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「給付型の奨学金を受給したいけど、条件などはあるの?」「2020年に変更された点はどのような部分?」という疑問を持っているという方も多いでしょう。
そこで、今回は給付型奨学金を受給するための条件について解説します。
2020年に変更された制度の内容についてや注意点に関しても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
JASSO(日本学生支援機構)が提供している奨学金には下記の種類があります。
金額の大きさに関係なく、利息がかからずに貸与されるのが第一種奨学金です。
給付を受けるためには、高等学校における全履修科目の評定平均値が、原則として5段階評価で3.5以上である必要があります。
また、大学院や博士課程への進学にて第一種奨学金を借りたいという方は、大学や大学院の成績が優れていて、研究能力や高度の専門性を要する職業で必要な高度の能力があると認められることが条件です。(参照元:日本学生支援機構)
そのため、無利息の奨学金を借りたいという場合には、学業に励む必要があります。
利息付きで貸与されるのが、第二種奨学金です。利息があるので、返済が長引けば、長引くほど、多くの利息の支払いが必要になります。
ただし、受給の条件がゆるく、高等学校の時点での成績は平均以上と認められていれば問題ありません。
また、大学院や博士課程への進学は学習に対する意欲が認められれば良いので、比較的受給しやすいでしょう。
支給された奨学金を返還する必要がないものが、給付型奨学金です。家庭の収入事情によって、進学が困難という場合には、こちらの利用も検討しましょう。
日本学生支援機構によると、給付型の奨学金を受けるためにも成績の基準があり、高等学校時点での成績が5段階評価で3.5以上必要です。
しかし、成績が足りていないという場合でも世帯収入の状況によっては給付が受けられる場合もあります。
基準がわからないという場合には一度問い合わせてみても良いでしょう。
2020年より給付型奨学金を受けられる世帯と支援金が変更になりました。
今までは生活保護世帯や住民税非課税世帯を対象としていた給付型奨学金ですが、住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯まで範囲が広がったため、受給しやすくなっています。
学業成績についても従来は成績優秀であることが求められていましたが、現在は「学ぶ意欲がある」という条件です。学業成績だけでなく、レポートの提出などで学びへの意欲があると認められれば給付を受けられる可能性があります。
また、支援金額は収入区分によって変わりますが、上限額が上がったため、より余裕を持って進学をすることができるでしょう。
給付型奨学金を受けるためには収入基準と資産基準を満たす必要があります。
給付型奨学金を受けるための基準として、収入による基準が設けられています。
基準によって分かれている区分によって、支給上限額等が異なる仕組みです。
それぞれの区分に対する収入の基準は下記の通りです。
支援区分 | 収入基準 |
第1区分 | あなたと生計維持者の市町村民税所得割が非課税であること
具体的には、あなたと生計維持者の支給額算定基準額の合計が100円未満であること |
第2区分 | あなたと生計維持者の支給額算定基準額の合計が100円以上25,600円未満であること |
第3区分 | あなたと生計維持者の支給額算定基準額の合計が25,600円以上51,300円未満であること |
引用:日本学生支援機構
給付型奨学金を申し込んだ時点で、申込者本人と生計維持者の資産合計額が、2000万円未満(生計維持者が1人の場合は1250万円未満)である必要があります。
この際の資産とは、現金に加えて、預貯金や有価証券、投資信託等の現金に準ずる資産が含まれます。
不動産や貯蓄型の生命保険、学資保険等は加算されません。
奨学金が給付される金額は国公立、私立でそれぞれ異なります。
目安となる金額は下記の通りです。
国公立大学の場合
区分 | 自宅通学 | 自宅外通学 | |
大学
短期大学 専修学校(専門課程) |
第1区分 | 29,200円
(33,300円) |
66,700円 |
第2区分 | 19,500円
(22,200円) |
44,500円 | |
第3区分 | 9,800円
(11,100円) |
22,300円 | |
高等専門学校
(第4学年以上) |
第1区分 | 17,500円
(25,800円) |
34,200円 |
