終身保険とは?特徴やメリット・デメリット、代表的な保険を解説!

【終身保険とはどんな保険?】終身保険の特徴やメリット・デメリット、代表的な4種類の保険を解説!

監修者

監修者
田中壮

TFPグループ 代表取締役 田中 壮

2009年、株式会社STEPに入社し、システム開発を担当。市川市消防局でのレスキュー隊の経験を経て、2013年にプルデンシャル生命保険株式会社に入社し保険業界へ。2014年には個人保険販売ランキングで全社営業マン約4,000人中4位となり、2015年に営業所長に就任。その後、保険代理店(株式会社イコールワン)を共同創業。2018年に株式会社TFPグループを設立し、代表取締役に就任。自身はMDRT(生命保険・金融サービスの専門家が所属するグローバル組織)2024年度TOT(トップ・オブ・テーブル/最上級の資格)基準を達成。

終身保険とは何かを調べていると、仕組みが複雑に感じて迷いやすいものです。 一生涯の保障と聞くと安心に思えますが、保険料の負担や解約返戻金など、検討したいポイントも多くあります。

この記事では、終身保険の基本から種類ごとの違い、定期保険や養老保険との比較まで順番に整理します。 メリットとデメリットを両方確認しながら、自分や家族にとって必要な保障かどうかを判断しやすくすることが目的です。

目次

終身保険とは?簡単にわかる概要と仕組み

ここでは、終身保険とはどのような生命保険かを、まず全体像から見ていきます。 一生涯の保障という言葉の意味や、保険期間と払込期間の違いを押さえると、仕組みが理解しやすくなります。

あわせて、死亡保険金や解約返戻金がどのように動くのかも確認します。 基本的な構造を知っておくと、後半で扱う種類の比較や、老後や相続での活用場面もイメージしやすくなるはずです。

一生涯の保障と死亡保険との違い

終身保険とは、被保険者が亡くなるまで保険期間が続く生命保険です。 保険会社との契約が続く限り、死亡のタイミングに関係なく、所定の死亡保険金が受取人に支払われる仕組みになります。

ここで整理したいのが「一生涯の保障」と「死亡保険」という言葉の違いです。 死亡保険は、亡くなったときに保険金が出る保険の総称で、終身保険と定期保険の両方を含みます。 一方で終身保険は、保険期間が一生涯にわたる死亡保険の一種という位置づけです。

定期保険は一定期間のみ保障があり、期間満了で契約が終了します。 掛け捨て型が一般的で、保険料は抑えやすい反面、満期時にお金は戻りません。 終身保険は期間に限りがない代わりに、月々の保険料は高くなりやすい傾向があります。

その分、老後の葬儀費用の準備や、相続時の資金確保など、長期の目的に使いやすい側面があります。 ただし、家計の負担とのバランスを見ながら、必要な保障額や加入時期を検討することが大切と言えるでしょう。

払込・払戻金・解約返戻金

終身保険の特徴を理解するには、保険料の払込と解約返戻金の関係を押さえることが重要です。 一般的に、毎月または年払いで一定の保険料を払い続けると、契約経過に応じて解約返戻金が貯まっていきます。

払込期間は、一生涯払い続ける終身払いや、60歳や65歳までなど、一定の年齢で払い終えるタイプがあります。 払込が早く終わるほど、1回あたりの保険料は高くなりやすいですが、老後の家計負担は軽くしやすくなります。 どの期間を選ぶかで、総額や返戻率は変わるため、シミュレーションが欠かせません。

解約返戻金は、途中解約したときに戻るお金です。 契約の早い時期に解約すると、戻る金額が払込総額よりかなり少なくなることもあります。 一方で、長く続けるほど返戻率が高まり、払込総額を上回るケースも見られますが、商品ごとに差があります。

払戻金という言葉は、満期や特定の条件で支払われるお金を指す場合もあります。 終身保険では、解約時の解約返戻金と、死亡時の死亡保険金が中心です。 契約内容によっては、一部だけ引き出す仕組みを用意している保険会社もあるため、事前に確認しておくと安心でしょう。

