっくりした支出把握が目的の人であれば、無料プランで十分と感じることも多いでしょう。逆に、複数の銀行口座や証券口座を持ち、NISAなどの投資も含めて資産全体を管理したい人は、有料プランの方が便利な場合もあります。

サービスによっては、一定期間の無料トライアルが用意されていることもあります。まずは無料で試し、自分の家計管理にどれだけ役立つかを確認したうえで、必要に応じて有料プランを検討する流れが安心です。料金や機能は変更されることがあるため、最新の条件を公式サイトでチェックしておくことも忘れないようにしましょう。

手書き・手帳・エクセルが合う人の特徴

家計簿アプリが主流になりつつありますが、手書きのノートや手帳、エクセルでの管理が合う人も少なくありません。大切なのは、どの方法が自分にとってストレスが少なく、続けやすいかという点です。

手書きや手帳での家計簿は、「書くことで記憶に残りやすい」「自分好みにレイアウトを変えられる」というメリットがあります。数字が苦手でも、色ペンや付せんを使って、視覚的に分かりやすく整理できるため、アナログ作業が好きな人には向いています。日々の出来事や気づきを一緒にメモしておくと、生活の記録としても楽しめます。

エクセルは、パソコンで作業するのが苦にならない人にとって、柔軟性の高いツールです。自分で費目や集計方法を自由に設定できるので、家計の状況に合わせて細かくカスタマイズできます。関数を使えば、毎月の集計や年間の収支の計算も自動化しやすく、家計の傾向を長期的に追いかけたい人に向いていると言えるでしょう。

一方で、どの方法も「入力の手間」はゼロにはなりません。スマートフォンでの入力が苦痛でないなら、アプリと併用し、ざっくりした記録はアプリ、詳しいメモはノートというように、役割を分ける方法もあります。自分の性格や生活スタイルを振り返りながら、無理なく続けられる組み合わせを探してみてください。

目的・連携・時間で選ぶ

家計簿ツールを選ぶときに迷ったら、「目的」「連携」「時間」の三つの視点で考えると整理しやすくなります。まずは、家計簿を通じて何を知りたいのかを明確にすることが大切です。毎月の食費を抑えたいのか、年間の貯金額を把握したいのか、資産全体のバランスを見たいのかによって、必要な機能は変わります。

次に、どの口座やカードと連携したいかを考えます。給与の振込口座や、よく使うクレジットカード、電子マネーなど、自分の家計の「メインの流れ」に対応しているアプリを選ぶと、手入力を減らせます。反対に、よく使うサービスに対応していないと、入力の手間が増え、続けにくくなる可能性があります。

最後に、「家計簿にどれくらい時間をかけられるか」を現実的に考えてみましょう。毎日5分なら続けられそうなのか、週末にまとめて30分なら確保できるのかなど、自分の生活リズムに合わせて決めるイメージです。かけられる時間が少ない場合は、自動連携やレシート撮影など、入力を自動化できる機能を重視すると良いでしょう。

ツール選びは、一度決めたら変えてはいけないものではありません。使ってみて合わなければ、別の方法に切り替えても問題はないので、「まずは試してみる」くらいの気持ちで、気楽に選んでいくことが、家計管理を長続きさせるコツにもなります。

続かない家計簿を改善する具体的ステップ

ここからは、家計簿が続かない状況を、実際にどう改善していくかをステップごとに説明します。いきなり完璧な家計管理を目指す必要はなく、小さな行動を積み重ねることが大切です。

初めの1週間の過ごし方から、毎月の集計フロー、習慣化のための工夫まで、具体的な流れを紹介します。自分のペースに合わせて、できそうな部分から取り入れてみてください。

初めの1週間の流れ

家計簿を始める最初の1週間は、「続けるための土台作りの期間」と考えると気持ちが楽になります。いきなりすべての支出を完璧に管理しようとせず、必要最低限の準備と、簡単な記録から始めるのがポイントです。

1日目から2日目は、家計簿に使うツールを決めます。アプリを使うなら、銀行口座やクレジットカードとの連携設定を済ませておきましょう。手書きなら、ノートや手帳を用意し、「収入」「固定費」「その他」など、シンプルな項目だけを書き込んでおきます。

