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確定拠出年金にかかる税金とは?一時金と年金の違いについても解説

2023.06.14
確定拠出年金にかかる税金とは?一時金と年金の違いについても解説

※この記事は商品プロモーションを含むことがあります。

確定拠出年金を受け取る際に、3種類の受け取り方があるのはご存知でしょうか?

受け取り方によって異なる税制上の優遇が受けられます。

そこで、今回は確定拠出年金の3種類の受け取り方の違いや、税制上の優遇について解説します。

ぜひ、最後までご覧ください。

確定拠出年金は3種類の受け取り方がある

三つ

確定拠出年金には下記の3種類の受け取り方があります。

  • 一時金として受け取る
  • 年金として受け取る
  • 年金と一時金を組み合わせて受け取る

一時金として受け取る

まず、確定拠出年金を一時金として受け取る方法があります。

一時金として受け取る場合は、受け取れることになっている金額を一気にもらうことが可能です。

そのため、老後の資金を一気に受け取って、退職金の代わりとすることもできます。(参照元:企業年金連合会

年金として受け取る

年金として受け取る場合には、通常の老齢年金同様に、毎月一定金額を受給することができます。

年金と合わせて受け取ることができれば、毎月もらえる金額が大きくなり、老後の生活も安心できるようになるでしょう。

しかし、退職金のように一括で大きな資金を得られるわけではないので注意が必要です。

年金と一時金を組み合わせて受け取る

年金と一時金は組み合わせて受け取ることも可能です。

例えば、一時金として受け取る場合には退職所得控除を受けることができますが、その控除分を超えてしまう金額に関しては年金として受け取るということができます。

そのため、あなたが受け取れる金額を考慮してどのような受け取り方がベストか検討するようにしましょう。(参照元:企業年金連合会

確定拠出年金の受け取り方による違いとは

確定拠出年金は一時金と年金の受け取り方がありますが、それぞれの違いについて確認していきましょう。

  • 一時金として受け取ったら退職所得控除を受けられる
  • 年金として受け取ったら公的年金等控除を受けられる

一時金として受け取ったら退職所得控除を受けられる

確定拠出年金を一時金として受け取った場合には、退職所得控除を受けることが可能です。

退職所得控除は下記の表のように求めることができます。

【勤続年数(拠出を行った期間)が20年以下】 40万円×勤続年数(拠出年数)※最低80万円
【勤続年数(拠出を行った期間)が20年超】 70万円×(勤続年数-20年)+800万円

例えば、勤続年数が30年だったという場合には、800万円 + 70万円 × (30年 – 20年) = 1,500万円なので、1,500万円まで退職所得控除を受けられます。

年金として受け取ったら公的年金等控除を受けられる

確定拠出年金を年金として受け取った場合には、公的年金等控除を受けることができます。

年間で受け取れる金額に応じて、公的年金等控除の金額は変動します。

また、確定拠出年金以外に、老齢年金を受給している場合には、そちらの金額も公的年金等控除の対象になるため、場合によっては控除の限度額を上回ることもあるので注意が必要です。

関連記事:確定拠出年金でいくら節税できる?税控除額の計算方法もご紹介

確定拠出年金を利用する3つのメリット

メリット

確定拠出年金を利用するメリットは下記の3つです。

  • 自分で運用方法を決められる
  • 掛け金は所得控除の対象になる
  • 運用益が非課税になる

自分で運用方法を決められる

確定拠出年金を利用すると、拠出した掛け金の運用方法を自分で決めることができます。

投資リスクを理解したうえで「投資信託」という金融商品に投資することもできますし、元本割れを防ぎたければ「定期預金」「保険」という元本確保型の選択肢もあります。

投資信託は商品ごとに投資対象や見込めるリターン、価格の揺れ幅(リスク)が異なるため、事前に知識を身につけることが不可欠です。

投資に関する知識がある人にとっては、運用方法を自分で定められた方が有利だと思う方もいるでしょう。

そのため、自分で運用を行いたいという方にとっては、運用方法を自分で定められるという大きなメリットがあります。

掛け金は所得控除の対象になる

確定拠出年金を利用して資産運用を行う際に拠出している掛け金は全額所得控除の対象となります。

もちろん企業型、個人型どちらでも所得控除の対象となるため、どちらの方が有利ということはありません。

また、企業型確定拠出年金を利用している方が使える、マッチング拠出を行った場合の掛け金も所得控除の対象です。

運用益が非課税になる

通常、資産運用をして運用益が出たという場合は20%の税金が課せられます。

しかし、確定拠出年金を利用して、得た運用益は課税対象にはなりません。

そのため、未来のために投資をしているけど、税金がもったいないと感じている方は確定拠出年金を利用してみるのも良いでしょう。

確定拠出年金を利用する3つのデメリット

デメリット

確定拠出年金を利用するデメリットは下記の3つです。

  • 年金額は運用の結果によって変動する
  • 60歳までお金を受け取ることができない
  • 個人型を利用する場合手数料がかかる

年金額は運用の結果によって変動する

確定拠出年金を利用して資産運用を行なっていると、運用に成功したという場合には資金が増えて、受け取れる年金額も増えます。

その一方で、運用に失敗してしまった場合には積み立てていた資産が減ってしまうということもあります。

そうなってしまうと受け取れる年金が減ってしまうということもあるので、注意が必要です。

元本割れを防ぐなら「定期預金」「保険」という選択肢もありますが、こちらは安定している代わりに資産が大きく増えることはありません。

「運用益が非課税」というメリットをほぼ活かせなくなる点は理解しておきましょう。

60歳までお金を受け取ることができない

確定拠出年金は原則として途中で解約をして、お金を引き出すことはできません。

そのため、契約期間中に病気や怪我で働けなくなってしまったという場合にも、お金は受け取れなくなります。

もし、資金に余裕がない場合には、利用しない方が良いでしょう。

個人型を利用する場合手数料がかかる

確定拠出年金には企業型と個人型の2種類がありますが、個人型の確定拠出年金を利用する場合には、口座開設や口座の維持に手数料がかかります。

まず、国民年金基金連合会に支払う手数料として、以下の支払いが必要です。

加入・移換時手数料(初回1回のみ) 2,829円
加入者手数料(掛金納付の都度) 105円
還付手数料(その都度) 1,048円

加えて、実際にiDeCoを運用する証券会社や金融機関によって設定される運営管理手数料も支払いが必要になる場合があります。

そのため、他の投資をする場合ではかからなかった口座のための手数料がもったいなく感じてしまうこともあるでしょう。

ただし、運用益には税金がかからない等の恩恵もあるので、どちらが良いかを考えてから利用してみてください。

関連記事:確定拠出年金のメリット・デメリットとは?企業型DC、個人型DCの違いについても解説

まとめ:確定拠出年金は受け取り方によって控除の内容が違うので気をつけよう!

注意

確定拠出年金は一時金と年金の受け取り方があり、それぞれを併用することもできるものです。

そのため、受け取れる金額や控除される額によって、あなたに最適な受け取り方を選ぶことが可能です。

確定拠出年金を利用している方は、この記事を参考に、あなたのライフスタイルに合っているお金の受け取り方を選んでみてください。

関連記事:確定拠出年金は解約できる?退職する時の状況ごとに取るべき対応や注意点を徹底解説

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