満期について

終身保険には、定期保険や養老保険のような「満期」がない点が大きな違いです。 保険期間は終身、つまり被保険者が亡くなるまで続きます。 そのため、満期保険金という形でお金を受け取るタイミングは設定されていません。

この仕組みは、一生涯の死亡保障を確保できる反面、途中でやめない限り契約が続くことを意味します。 保険料の払込が終わった後も、保障は継続するため、老後になっても死亡保険金が家族に残せる可能性があります。 ただ、満期がない分、貯蓄目的で短期的にお金を受け取りたい人には向きにくい側面もあります。

一部の商品では、保険料の払込期間が満了した時点を区切りとして、解約返戻金が大きく増える設計があります。 そのタイミングを、実質的な節目として老後資金に充てる人もいます。 しかし、早期解約を前提にすると、元本割れのリスクが高まるため、慎重に検討したいところです。

終身保険を検討するときは、「いつ」「何のために」お金が必要なのかを整理しておくと良いでしょう。 満期のある保険や、個人年金など他の金融商品と組み合わせることで、必要な時期ごとに資金を準備しやすくなります。

終身保険の種類を比較

ここからは、終身保険の主な種類を比較していきます。 大きく分けると、保険金額が一定の定額タイプ、運用実績で増減する変額保険、外貨建て終身保険などがあります。

それぞれ、保険料や解約返戻金の動き、リスクの大きさが異なります。 同じ終身保険でも性格がかなり違うため、特徴を知ったうえで、自分の目的やリスク許容度に合うタイプを選ぶことが大切です。

定額タイプの特長と掛け捨て型との違い

定額タイプの終身保険とは、保険期間を通じて死亡保険金と保険料が一定のタイプを指します。 契約時に決めた保障額が変わらないため、将来の受取金額をイメージしやすいのが特長です。 保険料も原則として固定されるので、家計の計画を立てやすい面があります。

この定額タイプは、掛け捨て型の定期保険とよく比較されます。 定期保険は一定期間だけ死亡保障を確保する保険で、期間中に万一がなければ保険金は出ません。 その分、同じ死亡保障額でも保険料が安く、子どもが小さい時期など、限られた期間の生活費を守る目的で使われます。

一方、終身保険の定額タイプは、解約返戻金がたまる「貯蓄性」を持ちます。 長く続けることで、解約時に戻るお金が増え、老後の資金や葬儀費用の準備として活用されることもあります。 ただし、保険料は定期保険より高くなりがちで、短期間で解約すると返戻金が少なく、損をしたように感じる場合もあります。

掛け捨て型との違いを整理すると、終身保険は「一生涯の保障と貯蓄性」、定期保険は「一定期間の大きな保障と保険料の軽さ」がポイントです。 どちらが良いかは、必要な保障額や期間、家計のゆとりによって変わります。 両方を組み合わせて、ベースは終身保険で確保し、必要な時期だけ定期保険で上乗せする方法も検討に値するでしょう。

変額保険の可能性とリスク

変額保険タイプの終身保険は、保険会社が運用する投資信託などの実績に応じて、解約返戻金や死亡保険金が増減する仕組みです。 市場の動きに連動するため、うまくいけば返戻率が高まり、将来の受取額が大きくなる可能性があります。

一方で、運用が思わしくない場合には、解約返戻金が払込総額を下回る期間が長く続くこともあります。 死亡保険金についても、最低保障額は決まっているものの、それを上回る部分は変動するケースが一般的です。 リスクを取る分、リターンにも幅がある点を理解しておく必要があります。

変額保険は、長期で運用しながら一生涯の保障を確保したい人に向きやすい商品です。 ただ、市場金利や株式、債券の値動きに左右されるため、短期での解約や、早期に資金が必要なケースには合わないこともあります。 途中解約すると、運用がマイナスのタイミングで返戻金が大きく減るリスクもあるため、余裕資金での利用が望ましいとされます。

加入前には、運用先の概要や、過去の運用実績、手数料の水準などを確認しておくと良いでしょう。 また、変額保険は仕組みが複雑になりやすく、リスクの取り方も人によって考え方が分かれます。 保険会社の説明資料や、担当者の説明をよく聞き、自分で内容を理解できてから契約することが大切です。