3日目から5日目は、実際に支出を記録してみる期間です。この段階では、費目の分類にこだわり過ぎず、「いつ」「いくら使ったか」だけでも構いません。レシートを撮影する、スマホにメモするなど、自分が続けやすい形で記録することを優先します。

6日目から7日目は、最初の1週間を軽く振り返るタイミングです。家計簿を見返し、「意外とコンビニで使っている」「外食が多かった」など、気づいたことを1つか2つメモしておきます。改善策をたくさん考えるより、「家計簿を開いて振り返る」という行動を習慣にすることを目標にすると、次の週にもつなげやすくなります。

毎月の集計フロー

家計簿をつけるだけでなく、毎月の集計フローを決めておくと、家計の全体像を把握しやすくなります。ここでは、無理なく続けられるシンプルな流れを紹介します。自分の生活に合わせて、時間のかけ方を調整してみてください。

月末か給料日の前後に、30分ほど家計簿を見直す時間をとります。まずは、収入の合計と固定費の合計を確認し、「毎月必ず出ていくお金」がいくらかを把握します。次に、食費や日用品、交際費などの変動費の合計を出し、全体の支出と比べてみましょう。

このとき、「予算と比べてどの項目が増えたか」「削るより優先したい支出はどれか」を簡単にメモしておくと、翌月の目標を立てやすくなります。たとえば、「今月は旅行で交際費が多かったので、来月は外食を少し減らして調整する」といったイメージです。

最後に、貯金や投資に回せた金額を確認します。たとえ少額でも、「今月はこれだけ将来のために残せた」と意識することで、家計簿の効果を実感しやすくなります。NISAなどの制度を利用している場合は、口座残高や投資額も合わせてチェックしておくと、資産全体のバランスが見えやすくなりますが、商品選びや運用方針は人によって適切さが異なるため、慎重に判断することが大切です。

トリガー設定・報酬設計で継続

家計簿を習慣にするには、「いつやるか」を決めておくことが重要です。これを「トリガー」と呼び、すでにある習慣に家計簿を結びつけると、続けやすくなります。たとえば、「夕食後に歯を磨いたら、そのまま5分だけ家計簿を開く」といったルールを作るイメージです。

トリガーを決めたら、「家計簿をつけたあとの小さなごほうび」も用意しておくと、モチベーションが続きやすくなります。好きなお茶を飲みながら作業する、週末に家計簿を1週間分つけ終えたら、ドラマを1本見るなど、自分にとってうれしいことをセットにしておく方法です。

報酬は、お金をかける必要はありません。家計簿アプリのグラフ機能で、支出が減った項目を見て達成感を味わうのも一つの「ごほうび」と言えます。家族と一緒に家計簿を見ながら、「今月は食費をうまく抑えられたね」などと話す時間を作ると、協力体制も整いやすくなります。

習慣化のポイントは、「できなかった日があっても、気にせず再開する」ことです。数日空いてしまっても、思い出せる範囲でざっくり記録し、またトリガーのタイミングに戻れば問題ありません。完璧を求めず、「続けようとする姿勢」を大切にすることで、家計簿は少しずつ生活の一部になっていきます。

改善点の見つけ方

家計簿の本来の目的は、「家計の改善点を見つけること」です。ただし、改善といっても、いきなり大きな節約を目指す必要はありません。毎月の記録から、小さな見直しポイントを一つずつ拾っていくイメージが現実的です。

改善点を探すときは、「金額が大きい項目」「回数が多い支出」「なんとなく使っているお金」の三つに注目すると整理しやすくなります。たとえば、家賃や保険料、通信費などの固定費は金額が大きいため、見直しができれば家計への影響も大きくなりやすいです。契約内容やプランを確認し、必要に応じて変更を検討する価値があります。

一方、コンビニでのちょこちょこ買いや、なんとなくのネットショッピングは、1回あたりの金額は小さくても、回数が多いと年間では相当な額になることがあります。家計簿で支出の回数や合計を確認し、「週に何回までにする」など、具体的なルールを決めてみると、ムダ遣いを減らしやすくなります。

改善は、家計全体のバランスを見ながら行うことが大切です。教育費や将来の資産形成のためのお金まで無理に削ると、長期的な安心が損なわれる場合もあります。自分や家族にとって何を優先したいのかを話し合いながら、無理のない範囲で調整していく姿勢が、家計を健全に保つうえで重要になります。