第2区分 | 11,700円
(17,200円) |
22,800円 | |
第3区分 | 5,900円
(8,600円) |
11,400円 |
引用:日本学生支援機構
※生活保護世帯で自宅から通学する人、および児童養護施設等から通学する人は、カッコ内の金額
私立大学の場合
区分 | 自宅通学 | 自宅外通学 | |
大学
短期大学 専修学校(専門課程) |
第1区分 | 38,300円
(42,500円) |
75,800円 |
第2区分 | 25,600円
(28,400円) |
50,600円 | |
第3区分 | 12,800円
(14,200円) |
25,300円 | |
高等専門学校
(第4学年以上) |
第1区分 | 26,700円
(35,000円) |
43,300円 |
第2区分 | 17,800円
(23,400円) |
28,900円 | |
第3区分 | 8,900円
(11,700円) |
14,500円 |
引用:日本学生支援機構
※生活保護世帯で自宅から通学する人、および児童養護施設等から通学する人は、カッコ内の金額
国公立の方が学費等かかる費用が比較的安いため、受給できる金額が異なります。
また、自宅外からの通学の場合は受給できる金額が多くなるので、通学を楽にするために実家を出るという方でも安心でしょう。
給付型奨学金の注意点は下記の4つがあります。
進学を希望している学校が、給付型奨学金の対象校ではない場合、給付が受けられません。
給付型奨学金を受けられる学校であるかは、文部科学省の公式ホームページより確認することができます。
現在は多くの学校が認定されているため、あなたの行きたい学校が対象の場合がほとんどでしょう。
給付型の奨学金を受給しているという場合でも、第一種奨学金および第二種奨学金を希望すれば受け取ることができます。
しかし、無利息で利用できる第一種奨学金を受け取る場合には、支給額に制限がかかる恐れもあります。
引用:日本学生支援機構
第二種奨学金を利用する場合には、支給額の制限等がないので、あなたの希望する金額に合わせて奨学金の種類を選びましょう。
最初に給付型奨学金が振り込まれるのは、多くの場合で4月から6月です。そのため、入学してからすぐに授業料等が必要という場合に間に合わないこともあります。
もし、発生する費用が入学してからすぐだとわかっている場合には、事前に資金を用意しておくようにしましょう。
事前に払ってしまった金額に関しては、後で申請を行うことで金額分の還付を受けられます。
給付型奨学金を受けている人は、入学金等を減免することが可能です。
しかし、在学中に金銭的な事情によって、奨学金が必要となり、申請をしたという場合に支払い済みの金額を減免することができません。
誤って申請をしないように注意しましょう。
日本学生支援機構が提供している奨学金以外にも、奨学金が用意されています。
大学が独自で奨学金を提供している場合があります。こちらにも貸与型や給付型があり、申込者の成績が受給するために大きく関わることが多いです。
そのため、在学中には成績を落とさないように継続して勉学に励む必要があります。
もし、基準から外れてしまうと奨学金を受けられなくなることもあるので注意しましょう。
自治体や民間団体も奨学金を提供していることがあります。こちらも貸与型、給付型があり、優秀な成績を収めているなどの基準を満たしていると受給することが可能です。
無利息で借りることができる場合が多いため、返還金額が増えてしまうのは不安という方でも安心して借りられるでしょう。
奨学金を受給したいという場合には、世帯の収入や学校での成績が関係しています。
そのため、家庭の収入を把握して受け取れる奨学金を確認することはもちろん、あなたの成績を向上させることが大切です。
奨学金を受給して大学や専門学校への進学を考えているという方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
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高柳政道
CFP・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
静岡県出身。小売業やメーカー営業を経験後にライターへ転身。 FP資格を活かして執筆業務を行う。 得意分野は「株式投資」「保険」「クレジットカード」「カードローン」など。 保有資格は「CFP」「1級ファイナンシャル・プランニング技能士」。
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