外貨建て終身保険のメリット・為替リスクと税制上の注意点

外貨建て終身保険は、保険料や保険金、解約返戻金などをドルやユーロなどの外貨で管理するタイプです。 円建てよりも高い積立利率が期待できる場合があり、長期で資金を増やしたい人の選択肢として注目されています。

メリットとしては、外貨で資産を持つことで、円安になったときに円換算の受取額が増える可能性がある点が挙げられます。 また、国内の金利が低い状況でも、外貨建てなら一定の利率が見込める商品もあります。 一生涯の保障を持ちながら、将来の資金準備や相続対策として活用するケースも見られます。

一方で、為替リスクは避けて通れません。 円高のタイミングで解約や受取りを行うと、円に換算した金額が想定より少なくなることがあります。 外貨から円に換える際の為替手数料もかかるため、実際の受取額をシミュレーションしておくことが重要です。

税制面では、解約返戻金や満期扱いの受取金に所得税や住民税がかかるケースがあります。 死亡保険金については、受取人や金額によって相続税や所得税の扱いが変わり、生命保険の非課税枠が適用できる場合もあります。 ただし、税制は将来変更される可能性があるため、契約時点だけでなく、受取前にも最新情報を確認すると安心でしょう。

貯蓄性・保障性・流動性のバランス

終身保険を検討する際は、貯蓄性、保障性、流動性という三つの視点でバランスを見ることが役立ちます。 貯蓄性は解約返戻金のたまり方、保障性は死亡保険金の大きさ、流動性はお金を動かしやすいかどうかです。

どれを重視するかは、人によって異なります。 一生涯の保障を厚くしたいのか、老後資金を重視するのかで、選ぶ終身保険のタイプや保険料の負担が変わります。 ここでは、それぞれの観点から、活用のポイントと注意点を整理していきます。

一生涯の保障・相続対策・生命保険料控除の活用

終身保険の大きなメリットは、一生涯にわたって死亡保障が続くことです。 保険期間に終わりがないため、老後になってから亡くなった場合でも、遺族が死亡保険金を受け取れる可能性があります。 葬儀費用や、残された家族の生活費の一部として役立てやすい点が評価されています。

相続対策としての活用もよく話題になります。 終身保険の死亡保険金は、法定相続人一人あたり一定額まで、相続税の非課税枠が設けられています。 そのため、預貯金だけで相続するよりも、税負担を抑えられるケースがありますが、全員に当てはまるわけではありません。

さらに、終身保険の保険料は、生命保険料控除の対象となることが多いです。 年間の払込額に応じて、所得税や住民税が軽減される可能性があります。 ただし、控除額には上限があり、他の生命保険や個人年金と合わせて計算される点には注意が必要です。

このように、終身保険は保障性に加えて、税制面でのメリットも期待できます。 一方で、税制や相続のルールは将来変わることがありますし、家族構成や資産状況によっても最適な方法は違います。 相続や税金を目的に加入する場合は、最新の制度を確認しつつ、必要に応じて専門家に相談すると良いでしょう。

解約時の損・保険料負担が大きいケース・やめたほうがいい場合

終身保険は長期で続けることを前提とした商品なので、途中解約には注意が必要です。 契約から数年程度の早期解約では、解約返戻金が払込総額を大きく下回ることが一般的です。 結果として「思ったより戻らない」と感じる人も少なくありません。

保険料の負担が家計に重くのしかかっている場合も要注意です。 毎月の保険料が高すぎると、生活費や教育費、老後資金の貯蓄が圧迫されることがあります。 無理に終身保険を続けるより、定期保険など保険料を抑えた保障に見直した方が、全体として安心につながるケースもあります。

やめたほうがいい場合の一例として、短期の貯蓄目的だけで終身保険に加入するケースが挙げられます。 数年後に必ず解約する前提で契約すると、解約返戻金が少なく、手数料負担が目立ちやすくなります。 また、投資目的で高い利回りだけを期待してしまうと、金利や市場環境の変化で想定どおりにならないリスクもあります。

