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年金の仕組みをわかりやすく解説!公的年金の種類や特徴についてもご紹介

2023.06.13
年金の仕組みをわかりやすく解説!公的年金の種類や特徴についてもご紹介

※この記事は商品プロモーションを含むことがあります。

老後に受け取れるという認識のある年金ですが、とりあえず年金保険料は納めていてもどのような年金があり、どのような受給要件があるのかを知らないという方も多いでしょう。

そこで、今回は年金の仕組みや種類について解説します。

公的年金制度の強みなどについても解説するので、なぜ納める必要があるのか、納めてメリットはあるのかという疑問がある方は、ぜひご覧ください。

年金は2階建て構造と呼ばれる仕組みになっている

二階建て

年金は国民全員に加入の義務がある国民年金保険を1階部分、企業へ勤めている方が加入できる厚生年金を2階部分とする2階建て構造と呼ばれる仕組みになっています。

そのため、国民年金にしか加入していないという方よりも、厚生年金へも加入している方のほうが上乗せして給付を受けることが可能です。

働き方による国民年金の被保険者の分類

国民年金は働き方によって被保険者の分類が異なり、下記の3通りとなっています。

  • 学生やフリーター、自営業、無職などは第1号保険者
  • 会社員や公務員などは第2号保険者
  • 第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者である第3号保険者

(参照元:日本年金機構

学生やフリーター、自営業などは第1号被保険者

学生やフリーター、自営業者、無職等は第1号被保険者として分類されます。

会社員の方や配偶者によって扶養されている方は第1号被保険者には当てはまりません。

第1号被保険者は国民年金のみの加入となるので、自分で他に老後の準備をしておかないと将来に不安が残るでしょう。

会社員や公務員などは第2号被保険者

会社員や公務員として働いているという方は第2号被保険者の分類になります。

また、パートやアルバイトの方でも下記の条件を満たすことで、加入をすることが可能です。

  • 週所定労働時間20時間以上
  • 月額賃金8.8万円以上
  • 勤務期間2ヶ月以上見込み
  • 学生ではない
  • 従業員数101人以上の企業で働いている

第2号被保険者の方は、国民年金に加えて厚生年金に加入することができるため、年金の給付が多くなる傾向にあります。

第2号被保険者に扶養されている第3号被保険者

第2号被保険者に扶養されている方は第3号被保険者として分類されます。

保険料は扶養してくれている配偶者の方が加入している年金保険制度が負担をしているため、自分で納めることはありません。

第1号被保険者と同様に国民年金のみの加入になるので、老後の資金は第2号被保険者の方よりも少なくなります。

国民年金と厚生年金の違いとは

国民年金と厚生年金はどのような違いがあるのかを確認していきましょう。

  • 国民全員が加入する国民年金
  • 会社員が加入する厚生年金

国民全員が加入する国民年金

日本年金機構によると、国民年金は国民全員が加入する年金制度で、20歳以上60歳未満の方で、厚生年金保険に加入していない方には加入の義務が課せられます。

保険料額は1年間は定額となっており、毎年金額が見直されるようになっています。

年金制度の1階部分とされていて、老齢年金や障害年金、遺族年金を受給するためには、納付が必要な年金です。

また、年金保険料は自分で負担する必要があります。

会社員が加入する厚生年金

日本年金機構によると、厚生年金は厚生年金保険に加入している会社で働いている70歳未満の方が加入する年金保険で、国民年金に加算して受け取ることができる年金制度です。