よくある悩みQ&A

家計簿に関する悩みは、人それぞれ状況が違いますが、共通するパターンも多くあります。この章では、「忙しくて家計簿がつけられない」「家族が協力してくれない」「何度も挫折してしまう」といった、よくある悩みに答えていきます。

自分の状況に近いQ&Aを参考にしながら、「完璧でなくてもいい」「やり方を変えてもいい」と気持ちを軽くして、家計管理との付き合い方を見直すきっかけにしてみてください。

「家計簿つけられない」「忙しい人」の対処法

仕事や育児、介護などで忙しい人にとって、毎日家計簿をつけるのは現実的に難しい場合があります。そのようなときは、「毎日つける前提」を手放し、「週1回」「月数回」のペースで家計を振り返るスタイルに切り替えるのも一つの方法です。

忙しい人に向いているのは、自動連携機能のあるアプリです。銀行口座やカードとの連携を設定しておけば、日々の支出は自動で記録されます。自分でやるのは、月に1回程度、アプリを開いて支出のグラフを眺め、「どの項目が多かったか」を確認する作業だけでも構いません。

現金支出が多い場合でも、レシートを財布にためておき、週末にまとめて撮影するだけなら、時間はそれほどかかりません。どうしても記録が追いつかない月があっても、「今月はざっくり把握で良し」と割り切り、次の月からまた再開すれば大丈夫です。

大切なのは、「家計簿を続けられないから自分はだめだ」と責めないことです。家計管理は長期戦なので、そのときの生活状況に合わせてペースを変えていく柔軟さが、結果的には継続につながります。忙しい時期ほど、完璧さよりも「最低限の把握」を目標にしてみてください。

家族が協力しない・夫婦で続かない時の工夫

家計簿は、一人で頑張り過ぎると負担が大きくなり、続けるのがつらくなることがあります。特に夫婦や家族で生活している場合、どちらか一方だけが家計管理を抱え込むと、不満やストレスにつながることもあります。

家族に協力してもらう第一歩は、「家計簿の目的を共有すること」です。たとえば、「教育費を準備したい」「数年後に旅行に行きたい」など、家族にとってうれしい目標を一緒に話し合うと、家計管理が前向きなテーマになりやすくなります。そのうえで、「毎月いくら貯金できたか」を一緒に確認する習慣をつくると、達成感も共有できます。

協力をお願いするときは、「家計簿をつけて」と頼むのではなく、「レシートをこの箱に入れておいてほしい」「クレジットカードの利用をこの1枚にまとめよう」など、具体的で小さな行動をお願いすると受け入れられやすいです。家計簿アプリを使うなら、家族で同じアカウントを共有し、支出を一緒に確認する方法もあります。

夫婦でお金の価値観が違う場合は、すべてを一つの財布で管理しようとせず、「共通の家計」と「お互いの自由に使うお金」を分ける方法も検討できます。どのやり方が良いかは家庭ごとに違うため、話し合いを重ねながら、お互いがストレスを感じにくい仕組みを探していくことが大切です。

挫折・三日坊主になったときの立て直し方法

家計簿を始めてみたものの、三日坊主で終わってしまった経験がある人は多いです。そのたびに「自分には向いていない」と感じてしまうかもしれませんが、やり方やハードルの設定を見直せば、立て直しは十分可能です。

挫折したときは、まず「なぜ続かなかったのか」を振り返ってみましょう。入力に時間がかかり過ぎたのか、項目が細かすぎたのか、ツールが使いにくかったのかなど、原因を一つだけでも言葉にしてみると、次の改善につながります。

次に、「半分だけの家計簿」を目指して再スタートしてみます。たとえば、固定費だけを把握する、食費だけを記録するなど、家計の一部に絞って管理する方法です。この範囲なら続けられそうだと感じるところから始めることで、成功体験を積みやすくなります。

三日坊主を繰り返しても、それは「自分に合わない方法を見つけた」という経験になります。アプリを変えてみる、手書きに戻してみる、月1回の振り返りだけにしてみるなど、試行錯誤を重ねること自体が、家計と向き合う大切なプロセスです。立て直しのたびに少しずつ自分に合う形に近づいていくと考えると、気持ちも前向きになりやすくなります。

続けるメリットとやめたときのリスク

家計簿を続けることには、数字が見えるようになる以外にも、さまざまなメリットがあります。一方で、家計簿を全くつけない場合、気づかないうちにお金の流れが不透明になり、将来の資金計画が立てにくくなるリスクもあります。