終身保険は、万が一の保障と長期の資金準備を組み合わせた保険です。 加入を検討する際は、「どのくらいの期間続けるつもりか」「保険料は家計に無理がないか」を冷静に確認することが大切です。 無理なく続けられる金額と、他の貯蓄や投資とのバランスもあわせて考えると良いでしょう。

実例で見る総額と返戻率の見方

終身保険を比較するときは、月々の保険料だけでなく、払込総額と解約返戻金の返戻率を見ることが重要です。 ここでは、あくまでイメージしやすいように、簡単な数値例で考え方を説明します。 実際の金額は年齢や性別、保険会社によって大きく異なる点にご注意ください。

例えば、30歳で保険金額300万円の終身保険に加入し、60歳までの30年間、毎月1万円を払うとします。 払込総額は約360万円です。 60歳時点の解約返戻金が330万円なら、返戻率は約91パーセントとなり、払込総額より少ない状態です。

一方、70歳時点の解約返戻金が380万円になっていれば、返戻率は約105パーセントです。 長く続けることで、払込総額を上回るケースもあるという一例です。 ただし、これはあくまで一つの想定であり、実際には商品ごとの積立利率や手数料、運用状況で数値は変わります。

返戻率を見るときは、「どの年齢で解約した場合にどうなるか」を複数の時点で確認すると良いでしょう。 老後資金に充てたいなら、受け取りたい時期の返戻率がどうかがポイントです。 保険会社から取り寄せた試算表や資料を比較し、自分のライフプランに合うかどうかを検討してみてください。

終身保険 vs 定期保険・養老保険・個人年金

終身保険を選ぶかどうかを考えるには、他の生命保険との違いを知ることが欠かせません。 ここでは、定期保険、養老保険、個人年金と比較しながら、それぞれの目的や使い分けの考え方を整理します。

どの保険も一長一短があり、どれか一つが常に優れているわけではありません。 自分の家族構成や年齢、必要な保障額を踏まえて、組み合わせ方を検討することで、より納得感のある保険選びにつながります。

終身保険と定期保険の目的別選び方

終身保険と定期保険は、どちらも死亡保険ですが、役割や向いている目的が異なります。 終身保険は一生涯の保障が続き、解約返戻金もたまるため、長期の安心や資産形成を重視する人に選ばれやすいです。 一方、定期保険は一定期間だけ大きな保障を持てるため、コストを抑えて家族を守りたい人に適しています。

例えば、小さな子どもがいる家庭では、子どもが独立するまでの生活費や教育費をカバーする必要があります。 この期間は、定期保険で大きめの保障を確保し、万が一のときの生活費を守る考え方があります。 同時に、終身保険で最低限の保障を持っておけば、子どもが独立した後も葬儀費用などを準備しやすくなります。

逆に、独身で扶養家族がいない場合は、大きな死亡保障は不要なこともあります。 その場合は、終身保険で小さめの保険金額にして葬儀費用だけを確保し、残りは貯蓄や投資に回す選択肢もあります。 定期保険は必要な期間だけ加入し、ライフステージに合わせて増減させるイメージです。

目的別に整理すると、「一生涯の最低限の保障と貯蓄性」は終身保険、「子どもが小さい時期など一定期間の大きな保障」は定期保険という役割分担になります。 両方を上手に組み合わせることで、保険料の負担を抑えつつ、必要な時期に必要な保障を確保しやすくなるでしょう。

養老保険・満期扱いの違いと貯蓄目的での使い分け

養老保険は、保険期間中に亡くなった場合は死亡保険金、満期まで生存した場合は満期保険金を受け取れる保険です。 保険期間が終了した時点で必ずお金を受け取れるため、貯蓄性の高い生命保険として知られています。 一方、終身保険には満期がなく、解約しない限り保険は続きます。

貯蓄目的で考えると、養老保険は「一定期間で確実に資金を用意したい」人に向きやすい商品です。 例えば、子どもの大学入学時期に合わせて満期を設定し、教育資金を準備する使い方があります。 ただし、その分保険料は高めになりやすく、家計への負担が大きくなることもあります。