保険料額は加入者の所得に応じて変動するため、納付額は一定ではありません。

年金制度の2階部分とされており、保険料の納付は会社と加入者で折半となっています。

公的年金にも3種類の分類がある

三つ

公的年金には3種類の分類があり、受給資格が異なります。

それぞれどのような時に受け取ることができるのか確認していきましょう。

  • 65歳以降にもらえる老齢年金
  • 病気等で障害認定を受けたら受給できる障害年金
  • 生計維持者が亡くなった際にもらえる遺族年金

65歳以降にもらえる老齢年金

老齢年金は65歳以降に受給ができる年金制度です。年金といえばこれを思い浮かべる方も多いでしょう。

老齢年金は老齢基礎年金と、老齢厚生年金があり、国民年金にのみ加入をしていたか、厚生年金にも加入をしていたのかで受給の有無が異なります。

老齢年金の受給要件と受給金額

老齢年金は、年金保険に10年間以上加入をしている方が受給をすることが可能で、老齢厚生年金は、国民年金と合わせて10年以上の加入があれば受給ができます。

老齢基礎年金の受給金額は、令和4年度の月額は64,816円が満額とされており、老齢厚生年金は納めた月数や金額によって変動します。

日本年金機構による厚生年金の標準的な年金額は219,593円とされているので、こちらの金額を参考にしてみると良いでしょう。

病気等で障害認定を受けたら受給できる障害基礎年金

病気や怪我などによって障害を負ってしまったという場合に、年金を納めていた場合には障害年金を受給することができます。

障害年金には、障害基礎年金と障害厚生年金があり、障害基礎年金は障害の等級に応じて一定額を、障害厚生年金は納付している保険料と等級に応じた金額を受け取ることが可能です。

障害基礎年金の受給要件と受給金額

障害基礎年金の受給要件は下記のとおりです。

  • 障害の原因となった病気やけがの初診日が次のいずれかの間にあること。
    ・国民年金加入期間
    ・20歳前または日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満で年金制度に加入していない期間
  • 障害の状態が、障害認定日(障害認定日以後に20歳に達したときは、20歳に達した日)に、障害等級表に定める1級または2級に該当していること。
  • 初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合員期間を含む)と保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あること。
    ただし、初診日が令和8年4月1日前にあるときは、初診日において65歳未満であれば、初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよいことになっています。
    また、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件は不要です。

(参照元:日本年金機構

また、受け取れる金額は下記のとおりです。

等級 金額
1級 972,250円+子の加算額
2級 777,800円+子の加算額

(参照元:日本年金機構

子の加算額は2人までは1人につき223,800円で、3人目以降は1人につき74,600円となっています。

障害厚生年金の受給要件と受給金額

障害厚生年金の受給要件は下記の全てを満たす必要があります。

  • 厚生年金保険の被保険者である間に、障害の原因となった病気やけがの初診日があること。
  • 障害の状態が、障害認定日に、障害等級表に定める1級から3級のいずれかに該当していること。ただし、障害認定日に障害の状態が軽くても、その後重くなったときは、障害厚生年金を受け取ることができる場合があります。
  • 初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合員期間を含む)と保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あること。
    ただし、初診日が令和8年4月1日前にあるときは、初診日において65歳未満であれば、初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよいことになっています。

また、受け取れる金額は下記のとおりです。

等級 金額
1級 (報酬比例の年金額) × 1.25 + 配偶者の加給年金額(223,800円)
2級 (報酬比例の年金額) + 配偶者の加給年金額(223,800円)
3級 (報酬比例の年金額) 最低保障額 583,400円

(参照元:日本年金機構

65歳以上でその方に生計を維持されている配偶者がいる場合のみ加給年金額が加算されるので、その他の場合は省いて計算をしてください。

生計維持者が亡くなった際にもらえる遺族年金

遺族年金は国民年金または厚生年金保険に加入していた方(被保険者)が亡くなってしまった場合に、その方に生計を維持されていた方が受け取ることのできる年金制度です。

亡くなった方がどの年金保険に加入していたのかに応じて、受け取れる遺族年金が異なります。

遺族基礎年金の受給要件と受給金額

遺族基礎年金を受け取るためには下記の要件のいずれかを満たしている必要があります。

  • 国民年金の被保険者である間に死亡したとき
  • 国民年金の被保険者であった60歳以上65歳未満の方で、日本国内に住所を有していた方が死亡したとき
  • 老齢基礎年金の受給権者であった方が死亡したとき
  • 老齢基礎年金の受給資格を満たした方が死亡したとき