この章では、家計簿を続けることで得られる良い点と、やめた場合に起こり得る問題を整理します。どちらも絶対ではありませんが、自分の家計にとって、どの程度の管理が必要かを考えるヒントにしてみてください。

家計簿を続けるメリット

家計簿を続ける一番のメリットは、「家計の全体像が見えるようになること」です。毎月の収入と支出、貯金や投資に回している金額が分かると、将来に向けた資金計画を立てやすくなります。たとえば、数年後の教育費や、老後資金の準備ペースを考えるときにも、現在の家計データが役立ちます。

また、家計簿を通じて、自分や家族のお金の使い方の傾向が分かるようになります。外食が多いのか、日用品をまとめ買いし過ぎているのか、サブスクリプションのサービスが増え過ぎていないかなど、数字として見えることで、感覚だけでは気づきにくいムダ遣いも把握しやすくなります。

家計簿を続けることで、「今月はここを工夫して支出を抑えられた」「先取り貯金が予定どおりできた」といった小さな成功体験が積み重なります。これが、家計に対する安心感や、自分への信頼感につながっていくことも少なくありません。

ただし、家計簿の効果は人によって感じ方が違います。細かい管理がストレスになる人にとっては、シンプルな記録でも十分な場合があります。自分にとっての「ちょうど良いレベル」を見つけながら、無理のない範囲で続けることが大切です。

やめた場合のリスク

家計簿を完全にやめてしまうと、お金の流れが見えにくくなるリスクがあります。毎月どれくらい使っているのか、どの費用が増えているのかが分からないまま生活していると、気づかないうちに貯金が減っていたり、クレジットカードの支払いが家計を圧迫していたりする可能性もあります。

特に、クレジットカード払いや電子マネー決済が多い場合、現金よりも「使った感覚」が薄れやすくなります。家計簿で定期的にカード明細を確認しないと、固定費の増加や、使っていないサブスクリプションの継続に気づきにくくなります。結果として、年間で見ると相当な金額をムダにしていたということも起こり得ます。

また、家計簿がない状態では、将来に向けた資金計画を立てるのが難しくなります。教育費や住宅費、老後資金など、長期的な支出に備えるには、現在の家計の余力を把握しておくことが不可欠です。家計簿がないと、「なんとなく不安だけれど、どこから手をつけて良いか分からない」という状態が続きやすくなります。

とはいえ、家計簿をきっちりつけていない人がすぐに困るとは限りません。収入に余裕がある家庭や、支出が安定している人にとっては、簡単な残高確認だけで足りる場合もあります。自分の家計の状況や将来の希望を踏まえ、「どの程度の管理が必要か」を考えたうえで、家計簿の有無を判断することが大切です。

まとめ

家計簿が続かない背景には、時間や手間の負担、目的のあいまいさ、ツールのミスマッチなど、さまざまな理由があります。自分を責める前に、「なぜ続かなかったのか」を整理し、完璧を求め過ぎない考え方に切り替えることが、立て直しの第一歩になります。

続けやすくするには、自動連携アプリやレシート撮影機能を活用し、固定費と変動費を分けて家計の流れをシンプルに把握する方法が有効です。月1回のグラフでの振り返りや、小さな目標設定、トリガーと報酬を組み合わせた習慣づくりも、無理なく継続するためのコツになります。

家計簿を通じて得られるのは、数字の管理だけでなく、自分や家族のお金の使い方への理解や、将来への安心感です。ただし、最適なやり方や管理の細かさは人それぞれ異なります。本記事の内容は一般的な情報であり、最終的な判断はご自身の状況に合わせて行ってください。

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2009年、株式会社STEPに入社し、システム開発を担当。市川市消防局でのレスキュー隊の経験を経て、2013年にプルデンシャル生命保険株式会社に入社し保険業界へ。2014年には個人保険販売ランキングで全社営業マン約4,000人中4位となり、2015年に営業所長に就任。その後、保険代理店(株式会社イコールワン)を共同創業。2018年に株式会社TFPグループを設立し、代表取締役に就任。自身はMDRT(生命保険・金融サービスの専門家が所属するグローバル組織)2024年度TOT(トップ・オブ・テーブル/最上級の資格)基準を達成。

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