終身保険は、満期という区切りがない代わりに、老後以降も一生涯の保障が続きます。 老後資金や葬儀費用、相続対策など、いつ必要になるか分からないお金を準備する目的に向きます。 解約返戻金を老後に一時金として受け取ることもできますが、受取時期は自分で決める必要があります。

貯蓄目的で使い分ける際は、「いつ」「どのくらい」のお金が必要なのかを明確にすることが大切です。 特定の時期に資金が必要なら養老保険や学資保険、時期が決めづらい老後や相続の準備には終身保険という考え方もあります。 それぞれの保険の特徴を踏まえて、他の金融商品とも比較しながら検討すると良いでしょう。

個人年金などとの併用プラン

老後の生活費を考えるとき、終身保険だけでなく個人年金保険との併用を検討する人も多いです。 終身保険は主に死亡時の保障と一時金での受取りが中心ですが、個人年金は一定期間または生涯にわたり、年金形式で給付金を受け取ります。 役割が違うため、組み合わせることで、より安定した老後資金の準備につながります。

例えば、老後の毎月の生活費は個人年金でカバーし、葬儀費用や相続時の資金は終身保険で確保するというイメージです。 個人年金保険も生命保険料控除の対象となることが多く、税制面のメリットを広く活用しやすくなります。 ただし、どちらも長期の契約になるため、保険料の総額や途中解約時の返戻金について事前に確認しておきたいところです。

併用プランを考える際には、まず公的年金や企業年金など、すでに見込める収入を把握することが大切です。 そのうえで、不足しそうな生活費を個人年金で補い、万一の保障や相続対策を終身保険で補完するイメージで設計します。 保険だけに頼らず、預貯金やつみたて投資など、他の資産形成の方法も組み合わせるとバランスが取りやすくなります。

それぞれの保険には手数料やリスクがあり、すべてを保険でまかなうと、家計への負担が大きくなる可能性もあります。 ライフステージごとに必要な保障と資金を見直しながら、過不足がないかを定期的にチェックすると良いでしょう。

加入・見直し・解約の手続きと注意点

終身保険は、一度契約すると長期間にわたって家計に影響します。 そのため、加入時だけでなく、見直しや解約のタイミングでも、手続きや注意点を押さえておくことが大切です。

ここでは、健康状態や保障内容を確認するポイント、解約や払戻しの流れ、税金の扱いを分かりやすく整理します。 あわせて、ライフステージの変化に応じた見直しの方法も紹介し、無理のない保険との付き合い方を考えていきます。

健康状態・期間・保障内容の確認ポイント

終身保険に加入する際は、まず健康状態の告知が重要なステップになります。 多くの生命保険では、過去の病気や現在の通院状況などを申告し、その内容に基づいて引き受けの可否や保険料が決まります。 持病がある場合、条件付きの契約になったり、加入できないこともあるため、正直に告知することが大切です。

次に確認したいのが、保険期間と払込期間です。 終身保険は保険期間が一生涯ですが、保険料を払い続ける期間は「終身払い」と「有期払い」に分かれます。 有期払いでは、60歳や65歳など、一定の年齢で払込みが終了しますが、その分月々の保険料は高くなりやすいです。

保障内容については、死亡保険金の金額だけでなく、特約の有無も確認しておきましょう。 医療保障や障害状態になった場合の保険料免除など、さまざまな特約がありますが、付けすぎると保険料がかさみます。 自分や家族にとって本当に必要な保障かどうかを、ライフステージや将来の可能性を踏まえて選ぶことが大切です。

また、契約者と被保険者、受取人の関係も整理しておく必要があります。 誰がお金を払い、誰の生命に保障がかかり、誰が保険金を受け取るのかで、税金の種類や課税対象が変わります。 相続や贈与の観点も含めて、契約内容をきちんと理解しておくと、後々のトラブルを減らしやすいでしょう。