(参照元:日本年金機構

遺族基礎年金の受給額は受け取る人によって異なり、子のある配偶者がもらう場合は777,800円+子の加算額で、子がもらうときは777,800円+2人目以降の子の加算額が受け取れます。

子の加算額は1人目および2人目の子の加算額は各223,800円で、3人目以降の子の加算額は各74,600円となっているので、子の人数によってもらえる金額は大きく変動します。

遺族厚生年金の受給要件と受給金額

遺族厚生年金は下記のいずれかの要件を満たした場合に受給することが可能です。

  • 厚生年金保険の被保険者である間に死亡したとき
  • 厚生年金の被保険者期間に初診日がある病気やけがが原因で初診日から5年以内に死亡したとき
  • 1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けとっている方が死亡したとき
  • 老齢厚生年金の受給権者であった方が死亡したとき
  • 老齢厚生年金の受給資格を満たした方が死亡したとき

(参照元:日本年金機構

遺族厚生年金で受け取れる金額は死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の金額とされているため、対象の方の収入によって異なります。

公的年金制度の5つの特徴

5

公的年金制度の特徴は下記の5つがあります。

  • 社会保険料控除を利用することができるため、税制上有利になる
  • 物価の上昇に対応しているので、インフレに強い
  • 免除等の制度が揃っている
  • 生きている間は支給される
  • 障害年金や遺族年金制度のおかげで万が一の場合も安心

社会保険料控除を利用することができるため、税制上有利になる

年金保険料は社会保険料のうちの1つなので、社会保険料控除を受けることができます。

そのため、年金保険料を納めるために納めた金額は所得から控除して税金が計算されます。

税金の負担を軽くするためにも公的年金の保険料の納付は怠らないようにしましょう。

物価の上昇に対応しているので、インフレに強い

公的年金制度は、賦課方式をとっており、世界情勢等の影響でインフレが起こった際にも対応できるようになっています。

賦課方式は、現役世代が支払う年金保険料によって高齢者を養う仕組みのため、インフレによって給料が上昇すれば、その分年金保険料が徴収が可能です。

もし、賦課方式でなく、過去に支払われた保険料で年金を賄っていたら、インフレ等には対応できなくなってしまい元本が目減りしてしまうという現象が起こります。

免除等の制度が揃っている

公的年金制度には、学生である場合や経済的理由で納付が困難な場合に、納付を免除したり猶予を受けられたりする制度が揃っています。

そのため、年金保険料の納付が難しいという場合には、免除・猶予等の措置をとるのもおすすめです。

また、年金の納付を免除している期間も受給資格の期間に含まれ、老齢年金の受給資格である10年の加入期間として計算されます。

生きている間は支給される

年金には支給される年齢の限度はなく、生きている間は受け取り続けることが可能です。

そのため、年金は将来受け取れるか分からないから納付しなくても良いというのは誤りで、自分の老後のためにも年金保険料は納めるようにしておきましょう。

障害年金や遺族年金制度のおかげで万が一の場合も安心

障害年金や遺族年金制度があるので、障害を負ってしまったという場合や、家族を残して亡くなってしまったという場合でも安心です。

年金保険料を納めていて、受給要件さえ満たしていれば、申請をすることで障害年金や遺族年金を受けることが可能なので、万が一のためにも納付は怠らないようにしましょう。

まとめ:年金の仕組みを理解して、将来に備えておこう!

将来

年金には国民年金と厚生年金の2種類があり、その中にも老齢年金と障害年金、遺族年金というような分類があります。

それぞれを受給するためにも年金保険料を必ず納付しておくことが大切です。

今まで年金保険料を納めるのを怠っていたという方は、この機会に納付をするようにしてみてください。

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