解約や払戻しの流れと税金の扱い

終身保険を解約する場合は、保険会社に連絡し、所定の解約手続きを行います。 多くの場合、解約請求書の提出や本人確認書類が必要になり、解約時点の解約返戻金が後日振り込まれます。 途中解約では、払込総額より少ない金額しか戻らないことも多いため、事前に返戻金の見込み額を確認しておくと安心です。

解約返戻金や満期扱いで受け取るお金には、税金がかかる場合があります。 一般的に、払込保険料の総額よりも受取額が多い部分が、所得税や住民税の課税対象となることが多いです。 この場合、一時所得として扱われ、計算方法には特別控除なども関係してきます。

死亡保険金については、受取人が誰かによって税金の種類が変わります。 契約者と被保険者が同じで、受取人が配偶者や子どもなどの場合は、相続税の対象になることが一般的です。 一方、契約者と受取人が同じで、被保険者が別人の場合などは、贈与税や所得税が関係するケースもあります。

税金の扱いは、契約形態や受取額、家族構成などによって異なります。 また、税制は将来変更される可能性もあるため、実際に解約や受取りを検討する際には、最新の情報を確認することが重要です。 必要に応じて、税理士やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することも検討してみてください。

見直しのタイミングと方法

終身保険は長期の契約になるため、ライフステージの変化に応じて見直しを行うことが大切です。 結婚や出産、住宅購入、子どもの独立、退職など、家族構成や収入が変わるタイミングは、保険の必要額も変わりやすい時期です。 そのままにしておくと、保障が過剰になったり、逆に不足してしまう可能性があります。

見直しの方法としては、まず現在の契約内容を整理することから始めます。 保険金額、保険期間、払込期間、解約返戻金の推移、特約の内容などを一覧にし、家計への負担も含めて把握します。 そのうえで、現在の生活や将来の希望に照らして、「残したい保障」と「削ってもよい部分」を検討していきます。

必要に応じて、保障額の減額や、保険料の払込方法の変更、特約の解約など、部分的な見直しも可能です。 ただし、契約内容を変更すると、解約返戻金や将来の保険料が変わることがあります。 変更前後のシミュレーションを保険会社に依頼し、数字を確認しながら判断すると良いでしょう。

新しい保険に入り直す場合は、健康状態の告知や年齢によって、保険料が高くなる可能性もあります。 現在の終身保険を解約して乗り換える前に、必ず新しい保険の加入可否を確認してから手続きすることが重要です。 焦らずに、複数の保険会社の資料を取り寄せて比較し、自分に合ったプランを選ぶよう心がけてください。

ライフステージ別のおすすめ活用法

終身保険の必要性や適した使い方は、年齢や家族構成によって大きく変わります。 同じ商品でも、若年期と老後では、重視するポイントが違ってくるためです。

ここでは、若年期、子育て期、老後や相続対策といったライフステージごとに、終身保険の活用イメージを紹介します。 あくまで一例ではありますが、自分の状況に当てはめながら、どのように役立てられそうかを考える参考にしてみてください。

若年期の選び方

20代から30代前半の若年期は、まだ家族構成が固まっていない人も多く、将来の計画が変わりやすい時期です。 この段階で終身保険を検討する場合は、「保険料の安さ」と「長期で続けやすいかどうか」が大きなポイントになります。 若いうちに加入すると、同じ保障額でも保険料が抑えられる傾向があります。

例えば、独身のうちは、葬儀費用程度の小さな保険金額で終身保険に加入し、最低限の保障と貯蓄性を持っておく方法があります。 その後、結婚や出産で家族が増えたタイミングで、定期保険を上乗せして保障額を増やすイメージです。 こうすることで、若い時期から無理のない保険料で、一生涯の保障の土台を作りやすくなります。

一方で、収入がまだ安定していない場合や、他に優先したいお金の使い道が多い場合もあります。 教育資金の準備や、転職や独立に向けた貯蓄など、流動性の高い資金が必要な人には、終身保険の保険料が負担になることもあります。 このようなケースでは、無理に高額な終身保険に加入せず、小さめの保障から始めるか、時期をずらす選択肢も考えられます。

若年期は、将来の選択肢を広く持てるようにしておくことが大切です。 終身保険を検討する際は、長く続けられる保険料かどうか、自分のキャリアやライフプランの変化も踏まえて判断すると良いでしょう。

子育て期・教育資金とのバランス

子育て期は、教育資金や住宅ローンなど、大きな支出が重なりやすい時期です。 この時期に終身保険をどう活用するかは、家計全体のバランスを見ながら考える必要があります。 万が一のときに、子どもの生活費や教育費を守ることが、保険の大きな目的の一つになります。

具体的には、終身保険で一生涯の最低限の保障を確保しつつ、定期保険で子どもが独立するまでの大きな保障を上乗せする方法があります。 こうすることで、保険料を抑えながら、期間中の必要保障額を確保しやすくなります。 終身保険の解約返戻金は、老後や相続の準備として温存し、教育資金は学資保険やつみたて投資など、別の方法で準備する人も多いです。

一方で、保険料が家計を圧迫している場合は、見直しも検討したいところです。 子どもの成長に伴い、必要な保障額は徐々に減っていくため、終身保険の保険金額を見直したり、特約を整理することで保険料を軽減できる可能性があります。 途中解約は返戻金の面で不利になることが多いため、まずは減額や特約の解約など、部分的な調整から考えると良いでしょう。

教育資金は、タイミングがはっきりしている支出です。 終身保険の解約返戻金を頼りにしすぎると、予定どおりに増えなかった場合や、解約時期が早すぎた場合に資金が不足するリスクがあります。 保険と貯蓄を組み合わせながら、無理のない範囲で計画的に準備していくことが大切です。

相続対策・老後資金確保の実践例

50代以降になると、老後の生活費や相続対策を意識して終身保険を見直す人が増えてきます。 この段階では、すでに子どもが独立していることも多く、生活費のための大きな死亡保障よりも、葬儀費用や遺族への最終的な資金準備が主な目的になることが多いです。

実践例としては、終身保険の保険金額を、葬儀費用やお墓の費用を目安に設定するケースがあります。 例えば、300万円から500万円程度の終身保険を確保し、残りの資産は預貯金や投資で管理するイメージです。 死亡保険金は、遺族がすぐに請求しやすく、相続手続きの前に当面の生活費を確保する手段としても役立ちます。

相続対策としては、法定相続人の人数を踏まえ、生命保険の非課税枠を意識した保険金額を設定する方法もあります。 ただし、相続税がそもそもかからないケースも多いため、必ずしも終身保険が必要とは限りません。 自宅や預貯金、その他の資産とのバランスを見ながら、本当に必要な保障額を検討することが重要です。

老後資金としては、解約返戻金を一時金で受け取り、生活費や医療費の足しにする活用法があります。 払込期間が終了した終身保険を、70歳前後で解約して資金化する人もいますが、その場合は税金や返戻率を確認してから判断したいところです。 保険を解約すると一生涯の保障はなくなるため、他の資産や公的年金とあわせて、トータルでの安心感を考えながら決めると良いでしょう。

まとめ

終身保険とは、一生涯の死亡保障が続き、解約返戻金もたまる生命保険です。 定期保険や養老保険、個人年金と比べると、保障性と貯蓄性をあわせ持つ一方で、保険料が高めになりやすく、途中解約に弱いという特徴があります。

加入を検討する際は、保険期間と払込期間の違い、定額タイプや変額保険、外貨建て終身保険などの種類、税制上のメリットと注意点を整理することが大切です。 あわせて、家計への負担やライフステージごとの必要保障額を確認し、無理なく続けられるかどうかを見極めてください。

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2009年、株式会社STEPに入社し、システム開発を担当。市川市消防局でのレスキュー隊の経験を経て、2013年にプルデンシャル生命保険株式会社に入社し保険業界へ。2014年には個人保険販売ランキングで全社営業マン約4,000人中4位となり、2015年に営業所長に就任。その後、保険代理店(株式会社イコールワン)を共同創業。2018年に株式会社TFPグループを設立し、代表取締役に就任。自身はMDRT(生命保険・金融サービスの専門家が所属するグローバル組織)2024年度TOT(トップ・オブ・テーブル/最上級の資格)基準を達成。

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